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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』の登場人物の生死に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

飛信隊には、6万の兵を率いる将軍がいて、五千人将がいて、千人将が何人もいます。そのなかにひとりだけ、二百人将という中途半端な階級の人物がいます。

澤圭(たくけい)です。階級は低いのに、この人物には他の誰も持っていない実績があります。この記事では、澤圭がどういう人物で、なぜ二百人将のままなのかを整理します。

結論

  • 澤圭は死亡していません。飛信隊で唯一の二百人将として健在です。
  • 澤圭の伍は一度も死者を出していません。これが最大の特徴です。
  • 信が初陣で組んだ伍の伍長でした。飛信隊の原型を作った人物のひとりです。
  • 階級が上がらないのは、部下を死なせない戦い方を選んでいるためです。

澤圭とはどんな人物か

並んだ盾と兵の隊列
澤圭は部下を死なせない伍長として描かれます(画像はイメージです)
読み方 たくけい
所属 秦・飛信隊
階級 二百人将。飛信隊で唯一
特徴 率いる伍から一度も死者を出していない
生死 生存
史実 記録なし。作品の創作

澤圭は、信が初陣を迎えた蛇甘平原の戦いで伍長を務めていた人物です。信、尾平、尾到、羌瘣らとともに伍を組みました。

この伍が、のちの飛信隊の原型になります。百人隊から6万規模の軍へ拡大する飛信隊の出発点に、澤圭がいました。

死者を出さない伍

澤圭の最大の特徴が、これです。

戦国時代の秦の軍制では、兵は伍という5人一組の単位で戦います。連帯責任の仕組みがあり、伍のなかで誰かが死ねば他の者も責任を問われることがありました。

澤圭が率いる伍は、一度も死者を出していません。飛信隊が数々の激戦を経て多くの兵を失ってきたなかで、これは例外的な記録です。

飛信隊の主な戦死者 巻・話
尾到(びとう) 14巻・第148話
松左(しょうさ) 55巻・第595話
去亥(きょがい) 57巻・第619話
那貴(なき) 69巻・第752話

これだけの犠牲が出ている部隊のなかで、澤圭の伍だけが無傷を保っています。運ではなく、そういう戦い方を選んだ結果です。

なぜ階級が上がらないのか

飛信隊では、多くの人物が昇進してきました。

人物 現在の階級
将軍
羌瘣 将軍
渕・楚水 五千人将
崇原・我呂・田有ら 千人将
尾平 三百人将
澤圭 二百人将

同じ伍から始まった尾平が三百人将になっている一方、澤圭は二百人将のままです。

理由は戦い方にあります。秦の軍功爵制では、敵の首を取ることで階級が上がります。危険を冒して前へ出るほど、昇進は早くなります。

澤圭はその逆を選びました。部下を死なせないことを優先すると、大きな武功は取れません。階級の低さは、この人物が何を優先してきたかの結果です。

なお飛信隊の階級構成は、鄴攻略戦のあとの59巻時点のものが検索でよく出回っています。実際には韓攻略の前後で編成が大きく変わり、羌瘣は五千人将から将軍へ、渕と楚水は千人将から五千人将へ上がりました。総兵力も1万5000から6万規模になっています。

飛信隊の階級一覧

現在の飛信隊の主な顔ぶれを階級順に並べると、澤圭の位置がはっきりします。

階級 人物
将軍 信、羌瘣
五千人将 渕、楚水
千人将 崇原、我呂、田有ら
三百人将 尾平
二百人将 澤圭
百人将 竜有、中鉄ら

三百人将と百人将のあいだに、澤圭ひとりだけの階級があります。飛信隊で二百人将はこの人物だけです。

この中途半端さが、そのまま澤圭という人物の描かれ方になっています。上がらないわけではなく、上がることを目的にしていないという位置です。

史実の伍という制度

作中で描かれる伍は、史実の秦の軍制に基づいています。

商鞅の変法によって、住民を5戸・10戸で組にする什伍の制が導入されました。軍でも同じ単位が使われ、5人一組の伍が最小の戦闘単位になります。

単位 人数
5人
10人
百将 100人を率いる
五百主 500人を率いる
二五百主 1000人を率いる

『商君書』境内篇には、百将・五百主・二五百主という指揮官の名が見えます。ただし作中で使われる「千人将」「五千人将」という語そのものは、史料では確認できません。

伍の連帯責任も実在の仕組みです。仲間が死ねば残った者が罰を受けるという運用があったとされ、これが兵に互いを守らせる圧力になっていました。

信の初陣の伍

澤圭が伍長を務めた伍の顔ぶれは、いま振り返ると特別なものになっています。

人物 その後
将軍。6万規模の飛信隊を率いる
尾平 三百人将。飛信隊に残り続ける
尾到 14巻・第148話で戦死
澤圭 二百人将。伍から死者を出さない

下僕だった少年が将軍になり、同じ伍にいた兄弟の弟が死に、伍長は二百人将のまま部下を守り続けている。ひとつの伍から、これだけ違う道が分かれました。

尾到の死は、飛信隊にとって最初の大きな喪失でした。馬陽の戦いで信を担いで逃げ、力尽きています。その場面を澤圭も見ていることになります。

飛信隊が失ってきた古参

飛信隊は突撃を繰り返す部隊です。そのぶん古参の犠牲も多く出ています。

人物 立場 最期
尾到 初期メンバー 14巻・第148話
松左 古参の百人将 55巻・第595話、朱海平原
去亥 飛信隊最古参のひとり 57巻・第619話、龐煖に斬られる
那貴 桓騎軍から移籍 69巻・第752話

朱海平原の戦いだけで、松左と去亥という古参2人が失われています。この部隊で長く生き残っていること自体が、簡単なことではありません。

澤圭が二百人将のまま健在であるという事実は、その戦い方が結果を出しているということでもあります。

飛信隊のなかでの役割

澤圭は目立つ武功を挙げる人物ではありません。しかし飛信隊のなかで果たしている役割があります。

ひとつは、初期からの生き残りとして隊の記憶を持っていることです。信が下僕だった頃を知り、尾到の死を見てきた人物が、6万規模になった軍のなかにまだいます。

もうひとつが、部下を死なせないという実例を示していることです。飛信隊は突撃を繰り返す部隊であり、そのなかで生存を優先する伍が存在するという対比になっています。

軍功爵制という仕組み

澤圭の階級を理解するには、秦の昇進制度を知る必要があります。

商鞅の変法で導入された軍功爵制では、敵の首を取った数によって爵位が決まります。生まれや家柄は問われません。下僕だった信が将軍まで昇れるのも、この制度があるためです。

要素 内容
評価の基準 戦場で挙げた首の数
身分の扱い 生まれは問わない。庶民でも昇進できる
与えられるもの 爵位、田宅、税の免除など
連帯責任 伍のなかで死者が出れば残った者も罰を受ける

この制度には副作用があります。首を取ることが目的化しやすいという点です。危険を冒すほど得るものが大きいため、無理な突撃を誘発します。

澤圭はその圧力に乗りませんでした。連帯責任の側、つまり誰も死なせないという方向で制度に応じています。首の数では評価されませんが、失った兵の数でも評価されません。

同じ制度の下で、信は前へ出て将軍になり、澤圭は守って二百人将のままです。どちらも制度が用意した選択肢でした。

澤圭の読み方と表記

この人物の名は、読み方を調べられることの多いものです。

表記 読み
澤圭 たくけい
尾平 びへい
尾到 びとう

「澤」は「さわ」ではなく「たく」と読みます。「たくけい」が正しい読み方です。

飛信隊の古参には、同じように読みにくい名が並びます。城戸村から出た者たちの名前は、いずれも音で覚えにくい組み合わせになっています。

澤圭に関するよくある質問

澤圭は死亡しましたか?

していません。飛信隊の二百人将として健在です。

澤圭の読み方は何ですか?

たくけいです。

澤圭はなぜ二百人将なのですか?

部下を死なせないことを優先しているためです。秦の軍功爵制では敵の首を取ることで階級が上がるため、危険を冒さない戦い方では昇進が遅くなります。

澤圭の伍の特徴は何ですか?

一度も死者を出していないことです。飛信隊が多くの兵を失ってきたなかで例外的な記録にあたります。

澤圭と信の関係は何ですか?

信が初陣を迎えた蛇甘平原の戦いで、澤圭は伍長を務めていました。この伍が飛信隊の原型になります。

飛信隊で二百人将は澤圭だけですか?

そうです。飛信隊で唯一の二百人将という肩書を持ちます。

伍とは何ですか?

5人一組の最小の戦闘単位です。商鞅の変法で導入された什伍の制に基づきます。

伍の連帯責任とはどういうものですか?

仲間が死ねば残った者も責任を問われるという仕組みです。兵に互いを守らせる圧力として機能しました。

千人将は史実にある階級ですか?

『商君書』には百将・五百主・二五百主という名が見えますが、「千人将」「五千人将」という語そのものは史料で確認できません。

澤圭は史実に実在しますか?

していません。作品の創作です。

まとめ

  • 澤圭は死亡しておらず、飛信隊で唯一の二百人将として健在
  • 率いる伍から一度も死者を出していない
  • 信が初陣で組んだ伍の伍長であり、飛信隊の原型を作った
  • 階級が上がらないのは、首を取るより部下を守ることを優先しているため
  • 伍という単位は史実の秦の軍制に基づく
  • 「千人将」「五千人将」という語は史料では確認できない

6万の軍のなかに、5人を守り続けた人がいる。昇進の速さで測れば地味ですが、率いた兵をひとりも失っていないというのは、この作品で他に誰も持っていない記録です。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。