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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』蛇甘平原の戦い(5巻から7巻)の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

『キングダム』で信が初めて戦場に立ったのが、蛇甘平原(だかんへいげん)の戦いです。王都奪還編を終えた信が、一兵卒として大軍の戦争に加わる最初の戦役でした。

この記事では、蛇甘平原の戦いが何巻何話なのか、誰が死んで何が始まったのかを整理します。この戦いで信が見たものが、以後の飛信隊の戦い方につながっています。

結論

  • 収録は単行本5巻から7巻です。信の初陣にあたります。
  • 秦軍の総大将は麃公です。魏軍の総大将は呉慶でした。
  • 決着は麃公と呉慶の一騎打ちです。7巻・第72話で呉慶が討たれます。
  • 縛虎申は6巻・第63話で戦死します。信の最初の上官でした。

蛇甘平原の戦いとは

広大な平原と丘のイメージ
蛇甘平原は丘を挟んだ平原地帯として描かれます(画像はイメージです)
収録 単行本5巻から7巻
秦軍 総大将は麃公。縛虎申ら千人将、歩兵として信
魏軍 総大将は呉慶。副将の宮元、中華十弓の黄離弦
戦場 蛇甘平原。中央の丘が争点になる
結果 秦軍の勝利
史実の年 紀元前245年ごろ

魏が秦へ侵攻したことから始まる戦役です。王都奪還編で功を挙げた信は、この戦いに一歩兵として参加しました。

戦いの流れ

段階 内容 巻・話
開戦 魏が秦へ侵攻。蛇甘平原で両軍が対峙する 5巻
初陣 信が歩兵として戦場に立つ。伍を組む 5巻
苦戦 魏の戦車隊と丘の布陣に秦歩兵が圧倒される 5巻から6巻
丘攻め 縛虎申が突撃を繰り返し、宮元と相討ちになる 6巻・第63話「奇蹟」
本陣突撃 麃公が魏の本陣へ攻め上がる 6巻から7巻
決着 麃公が呉慶を一騎打ちで討ち取る 7巻・第72話

信の初陣|伍という単位

この戦いで信は、五人一組の「伍」に配属されます。

人物 立場 その後
澤圭(たくけい) 伍長 のちに飛信隊唯一の二百人将。伍から死者を出していない
歩兵 のちに飛信隊の隊長、将軍へ
尾平(びへい) 歩兵 飛信隊の古参。現在も生存
尾到(びとう) 歩兵 馬陽の戦いで戦死(14巻・第148話)
羌瘣(きょうかい) 歩兵 素性を隠して参加。のちに将軍へ

この五人が飛信隊の出発点です。のちに数万規模になる部隊が、ここから始まりました。

羌瘣がこの時点で素性を隠して同じ伍にいたことは、あとから読み返すと重い要素になります。

縛虎申|信の最初の上官

信たちを指揮したのが千人将の縛虎申です。

初登場時の印象は最悪でした。口答えする歩兵を斬り捨て、勝ち目の見えない突撃を繰り返します。それでもこの人物が記憶されるのは、突撃の意味が最後にひっくり返るからです。

丘攻めと「骸の橋」

戦場中央の丘は魏軍が押さえていました。ここを取り返さなければ秦軍全体が不利になります。縛虎申の部隊に与えられたのが、その丘を正面から奪う役目でした。

縛虎申は自ら先頭で丘を駆け上がり、中華十弓・黄離弦の矢を受けます。深手のまま魏軍副将・宮元の眼前へ達し、槍で貫かれながら相討ちに持ち込みました。

そのとき残した言葉が、犬死にではない、倒れた兵たち全員の骸の橋を渡ってここまで来たのだ、という趣旨のものです。

無謀に見えた突撃が、損害と引き換えに敵の中枢へ届くための道だった。この転換が、縛虎申の評価を初登場時と真逆にしています。

麃公と呉慶|総大将同士の決着

丘が落ちたことで戦線が動き、麃公の突撃が通る道ができました。

呉慶という敵将

魏軍の総大将・呉慶は、魏火龍七師のひとりです。もとは甲という小国の王族でしたが、その甲が趙に滅ぼされ、名を捨てて顔に墨を入れ放浪していたところを信陵君に見出されました。

国を失った人間として、他国に攻め込まれることへの強い怒りを抱えて戦う人物として描かれています。

「下らん負け犬の感傷だな」

麃公は本陣まで攻め上がり、呉慶と一騎打ちになります。7巻・第72話で呉慶は討たれました。

この場面で印象に残るのが、麃公の反応です。国を失った者として語った呉慶の思いを、麃公は下らん負け犬の感傷だと切り捨てました。相手を称えるでも憐れむでもない。この反応が、麃公という人物の描かれ方をそのまま示しています。

信がこの戦いで得たもの

蛇甘平原は、信にとって学びの多い戦役でした。

見たもの のちの影響
縛虎申の相討ち 指揮官が先頭に立つという型
麃公と呉慶の一騎打ち 大将軍という目標の具体像
伍という単位 飛信隊の原型。仲間と組んで戦う形
大軍の戦争 個人の武だけでは決まらないという現実

王都奪還編では、信は左慈という個人の剣士と戦いました。蛇甘平原では、数万の軍がぶつかる戦争を初めて経験します。この違いが、信を一兵卒から指揮官へ向かわせる出発点になりました。

魏の戦車隊という壁

この戦いで秦の歩兵を苦しめたのが、魏の戦車隊です。

戦車は春秋時代の主力兵器でした。戦国時代には歩兵と騎兵が中心になっていきますが、平原での正面衝突ではまだ有効です。丘の上から突っ込んでくる戦車に対し、徒歩の歩兵は防ぎようがありません。

信たちが最初に直面したのが、この一方的な力の差でした。個人の武がどれだけあっても、戦争の道具の前では意味をなさない場面があります。

要素 魏側の優位
地形 中央の丘を先に押さえた
兵器 戦車隊による突撃
射撃 中華十弓・黄離弦の弓

この三つを崩すために、縛虎申は損害を承知で丘を取りに行きました。突撃が無謀に見えたのは、そもそも状況が無謀だったからです。

麃公という将軍の紹介編

蛇甘平原は、麃公という人物を読者に示す戦役でもありました。

麃公は戦況を数値や計算ではなく、燃え上がる炎として捉えるという描かれ方をします。細かい指示を出さず、自分が動くことで戦場全体を動かす型です。趙の李牧からも本能型の極みと評されました。

信がこの将軍と出会ったことは、後年まで尾を引きます。麃公は合従軍編の終盤、30巻・第325話で龐煖に討たれ、その際に自らの盾を信へ託しました。火を絶やすなという言葉とともに渡されたものです。

さらに麃公軍が解散したのち、我呂と岳雷が500の兵を率いて飛信隊へ合流します。赤飛麃・黒飛麃という隊名に「麃」の字が残っているのは、この経緯によるものです。

蛇甘平原での出会いが、二十数巻あとの部隊編成にまでつながっている。この作品の人の縁の描き方がよく出ている例です。

史実では? 蛇甘平原の戦いは記録にない

蛇甘平原という戦場も、この戦いも史実の記録にはありません。呉慶も、魏火龍七師という組織も作品の創作です。

一方、麃公は実在します。紀元前246年に蒙驁・王齮とともに将軍に任じられ、紀元前245年に魏の巻を攻めて3万を斬ったという記録が残っています。

項目 『キングダム』 史実
蛇甘平原の戦い 5巻から7巻の戦役。信の初陣 この名の戦いは記録に残っていない
麃公 秦軍総大将。本能型の大将軍 実在。紀元前245年に魏で3万を斬る
呉慶 魏火龍七師。魏軍総大将 該当する記録はない
縛虎申 秦の千人将 該当する記録はない
中華十弓 黄離弦が数えられる弓の番付 該当する制度の記録はない

史実に残るのは、麃公が魏を攻めて3万を斬ったという結果だけです。その戦いの中身は書かれていません。蛇甘平原の戦いは、その一行に肉を付けたものといえます。

蛇甘平原の戦いに関するよくある質問

蛇甘平原の戦いは何巻ですか?

単行本5巻から7巻にかけてです。信の初陣にあたります。

両軍の総大将は誰ですか?

秦軍が麃公、魏軍が呉慶です。最終的に麃公が呉慶を一騎打ちで討ちました。

呉慶が死亡するのは何巻何話ですか?

単行本7巻・第72話です。本陣まで攻め上がった麃公との一騎打ちに敗れました。

縛虎申はいつ死亡しますか?

単行本6巻・第63話「奇蹟」です。丘攻めで黄離弦の矢を受けながら宮元と相討ちになりました。

信の伍のメンバーは誰ですか?

伍長の澤圭、信、尾平、尾到、羌瘣の五人です。この五人が飛信隊の出発点になります。

羌瘣はこのとき何をしていたのですか?

素性を隠して同じ伍に参加していました。蚩尤の一族であることは、この時点では明かされていません。

戦いの結果はどうなりましたか?

秦軍の勝利です。丘を奪い返し、麃公が魏軍総大将の呉慶を討ち取りました。

蛇甘平原の戦いは史実にありますか?

この名前の戦いは記録に残っていません。ただし麃公が紀元前245年に魏の巻を攻めて3万を斬ったという記録はあります。

中華十弓とは何ですか?

作中に登場する弓の名手の番付です。この戦いでは魏の黄離弦が該当し、縛虎申に致命傷を与えました。

この戦いで信は何を得たのですか?

数万規模の戦争を初めて経験しました。指揮官が先頭に立つという型と、大将軍という目標の具体像を、この戦場で見ています。

まとめ

  • 蛇甘平原の戦いは単行本5巻から7巻。信の初陣にあたる
  • 秦軍の総大将は麃公、魏軍の総大将は呉慶
  • 縛虎申は6巻・第63話で宮元と相討ちになり、丘を落とす道を作った
  • 麃公が本陣へ攻め上がり、7巻・第72話で呉慶を討ち取った
  • 信が組んだ伍の五人(澤圭・信・尾平・尾到・羌瘣)が飛信隊の出発点
  • 史実に記録はないが、麃公が魏で3万を斬った記録は残っている

五人の伍から始まって、のちに六万の軍になる。その最初の五人が揃ったのがこの戦場でした。縛虎申の丘攻めも、麃公の一騎打ちも、信が指揮官になっていく過程の最初の教材として置かれています。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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