縛虎申(ばくこしん)の死亡は6巻63話|宮元との相討ちの最期と「骸の橋」の意味【キングダム】
この記事には『キングダム』蛇甘平原の戦い(5巻から7巻)の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。
『キングダム』で信が最初に仕えた指揮官を覚えているでしょうか。蛇甘平原の戦いで歩兵の信たちを率いた千人将、縛虎申(ばくこしん)です。「ばっこしん」と読まれることも多い人物です。
初登場時の印象は最悪に近いものでした。口答えする歩兵を斬り捨て、勝ち目の見えない突撃を繰り返す。それでもこの人物が読者に強く記憶されているのは、その突撃の意味が最後にひっくり返るからです。この記事では、縛虎申が死亡するのは何巻何話なのか、無謀に見えた突撃が実際には何だったのかを整理します。
結論
- 縛虎申は死亡します。単行本6巻・第63話「奇蹟」で描かれる場面です。
- 魏軍副将の宮元と相討ちになりました。槍で貫かれながら怯まず、そのまま宮元を討ち取っています。
- 致命傷は中華十弓・黄離弦の矢です。丘を駆け上がる途中ですでに深手を負っていました。
- 縛虎申に史実のモデルはいません。蛇甘平原の戦いという名前の戦い自体、記録には残っていません。
縛虎申のプロフィール

| 名前 | 縛虎申(ばくこしん) |
|---|---|
| 所属 | 秦国。蛇甘平原では麃公軍の指揮下 |
| 階級 | 千人将 |
| 指揮した相手 | 信を含む歩兵部隊 |
| 戦い方 | 突撃一辺倒。損害を承知で前へ出る |
| 初登場 | 単行本5巻。蛇甘平原の戦い |
| 死亡 | 単行本6巻・第63話「奇蹟」 |
| 討った相手 | 魏軍副将・宮元(相討ち) |
| 史実のモデル | 該当する記録なし |
信の初陣を語るうえで、縛虎申は避けて通れない人物です。信が「将軍とは何か」を初めて肌で知る過程に、この千人将の死が置かれています。
縛虎申の死亡は何巻何話?
縛虎申が死ぬのは単行本6巻、第63話「奇蹟」です。蛇甘平原の戦いにおける丘の争奪戦の場面にあたります。
丘攻めの流れ
蛇甘平原では、戦場中央の丘を魏軍が押さえていました。丘を取られたままでは秦軍全体が不利になります。縛虎申の部隊に与えられたのは、その丘を正面から奪い返すという役目でした。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 魏軍が丘を占拠し、戦車と弓で秦歩兵を圧倒する |
| 2 | 縛虎申が歩兵に突撃を命じる。損害は膨らみ続ける |
| 3 | 縛虎申自身が先頭で丘を駆け上がる。黄離弦の矢が縛虎申を貫く |
| 4 | 深手のまま宮元の眼前へ到達する |
| 5 | 宮元の槍に貫かれながら、そのまま斬りかかり相討ちで討ち取る。第63話 |
「骸の橋」という言葉
宮元は死の間際の縛虎申に、部下を無駄死にさせた男という趣旨の言葉を投げます。それに対する返答が、この人物のすべてを要約しています。
犬死にではない。倒れた兵たち全員の骸の橋を渡って、自分はここまで来たのだ。縛虎申はそう言い切って宮元の首に剣を突き立てました。
無謀な突撃に見えたものは、損害と引き換えに敵の中枢へ届くための、一本道の橋を架ける行為だった。この転換が、縛虎申という人物の評価を初登場時と真逆のものに変えています。
縛虎申は無能だったのか
「縛虎申 無能」という検索がある一方で、読み返すと逆の評価が固まっていく人物です。
麃公の戦い方を理解していた
蛇甘平原の秦軍総大将は麃公です。麃公は戦況を炎として捉える本能型の将軍で、細かい指示を出しません。縛虎申の突撃は、その麃公が起こす戦いの流れを歩兵の位置から支える動きでした。
丘を放置すれば戦線全体が崩れる。誰かが取り返すしかなく、正攻法で取り返すには損害を払うしかない。縛虎申はそれを引き受けたわけです。戦争を自分の部隊の損得ではなく、軍全体の単位で考えていたことになります。
信が最初に見た「死に方」
信にとって縛虎申は、理不尽な上官として始まりました。しかし丘の上で相討ちになったこの千人将の姿は、信が戦場で最初に目撃した「意味のある死」でもあります。
麃公と呉慶の一騎打ち、そして縛虎申の相討ち。蛇甘平原で信が見たものは、後の飛信隊の戦い方に地続きでつながっています。
宮元と黄離弦
縛虎申の最期に関わった魏側の二人も整理しておきます。
| 人物 | 立場 | その後 |
|---|---|---|
| 宮元(きゅうげん) | 魏軍副将。丘の指揮官 | 縛虎申と相討ちになり死亡 |
| 黄離弦(こうりげん) | 中華十弓に数えられる弓の名手 | 縛虎申に致命傷を与えたのち、麃公に討たれる |
縛虎申は事実上、この二人がかりで仕留められた形です。逆に言えば、副将と中華十弓を同時に相手にしてなお丘の頂上まで届いたということでもあります。
史実では? 縛虎申に対応する記録はない
縛虎申は史実に実在しません。『史記』をはじめとする史料に、縛虎申に対応する人物の記録はありません。
そもそも蛇甘平原の戦いという名前の戦い自体が、記録には残っていません。秦と魏が国境をめぐって繰り返し戦ったこと自体は史実ですが、この会戦は物語のために造形されたものと考えられます。
千人将という階級について
作中の千人将という語も、史実の記録ではそのままは確認できません。『商君書』境内篇には百将・五百主・二五百主といった指揮官の名が見えており、作中の階級体系はこれをもとに整理し直したものと考えられます。
ただし、下級指揮官が先頭に立って損害の大きい突撃を担ったという戦争の実態は、時代を問わず存在したはずのものです。名前が記録されるのは将軍まで。縛虎申のような千人将は、史実がまったく書き残さなかった層に置かれた人物です。
漫画と史実の違い
| 項目 | 『キングダム』 | 史実 |
|---|---|---|
| 縛虎申 | 秦の千人将。丘攻めで相討ち死 | 該当する記録はない |
| 蛇甘平原の戦い | 秦と魏の会戦。信の初陣 | この名前の戦いは記録に残っていない |
| 千人将 | 千人規模を預かる階級 | この語は確認できない。百将・五百主などの名が残る |
| 中華十弓 | 黄離弦が数えられる弓の番付 | 該当する制度・呼称の記録はない |
蛇甘平原の戦いの全体像
縛虎申の丘攻めがどの局面だったのかを、戦い全体の中に置き直しておきます。
| 局面 | 内容 |
|---|---|
| 開戦 | 魏が秦へ侵攻し、蛇甘平原で両軍が対峙する。信は歩兵として初陣を迎える |
| 緒戦 | 魏の戦車隊と丘の布陣に秦歩兵が苦しむ。縛虎申の突撃が繰り返される |
| 丘の争奪 | 縛虎申が黄離弦の矢を受けながら宮元と相討ち。丘が秦側に傾く(6巻・第63話) |
| 決着 | 麃公が本陣へ攻め上がり、魏軍総大将・呉慶を一騎打ちで討つ(7巻・第72話) |
縛虎申の死と呉慶の死は、9話しか離れていません。丘が落ちたことで戦線が動き、麃公の突撃が通る道ができた。つまり縛虎申の相討ちは、総大将同士の決着の前提を作った一手でした。
信が縛虎申から受け取ったもの
縛虎申の隊で信が学んだことは、剣の技術ではありません。指揮官が最初に死ぬ側に立つという事実です。
千人将でありながら先頭で矢を受け、部下の骸を「橋」と呼んで渡り切る。のちに信が百人将、千人将と昇っていく過程で貫いた「隊長が先頭に立つ」という型は、最初に仕えたこの指揮官の姿と重なります。
『キングダム』は名もない兵の死を数として流さず、意味に変えて描く作品です。その描き方が最初に確立されたのが、縛虎申の丘攻めでした。
アニメでは第何シリーズか
この場面は、アニメでは第1シリーズにあたります。
| 単行本 | 6巻 |
|---|---|
| アニメ | 第1シリーズ |
| そのシリーズの内容 | 信と政の出会いから王都奪還、蛇甘平原の戦いまで |
アニメは原作の話をそのまま順番に並べているわけではありません。巻の区切りとシリーズの区切りは完全には一致しないため、目安として捉えてください。
シリーズごとの原作範囲はアニメと原作の対応表にまとめています。
縛虎申に関するよくある質問
縛虎申が死亡するのは何巻何話ですか?
単行本6巻、第63話「奇蹟」です。蛇甘平原の丘の争奪戦で命を落とします。
縛虎申を倒したのは誰ですか?
魏軍副将の宮元との相討ちです。ただし丘を駆け上がる途中で、中華十弓の黄離弦の矢によりすでに致命傷を負っていました。
縛虎申の読み方は何ですか?
「ばくこしん」です。「ばっこしん」と読まれることもあります。
縛虎申は信の上官だったのですか?
そうです。蛇甘平原の戦いで、歩兵だった信たちの部隊を指揮した千人将です。
縛虎申の最期の言葉は何ですか?
犬死にではない、倒れた兵たち全員の骸の橋を渡ってここまで来たのだ、という趣旨の言葉です。そのまま宮元を討ち取りました。
縛虎申は無能だったのですか?
逆の評価が定着しています。麃公の戦い方を理解し、丘の放置が全軍の崩壊につながることを見て、損害を承知で取り返しに行った指揮官です。
宮元とは誰ですか?
魏軍の副将で、丘の守備を指揮していた人物です。縛虎申との相討ちで死亡しました。
黄離弦とは誰ですか?
中華十弓に数えられる魏の弓の名手です。縛虎申に致命傷を与えましたが、その後麃公に討たれています。
縛虎申は史実に実在しましたか?
実在しません。蛇甘平原の戦いそのものが記録に残っておらず、作品のために造形された人物と考えられます。
蛇甘平原の戦いは何巻から何巻ですか?
単行本5巻から7巻にかけて描かれます。信の初陣であり、麃公と呉慶が一騎打ちした戦いです。
まとめ
- 縛虎申の死は単行本6巻・第63話「奇蹟」
- 黄離弦の矢で致命傷を負いながら丘を登り切り、宮元と相討ちになった
- 「骸の橋」という最期の言葉が、無謀に見えた突撃の意味を反転させた
- 麃公の戦い方を理解し、軍全体の単位で動いた有能な千人将という評価が定着している
- 史実に記録はなく、蛇甘平原の戦いも作品独自の会戦
信が最初に仕えた指揮官が、最悪の第一印象のまま死んで、死んだあとに評価が反転する。『キングダム』が戦場の人間をどう描く作品なのかは、この最初期の千人将ですでに示されていました。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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