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ネタバレ注意
この記事には『ゴールデンカムイ』の勢力関係と一部の結末に触れる記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

『ゴールデンカムイ』は登場人物が非常に多い作品です。

しかも敵味方が固定されず、状況によって組む相手が変わります。そのため、勢力ごとに整理しておくと格段に読みやすくなります。この記事では四つの勢力と、主要人物の関係をまとめます。

この記事でわかること

  • 金塊を追う勢力は大きく四つあります。それぞれ目的が違います。
  • 敵味方は固定されていません。状況によって協力もします。
  • 人物同士の因縁が、勢力とは別に走っています。個人的な事情が組織の動きを左右します。
  • 主要人物の生死も一覧で確認できます。

金塊を追う四つの勢力

広い雪原の風景
複数の勢力が同じ金塊を追います(画像はイメージです)
勢力 中心人物 金塊の使い道
杉元一行 杉元佐一、アシリパ 亡き友の妻の治療費と、それぞれの理由
第七師団 鶴見中尉 北海道に独立勢力を作る軍資金
土方一派 土方歳三 蝦夷共和国を再興する軍資金
ロシア側 ソフィア、キロランケ ロシアの少数民族の独立運動の軍資金

四つのうち三つが「独立」を掲げています。掲げるものが近いからこそ、共存できません。

杉元だけが個人的な目的で動いています。この対比が、物語全体を通して効いています。

杉元一行

人物 立場 結末
杉元佐一 主人公。日露戦争の生き残り 生存
アシリパ アイヌの少女。父はのっぺらぼう 生存
白石由竹 脱獄王。緩衝材となる存在 生存
谷垣源次郎 マタギ出身。元・第七師団 生存

この一行は、途中から人が増えていきます。もともと敵だった人物が加わることも珍しくありません。

谷垣は第七師団の兵でしたが、途中から杉元たちと行動をともにします。所属が変わる人物の代表例です。

第七師団

人物 立場 結末
鶴見中尉 実質的な指導者。本名は鶴見篤四郎 生死は明言されない
月島基 実務を担う。鶴見に深く縛られている 生存
鯉登音之進 若く、鶴見に心酔している 生存
尾形百之助 狙撃手。途中で離脱し単独で動く 死亡
宇佐美時重 鶴見への異常な執着を持つ 死亡
二階堂浩平 双子の兄。杉元への復讐に生きる 死亡
菊田杢太郎 最終章の重要人物 死亡

北海道・旭川に置かれた実在の陸軍部隊です。ただし作中では、鶴見中尉が個人的な忠誠で束ねています。

命令系統が正常に機能していないため、内部から崩れやすい組織でもありました。宇佐美は同じ師団の尾形に撃たれています。

土方一派

人物 立場 結末
土方歳三 元・新選組副長。一派の頭 死亡
永倉新八 元・新選組二番隊組長。実在の人物 生存
牛山辰馬 「不敗の牛山」と呼ばれた柔道家 死亡
都丹庵士 暗闇での狙撃を得意とする 死亡
門倉利運 元・網走監獄の看守部長 生存

脱獄囚と旧幕臣とアイヌが混ざった、雑多な集団です。統制された第七師団とは対照的な性質を持ちます。

その雑多さが強みになる場面もありました。誰が何をするか読めない集団だったためです。

ロシア側

人物 立場 結末
ソフィア・ゴールデンハンド 民族解放運動を率いる革命家 死亡
キロランケ 本名ユルバルス。同じ運動の一員 死亡
ウイルク アシリパの父。のっぺらぼう 死亡
ヴァシリ 樺太国境守備隊の狙撃手 生存

ソフィア、キロランケ、ウイルクの三人は、もともと同じ運動の同志でした。極東連邦国家の樹立を目指しています。

ウイルクだけが家族を持って思想を軟化させ、袂を分かちました。その娘がアシリパです。

勢力を越えた個人の因縁

この作品で重要なのは、勢力とは別に走る個人的な因縁です。

関係 内容
尾形百之助 と 花沢勇作 異母兄弟。尾形が弟を撃った
宇佐美時重 と 鶴見中尉 宇佐美が「一番」であることを求め続ける
二階堂浩平 と 杉元佐一 双子の弟を殺された復讐
ヴァシリ と 尾形百之助 狙撃手同士の追跡と対決
キロランケ と ウイルク 同志だったが、キロランケが殺害に関わる

これらは組織の目的とは無関係に進みます。そして往々にして、組織の動きより優先されました。

二階堂は第七師団に属しながら、個人的な復讐だけを追っています。その勝手な行動の罰として、鶴見に右耳を切られました。

所属が変わる人物

この作品では、立場が固定されていません。

人物 変化
谷垣源次郎 第七師団から杉元たちの側へ
門倉利運 網走監獄の看守から土方一派へ
尾形百之助 第七師団から離脱し、単独で動く
牛山辰馬 刺青囚人から土方一派へ

敵として登場した人物が、のちに味方になることが頻繁に起こります。逆に味方だった人物が背後から撃つこともあります。

誰が誰と組むかを固定しないことで、展開が読めなくなっています。相関図が一枚では描ききれないのは、そのためです。

刺青囚人という別枠

四つの勢力とは別に、刺青囚人という枠があります。

金塊の在り処を示す暗号を体に彫られた24人です。彼らは追う側ではなく、追われる側でした。

人物 特徴 のちの所属
牛山辰馬 柔道家。「不敗の牛山」 土方一派
都丹庵士 暗闇での狙撃を得意とする 土方一派
家永カノ 連続殺人犯 単独
関谷輪一郎 「試練」と称した毒殺を行う 単独
江渡貝弥作 剥製師 第七師団に協力
二瓶鉄造 マタギ 単独

彼らのなかには、勢力に加わった者もいます。牛山や都丹は土方一派に、江渡貝は第七師団に協力しました。

追われる立場から、追う側の勢力へ移るという動きです。この流動性も、相関図を複雑にしている要因です。

アイヌの人々

アイヌの登場人物は、どの勢力にも属しません。

人物 立場
アシリパ ウイルクの娘。杉元と行動をともにする
インカラマッ 巫女。谷垣と関わる
キラウシ 土方一派と行動をともにする

そもそも金塊は、アイヌから奪われたものです。争っている勢力はいずれも、奪われた側ではありません。

この構図が、物語の後味を単純な冒険譚にしていません。誰が正しいのかという問いが、最後まで解消されないためです。

関係を追いやすくするコツ

人物が多い作品ですが、押さえ方にはコツがあります。

順序 押さえること
1 四つの勢力と、それぞれの目的
2 誰が誰に個人的な因縁を持っているか
3 所属が変わった人物は誰か

勢力の目的は、最後まで変わりません。変わるのは人物の所属だけです。

そのため「この人物はいま誰の側か」を都度確認すれば、話を見失いません。逆に人物の名前だけを追うと、混乱しやすくなります。

勢力の目的が似ている理由

三つの勢力が「独立」を掲げているのは、偶然ではありません。

作中の舞台は明治後期です。この時期、中央集権が急速に進む一方で、そこから外れた人々が各地にいました。

勢力 中央から外れた理由
第七師団 日露戦争で戦ったのに報われなかった
土方一派 幕府が滅び、行き場を失った
ロシア側 帝国の支配下に置かれた少数民族
アイヌ 土地と文化を削られていく側

いずれも、国家の外側に押し出された人々です。だから同じように「自分たちの場所」を求めました。

この作品が北海道と樺太を舞台にしているのは、そのためです。中央ではなく周縁から、明治という時代を見ています。

読み返すと見え方が変わる関係

結末を知ってから読み直すと、印象が変わる関係があります。

関係 読み直したときの見え方
キロランケとアシリパ 可愛がる態度と利用する意図が同居していた
尾形と杉元 組んでいた時期も、味方だったわけではない
鶴見と部下たち 与えられた承認が本物かどうか確かめられない

この作品は、伏線を絵の構図に埋め込むことがあります。キロランケの裏切りは「最後の晩餐」を思わせる並びで示されていました。

一度目は関係が分からず、二度目で意味が反転する。相関を把握してから読み返すと、別の作品のように見えてきます。

相関図・キャラ一覧に関するよくある質問

勢力はいくつありますか?

大きく四つです。杉元一行、第七師団、土方一派、そしてロシア側になります。

それぞれ何のために金塊を狙うのですか?

第七師団は北海道の独立勢力、土方一派は蝦夷共和国の再興、ロシア側は少数民族の独立運動の軍資金です。杉元だけが個人的な目的で動いています。

敵味方は固定されていますか?

固定されていません。状況によって協力し、また敵対します。所属そのものが変わる人物も多くいます。

杉元一行には誰がいますか?

杉元佐一、アシリパ、白石由竹、谷垣源次郎などです。谷垣はもともと第七師団の兵でした。

第七師団は実在しますか?

実在します。北海道・旭川に置かれた陸軍の師団です。作中では鶴見中尉が実質的に率いています。

土方一派はどんな集団ですか?

脱獄囚と旧幕臣とアイヌが混ざった雑多な集団です。統制された第七師団とは対照的な性質を持ちます。

ロシア側の人物は何を目指していますか?

極東連邦国家の樹立です。ソフィア、キロランケ、ウイルクの三人がもともと同じ運動の同志でした。

のっぺらぼうとは誰ですか?

アシリパの父ウイルクです。自らの顔の皮を剥いで死を偽装し、24人の囚人に刺青を彫りました。

個人的な因縁にはどんなものがありますか?

尾形と花沢勇作の兄弟、宇佐美と鶴見中尉、二階堂と杉元、ヴァシリと尾形などです。いずれも組織の目的とは別に進みます。

登場人物が多くて覚えられません

まず四つの勢力と、それぞれの目的を押さえるのが早道です。人物の所属は変わりますが、勢力の目的は最後まで変わりません。

まとめ

  • 金塊を追う勢力は、杉元一行・第七師団・土方一派・ロシア側の四つ
  • 四つのうち三つが「独立」を掲げており、だからこそ共存できない
  • 杉元だけが個人的な目的で動いている
  • 敵味方は固定されず、所属が変わる人物も多い
  • 勢力とは別に、個人的な因縁が並行して走っている
  • その因縁が、組織の動きより優先されることが多い

相関図が一枚で描ききれないのは、この作品の設計そのものです。まず四つの目的を押さえると、あとは追いやすくなります。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。