キロランケの正体と本名ユルバルス|19巻190話の死亡と裏切りの理由【ゴールデンカムイ】
この記事には『ゴールデンカムイ』樺太編(19巻)までの結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。
『ゴールデンカムイ』で最も大きな裏切りを見せる人物が、キロランケです。
アイヌの仲間として杉元たちと旅をしながら、まったく別の目的を抱えていました。そして本名はキロランケですらありません。この記事では、この人物の正体と最期を整理します。
結論
- キロランケは死亡します。単行本19巻・第190話です。
- 本名はユルバルスです。タタール語で「虎」を意味します。
- 正体はロシアの少数民族独立運動の一員でした。ロシア皇帝暗殺の実行犯です。
- 目的は金塊を独立運動の軍資金にすることでした。アイヌのためではありません。
キロランケとはどんな人物か

| 本名 | ユルバルス |
|---|---|
| 名の意味 | タタール語で「虎」 |
| 表向きの立場 | アイヌの猟師。アシリパの父の友人 |
| 実際の立場 | ロシアの少数民族独立運動の一員 |
| 結末 | 19巻・第190話で死亡 |
初登場時のキロランケは、頼れる年長者として描かれます。狩りにも旅にも慣れており、アシリパを可愛がる立場でした。
その振る舞いに嘘はありません。ただし彼が背負っているものは、まったく別のところにありました。
本名ユルバルスという正体
キロランケという名前は、アイヌ名です。
本名はユルバルス。タタール語で「虎」を意味します。ソフィア・ゴールデンハンドは彼をこの名で呼びました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | ユルバルス |
| 由来 | タタール語で「虎」 |
| アイヌ名 | キロランケ |
| 呼び方 | ソフィアからは本名や「坊や」と呼ばれる |
つまりアイヌを名乗ること自体が、この人物の擬態でした。アイヌの一員として振る舞いながら、出自はまったく別の民族にあります。
ただしこれは、単なる嘘ではありません。アイヌの言葉も文化も身につけたうえで、そこに生きてきた人物です。
語学と多民族という背景
キロランケは複数の言語を操ります。
| 言語 | 用途 |
|---|---|
| ロシア語 | ロシア側との交渉や潜入 |
| アイヌ語 | アイヌの一員として生きるため |
| 日本語 | 北海道での活動 |
| ウイルタ語・ニヴフ語 | 樺太の少数民族との交流 |
これは特技というより、この人物の立場そのものを表しています。どの民族にも属せるということは、どこにも属していないということでもあります。
樺太編でキロランケが案内役として機能するのは、この背景によるものです。国境を越えて動ける数少ない人物でした。
ロシア皇帝暗殺という過去
キロランケの正体は、ロシア国内の少数民族独立運動に関わる組織の一員です。
そしてロシア皇帝暗殺の実行犯でもありました。この過去が、彼の行動すべての土台になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | ロシアの少数民族独立を目指す組織 |
| 過去 | ロシア皇帝暗殺の実行犯 |
| 同志 | ソフィア・ゴールデンハンド、ウイルク |
| 目的 | 金塊を独立運動の軍資金にする |
金塊を求める理由も、ここにあります。アイヌのためでも、自分の富のためでもありません。
この作品では、金塊を追う勢力の多くが「独立」を掲げています。鶴見は北海道の、土方は蝦夷共和国の、そしてキロランケはロシアの少数民族の独立です。
ウイルクとの関係
キロランケは、アシリパの父ウイルクの同志でした。
二人はともに独立運動に身を投じ、同じ目的を共有していた時期があります。ところが途中から、二人の考えは分かれました。
| 人物 | 立場 |
|---|---|
| ウイルク | アシリパの父。のっぺらぼうと呼ばれる |
| キロランケ | ウイルクの同志。のちに袂を分かつ |
| ソフィア | 同じ運動に関わる女性。キロランケの本名を知る |
そして網走監獄で、キロランケは尾形百之助と共謀します。その目的はウイルクの殺害でした。
同志だった相手を消すという選択です。運動を優先した結果として、キロランケはこの線を越えました。
アシリパを連れ出した理由
キロランケは、アシリパを樺太へ連れ出します。
表向きは、父の真実を知るためです。しかし本当の目的は、アシリパを独立運動の象徴として立たせることでした。
ウイルクの娘であるアシリパは、運動にとって旗印になり得る存在です。キロランケが可愛がってきた少女を、そのために使おうとしていたことになります。
ただし彼の愛情が偽物だったわけではありません。可愛がることと、利用することが両立していたという描かれ方です。
裏切りの伏線
キロランケの裏切りには、伏線が置かれていました。
有名なのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を思わせる構図の場面です。アシリパがキリストの位置に置かれ、キロランケがユダの位置に座っています。
| 要素 | 対応 |
|---|---|
| 構図 | 「最後の晩餐」を思わせる並び |
| アシリパ | 中央、キリストの位置 |
| キロランケ | ユダにあたる位置 |
読み返すと分かる形で、答えが先に置かれていました。この作品は伏線を絵の構図に埋め込むことが多く、これはその代表例です。
19巻・第190話の最期
キロランケの最期は、樺太編の終盤に訪れます。
正体が露見したあと、追手との戦闘になりました。第七師団の鯉登音之進にマキリで首を刺され、さらに銃撃を受けています。
単行本19巻・第190話の場面です。マキリとはアイヌの小刀を指します。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 正体が露見し、追われる立場になる |
| 相手 | 鯉登音之進 |
| 経緯 | マキリで首を刺され、銃撃を受ける |
| 巻・話 | 19巻・第190話 |
アイヌを名乗った人物が、アイヌの刃物で終わります。この結末の付け方には、はっきりとした意図が感じられます。
樺太編という舞台
キロランケの正体が明らかになるのは、樺太編です。
物語の中盤、舞台は北海道を離れて樺太へ移ります。アシリパを連れ出したキロランケ、それを追う杉元、さらに第七師団という構図です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 舞台 | 樺太。当時は日本とロシアで南北に分かれていた |
| 登場する民族 | 樺太アイヌ、ウイルタ、ニヴフなど |
| キロランケの役割 | 案内役。言語と土地の知識を持つ |
| 結末 | 正体が露見し、19巻・第190話で死亡する |
樺太は当時、日露戦争の結果として南北に分割されていました。南半分が日本領、北半分がロシア領という状態です。
そこには複数の少数民族が暮らしています。キロランケという人物の背景を描くのに、これ以上ない舞台でした。
独立を掲げる三つの勢力
この作品では、金塊を追う人物の多くが「独立」を口にします。
| 人物 | 求める独立 |
|---|---|
| 鶴見中尉 | 北海道に独立勢力を作る |
| 土方歳三 | 蝦夷共和国を再興する |
| キロランケ | ロシアの少数民族を独立させる |
三者とも、中央から切り離された場所を作ろうとしています。掲げるものは似ていますが、そのために踏み越えた線はそれぞれ違いました。
キロランケの場合、それは同志の殺害と、少女の利用です。目的の大きさが、手段の重さを正当化してしまう構図が描かれています。
マキリというアイヌの小刀
キロランケの死因に登場するマキリは、アイヌの小刀です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 狩りの解体、調理、木彫りなど日常の道具 |
| 装飾 | 柄や鞘に彫刻が施されることが多い |
| 位置づけ | 武器ではなく生活の道具 |
本来は戦うためのものではありません。獲物を捌き、木を削るための道具です。
その道具で、アイヌを名乗った人物が終わります。作中でマキリは他の場面でも重要な役割を果たしており、単なる小道具ではありません。
キロランケという名前
この人物は、二つの名前を持っています。
| 名前 | 意味 |
|---|---|
| キロランケ | アイヌ語の名として通していた呼び名 |
| ユルバルス | 本名。中央アジアの出自を示す |
アイヌとして暮らしながら、本来は別の土地の出身でした。名前を変えることで、その出自を隠していたことになります。
正体が明かされる場面で、この二つの名が結び付きます。呼び名の違いが、そのまま裏切りの構造を表しています。
キロランケに関するよくある質問
キロランケは死亡しますか?
死亡します。単行本19巻・第190話です。
キロランケの死因は何ですか?
鯉登音之進にマキリで首を刺され、さらに銃撃を受けました。マキリはアイヌの小刀です。
キロランケの本名は何ですか?
ユルバルスです。タタール語で「虎」を意味します。
キロランケの正体は何ですか?
ロシア国内の少数民族の独立を目指す組織の一員です。ロシア皇帝暗殺の実行犯でもあります。
キロランケはアイヌではないのですか?
出自はアイヌではありません。ただしアイヌ語も文化も身につけ、アイヌとして生きてきた人物です。
キロランケが金塊を狙う理由は何ですか?
ロシアの少数民族独立運動の軍資金にするためです。アイヌのためではありません。
ウイルクとはどんな関係ですか?
同じ独立運動の同志でした。しかし途中で考えが分かれ、網走監獄では尾形と共謀してウイルクを殺害しています。
なぜアシリパを樺太へ連れ出したのですか?
ウイルクの娘であるアシリパを、独立運動の象徴として立たせるためです。父の真実を知らせるというのは表向きの理由でした。
裏切りの伏線はありましたか?
あります。「最後の晩餐」を思わせる構図の場面で、アシリパがキリストの位置、キロランケがユダの位置に置かれていました。
キロランケは何か国語を話せるのですか?
ロシア語、アイヌ語、日本語、ウイルタ語、ニヴフ語を操ります。国境を越えて動ける数少ない人物でした。
まとめ
- キロランケは19巻・第190話で死亡する
- 鯉登音之進にマキリで首を刺され、銃撃を受けた
- 本名はユルバルスで、タタール語の「虎」に由来する
- 正体はロシアの少数民族独立運動の一員で、ロシア皇帝暗殺の実行犯
- 金塊を求めたのは、独立運動の軍資金にするため
- アシリパの父ウイルクの同志だったが、網走監獄で尾形と共謀して殺害している
- 裏切りは「最後の晩餐」を思わせる構図で伏線が置かれていた
アイヌとして振る舞い、アイヌの刃物で終わる。この人物の嘘と本心は、最後まで切り分けられないまま閉じられました。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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