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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』本編の展開と、史実にもとづく今後の見通しが含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。

『キングダム』の楚国に、大男の将軍たちと並んでも見劣りしない体格を持つ女性の大将軍がいます。媧燐(かりん)です。合従軍編で秦を苦しめ、のちに楚の宰相にまで上りつめました。

この記事では、媧燐が作中で死亡しているのか、「媧燐」と「禍燐」という二つの表記のどちらが正しいのか、そして史実に対応する人物がいるのかを整理します。検索でよく見かける「禍燐」という書き方には理由があり、そこから確認していきます。

結論

  • 媧燐は作中でまだ死亡していません。2026年8月時点で生存しており、楚の宰相として国政の中枢にいます。
  • 正しい表記は「媧燐」です。「禍燐」は変換ミスから広まった表記で、公式のものではありません。
  • 史実に媧燐に対応する人物はいません。『史記』などの史料に記述はなく、作者・原泰久氏が生み出した創作キャラクターです。

媧燐(禍燐)のプロフィール

中国の古代建築のイメージ
楚は長江流域に広がった大国で、戦国七雄のなかでも最大級の領土を持っていました(画像はイメージです)
名前 媧燐(かりん)
所属 楚国
階級 大将軍。春申君の死後は宰相を兼ねる
初登場 合従軍編。単行本では29巻前後で本格的に描かれる
特徴 楚の巨漢の将軍たちに並ぶ長身。蹴りだけで敵兵を倒す身体能力を持つ
評価 春申君から「戦の天才」と評される
配下 項翼、白麗など楚の若手
史実のモデル 該当する人物なし。作品オリジナルの創作キャラクター

媧燐は武力と知略の両方を高い水準で備えた人物として描かれます。楚という国は作中で「兵の質より数と勢い」で語られることが多いのですが、媧燐はその楚にあって、盤面を読んで動く将軍として位置づけられています。

また、味方からも何を考えているのか読めない人物として扱われる点も特徴です。楚の総大将である汗明とも、上下関係というより互いに一目置く関係として描かれました。

媧燐は死亡する? 作中の現在の状況

結論として、媧燐は2026年8月時点の連載でまだ死亡していません。それどころか、合従軍編のあとは楚の最高権力者のひとりとして、より重い立場に就いています。

合従軍編での戦い

媧燐が最初に大きく描かれたのは、六国が連合して秦を攻めた合従軍編です。楚軍は総大将・汗明のもとで函谷関に迫りますが、媧燐は別動隊を率い、函谷関の裏側を取るという作戦を指揮しました。

この動きを止めたのが王翦です。媧燐の狙いは読み切られ、迂回作戦は成立しませんでした。合従軍編は秦の防衛成功で終わりますが、媧燐自身は戦場を離脱して生き延びています。

楚の主要人物 合従軍編での結末
汗明 蒙武との一騎打ちに敗れて死亡。単行本29巻前後で描かれる
媧燐 王翦に迂回作戦を阻まれるが、生存して撤退
項翼 生存。のちに楚の将として成長していく
白麗 生存。項翼とともに楚の次代を担う存在として描かれる

楚の総大将であった汗明が退場した一方で、媧燐が残ったことは大きな意味を持ちました。楚の軍事の中心が、汗明から媧燐へ移ったからです。

春申君の死と宰相就任

もうひとつの転機は単行本41巻です。楚の宰相であった春申君が、李園によって暗殺されました。

国政の中心を失った楚で、李園が宰相就任を要請した相手が媧燐でした。これにより媧燐は、軍事と政治の両方を担う立場に立ちます。李園と媧燐が新しい王を支える体制ができあがり、楚は混乱を短期間で収拾しました。

つまり媧燐は、作中で退場するどころか、物語が秦の中華統一へ進むほど重要度が上がっていく人物です。秦がいずれ楚を攻めるとき、その正面に立つのが媧燐という構図になります。

語られていない弟の存在

41巻では、媧燐に生き別れた弟がいることも示されました。ただし、その弟が誰なのかは作中で明かされていません。

読者のあいだでは特定の人物を当てはめる考察が盛んですが、いずれも公式に確認された情報ではありません。現時点では「弟がいるという設定が提示された」という段階にとどまります。

「媧燐」と「禍燐」どちらが正しい表記?

検索では「禍燐」という表記も多く使われています。しかし、正式な表記は「媧燐」です。

表記 読み 説明
媧燐 かりん 正しい表記。「媧」は女偏
禍燐 かりん 誤記。「禍」は示偏で「わざわい」の意味

「媧」と「禍」は形がよく似ており、変換候補でも並んで出てきます。「媧」は日常でほとんど使わない字であるため、変換の際に「禍」を選んでしまうケースが多いのだと考えられます。

「媧」の字で有名なのは、中国神話で人類を創ったとされる女神・女媧(じょか)です。女偏に骨組みを意味する字を組み合わせたこの字が使われていることは、媧燐という名前が女性の将軍として意図的に作られていることを示しています。「わざわい」を意味する「禍」とは、込められた意味がまったく異なります。

史実では? 媧燐に対応する人物は存在しない

『キングダム』には史実の人物と創作の人物が混在しています。媧燐は後者、つまり完全な創作キャラクターです。

『史記』の楚世家や秦始皇本紀を見ても、楚の大将軍として女性が記録されている例はありません。戦国時代末期の楚で軍と政治の頂点にいた人物として名前が残るのは、春申君、李園、そして項燕といった男性です。

史実の楚がたどった道

年代 出来事
紀元前278年 秦の白起が楚の都・郢を陥落させる。楚は東へ都を移す
紀元前241年 楚の春申君が合従軍を率いて秦を攻めるが失敗する
紀元前238年ごろ 考烈王が死去。李園が春申君を暗殺する
紀元前225年 秦の李信・蒙恬が楚へ侵攻し、項燕に大敗する
紀元前224年 王翦が60万の兵を率いて楚へ侵攻する
紀元前223年 楚が滅亡。王・負芻が捕らえられる
紀元前221年 秦が中華を統一する

この年表のなかに、媧燐に相当する人物の居場所はありません。楚の敗戦を主導したのは項燕であり、その最期も項燕のものとして記録されています。

李園と春申君は実在する

一方で、媧燐を宰相に迎えた李園と、暗殺された春申君はどちらも実在の人物です。『史記』には、李園が自分の妹を春申君のもとに送り、その子を王の子として即位させ、事情を知る春申君を口封じのために殺したという経緯が記されています。

『キングダム』の41巻で描かれた春申君暗殺は、この史実に沿った出来事です。史実と異なるのは、そのあとに媧燐という創作の人物が宰相として入る点になります。

漫画と史実の違い

項目 『キングダム』 史実
媧燐という人物 楚の大将軍で、のちに宰相 該当する記録なし。創作キャラクター
合従軍編での役割 楚軍の別動隊を率い、函谷関の裏を突こうとする 紀元前241年の合従軍は春申君が率い、女性将軍の記録はない
春申君の死後 李園の要請で媧燐が宰相に就く 李園が実権を握る。媧燐にあたる人物はいない
楚の軍事的支柱 媧燐 項燕
最期 未描写。生存中 記録なし

ここで注意したいのは、創作キャラクターだから今後の展開が読めるわけではないという点です。史実に記録がない人物は、史実の制約を受けません。楚が滅亡するという結末は動かないとしても、媧燐個人がどうなるかは原作でしか確認できないということになります。

なぜ媧燐はこのように描かれたのか

公式ガイドブックでは、媧燐の造形について作者側の意図が語られています。合従軍で楚から複数の大将軍級が出てくると考えたとき、楚には体の大きな武将が並ぶことになりました。その武将たちに埋もれない存在にするために、大柄な女性という設定が生まれたという流れです。

この発想は結果として、楚という国の性格を一枚の絵で説明する装置になりました。楚は数と勢いの国であり、そこに「その巨漢たちより読みが深い女性」を置くことで、楚が単なる力任せの国ではないことが示されます。

また『キングダム』には、楊端和という女性の王も登場します。楊端和は史実に実在しますが、史実では男性の将軍として記録されている人物です。媧燐と楊端和はどちらも「史実の枠を作品側が広げた結果」であり、作品が女性の指揮官をどう物語に組み込んできたかを示す例だと言えます。

媧燐に関するよくある質問

媧燐は作中で死亡しましたか?

していません。2026年8月時点の連載で媧燐は生存しており、楚の宰相として登場しています。

「禍燐」と「媧燐」はどちらが正しいですか?

正しいのは「媧燐」です。「禍燐」は字の形が似ていることによる変換ミスから広まった表記で、作品の公式表記ではありません。

媧燐は史実に実在しましたか?

実在しません。『史記』などの史料に対応する人物の記述はなく、作品オリジナルの創作キャラクターです。

媧燐はどの巻から登場しますか?

合従軍編からです。単行本では29巻前後で楚軍の将として本格的に描かれます。

媧燐は合従軍編で負けたのですか?

函谷関の裏を取る作戦は王翦に阻まれました。ただし媧燐自身は討たれておらず、撤退して生き延びています。

媧燐が宰相になったのは何巻ですか?

単行本41巻です。春申君が李園に暗殺されたあと、李園の要請を受けて宰相の座に就きました。

媧燐の弟は誰ですか?

作中で明かされていません。41巻で生き別れた弟がいることは示されましたが、その正体は公式に語られておらず、特定の人物を当てる説はいずれも読者の考察の域を出ません。

媧燐と汗明はどちらが強いのですか?

作中で直接比較はされていません。汗明は蒙武との一騎打ちで敗れて死亡し、媧燐は生存しているため、結果として媧燐のほうが長く戦場に残っています。

史実で楚を率いた将軍は誰ですか?

項燕です。紀元前225年に李信の秦軍を大敗させ、翌年からの王翦の侵攻で敗れました。項羽の祖父にあたる人物としても知られています。

媧燐は今後死亡しますか?

わかりません。史実に対応する人物がいないため、史実から結末を推測することができない人物です。楚の滅亡という大きな流れは決まっていますが、媧燐個人の行方は原作でのみ確認できます。

まとめ

  • 媧燐は2026年8月時点の連載で死亡しておらず、楚の宰相として生存している
  • 正しい表記は「媧燐」で、「禍燐」は変換ミスから広まった誤記
  • 合従軍編では函谷関の裏を突く作戦を指揮したが、王翦に阻まれた
  • 41巻で春申君が李園に暗殺されたあと、宰相の座に就いた
  • 史実に対応する人物はおらず、完全な創作キャラクター。史実の楚を支えたのは項燕

史実に名前が残っていない人物ほど、作中での行方は原作を読むまでわかりません。楚との決戦がいつ描かれるにせよ、媧燐がそこにどう関わるかは、この作品が用意した数少ない「史実から読めない結末」のひとつです。

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この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。