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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』鄴攻略戦(46巻から59巻)の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

『キングダム』の朱海平原で、信と王賁の前に立ちはだかったのが藺家十傑(りんけじっけつ)です。旧三大天・藺相如に仕えた10人の武将のうち、最後まで残った二人でした。

この記事では、藺家十傑とは何だったのかを整理し、尭雲と趙峩龍がどうなったのかをまとめます。武を持たなかった藺相如の「武」として存在した集団です。

結論

  • 藺家十傑は藺相如に仕えた10人の武将です。文官だった藺相如の「武」を担いました。
  • 朱海平原の時点で残っていたのは2人です。筆頭の尭雲と次席の趙峩龍だけでした。
  • 2人とも朱海平原で戦死しています。趙峩龍は信に、尭雲は王賁に敗れました。
  • 藺家十傑は作品オリジナルです。藺相如は実在しますが、この集団の記録はありません。

藺家十傑とは

夕暮れの平原と武具のイメージ
朱海平原は鄴をめぐる決戦の舞台となりました(画像はイメージです)
名称 藺家十傑(りんけじっけつ)
主君 藺相如。趙の旧三大天
人数 10人
役割 武に優れない藺相如の「武」を担う側近
筆頭 尭雲(ぎょううん)
次席 趙峩龍(ちょうがりゅう)
朱海平原での状況 残っていたのは尭雲と趙峩龍の2人

藺相如は旧三大天のひとりに数えられますが、史実でも作中でも、本来は文官です。秦との交渉で趙を守った知略の臣であり、戦場で武功を挙げた人物ではありません。

その藺相如が三大天と並べられる理由が、この十傑にあります。自らの武の代わりに、10人の武将を配下として持っていたという設定です。

尭雲と趙峩龍|最後の2人

藺相如の死後、十傑のうち8人は戦死していきました。長い年月のなかで趙が戦い続けた結果です。

残ったのが、筆頭の尭雲と次席の趙峩龍でした。

藺相如の遺言

この二人は、藺相如が病で亡くなる直前に枕元へ呼ばれた唯一の存在とされています。

そこで藺相如は、後を追うことを禁じました。当時の慣習では、主君に殉じることも忠義の形とされます。それを禁じたうえで、いずれ来る戦いでの活躍を託したという流れです。

数十年後、二人は朱海平原でその言葉どおりに戦うことになります。

朱海平原での結末

人物 相手 結末
趙峩龍 朱海平原14日目、一騎打ちに敗れる
尭雲 王賁 一騎打ちの末に敗れる

趙峩龍が先に討たれました。最期に尭雲へ後を託すような言葉を残したとされ、これを聞いた尭雲は信と王賁への復讐を誓います。

その尭雲も、王賁との一騎打ちに敗れました。藺家十傑は、この戦役で完全に絶えたことになります。

朱海平原で失われた趙の将

鄴攻略戦は、趙にとっても大きな損失でした。

人物 立場 結末
尭雲 藺家十傑の筆頭 王賁に討たれる
趙峩龍 藺家十傑の次席 信に討たれる
岳嬰 趙の将 慶舎の仇を討とうと信に挑み、斬られる
龐煖 趙三大天 58巻・第627話で信に討たれる

三大天の龐煖に加え、藺家十傑の生き残り2人を同じ戦役で失っています。旧世代の武がまとめて退場した戦いでした。

一方の秦も、将軍の麻鉱と飛信隊の松左・去亥を失っています。双方にとって消耗の大きい戦役でした。

亜光を追い詰めた場面

尭雲の実力を示すのが、王翦軍の第一将・亜光との戦いです。

亜光はその陣が崩れないと評される武将でした。その亜光を、尭雲は馬南慈とともに追い詰めています。亜光はこの重責で瀕死の重傷を負い、いったん戦線を離脱しました。

仕留めきれなかったのは、亜光の配下である亜花錦の横槍によるものです。それでも、秦の主力級の将を戦闘不能にした事実は残ります。

信と王賁にとっての意味

朱海平原は、若い二人が旧世代の武を越えた戦いでもあります。

人物 倒した相手 意味
岳嬰、趙峩龍、龐煖 三大天まで到達した
王賁 尭雲 藺家十傑の筆頭を破った

この戦役の論功行賞で、信・王賁・蒙恬の三人が同時に将軍へ昇格します。倒した相手の格が、そのまま昇進の根拠になりました。

ただし王賁は尭雲との戦いで重傷を負っています。信も龐煖戦で危機に陥り、羌瘣が禁術で寿命を削って救いました。一方的な勝利ではありません。

朱海平原という戦場

藺家十傑が最後の戦いを迎えた朱海平原は、鄴攻略戦の決戦地です。

秦は王翦を総大将とし、桓騎と楊端和が別方面を担当する三方面作戦を組みました。そのうち王翦本隊が趙軍と正面からぶつかったのが、この平原になります。

位置
右翼 王賁の玉鳳隊 尭雲ら
中央 麻鉱の第二軍 紀彗ら
左翼 信の飛信隊 趙峩龍、岳嬰ら
本陣 王翦 李牧

戦いは半月にわたりました。序盤に秦の麻鉱が李牧の奇襲で討たれて中央が崩れ、以後は若い両翼が支える展開になります。

藺家十傑の2人が、その両翼の相手として配置されていました。若手三隊が旧世代の武と正面から向き合う構図が、この戦場で作られています。

倒された側にも物語がある

『キングダム』の特徴として、敵将にも背景が与えられる点があります。

尭雲と趙峩龍の場合、それが藺相如との関係でした。主君が死ぬ際に後を追うことを禁じられ、数十年ののちに来る戦いを託される。倒される側の二人が、なぜその戦場に立っているのかに理由があります。

趙峩龍が最期に尭雲へ言葉を残し、それを聞いた尭雲が復讐を誓う。そして尭雲も倒される。この順序も、二人の関係を描くために組まれたものです。

信や王賁の側から見れば、格上を倒して将軍へ昇る戦いでした。しかし同じ場面を趙側から見ると、藺相如という人物の系譜がここで完全に終わったことになります。倒された側の視点で読み直すと、朱海平原の意味が変わってきます。

史実では? 藺家十傑に対応する記録はない

藺家十傑は作品オリジナルの設定です。尭雲・趙峩龍を含む10人のいずれも、史料に記録はありません。

一方、主君の藺相如は実在します。趙の恵文王に仕えた文官で、『史記』に「廉頗藺相如列伝」として伝が立てられています。

項目 『キングダム』 史実
藺家十傑 藺相如に仕えた10人の武将 該当する記録はない
藺相如 旧三大天のひとり 実在。文官として趙を守った
三大天 趙の最高位の将軍3人 そのような制度は存在しない
朱海平原 鄴攻略戦の決戦地 この地名の戦場の記録はない

設定としてよくできている部分

藺家十傑という設定が優れているのは、史実の矛盾を埋めている点です。

史実の藺相如は武人ではありません。それを「趙三大天」という武の頂点に置くには説明が要ります。そこで、本人の武の代わりに10人の武将を配下として持たせた。実在の人物の性格を変えずに、作品の枠組みへ組み込む処理になっています。

そしてその十傑の最後の2人が、主人公世代に倒される。藺相如という人物の系譜が、物語のなかで完全に終わる構成です。

趙という国が抱えていたもの

藺家十傑が最後まで戦い続けた背景には、趙という国の事情があります。

紀元前260年の長平の戦いで、趙は40万を超える兵を失いました。この損失から国力は回復していません。作中の趙が李牧という例外に依存しているのは、そのためです。

世代 該当する人物 状況
旧世代 廉頗、藺相如、趙奢 すでに退場、または国外へ
その配下 廉頗四天王、藺家十傑 数を減らしながら戦い続けた
現役 李牧、司馬尚、龐煖 新三大天として趙を支える

尭雲と趙峩龍が朱海平原にいたのは、旧世代の武を引き継ぐ者が他にいなかったからでもあります。若い世代が育つ余裕を、長平以降の趙は持てませんでした。

秦が信・王賁・蒙恬という次世代を同時に将軍へ昇格させた戦役で、趙は旧世代の最後の2人を失った。朱海平原の結果は、両国の世代交代の差をそのまま示しています。

藺家十傑に関するよくある質問

藺家十傑とは何ですか?

趙の旧三大天・藺相如に仕えた10人の武将です。武に優れない藺相如の「武」を担う存在として描かれています。

藺家十傑のメンバーは誰ですか?

作中で名前が判明しているのは、筆頭の尭雲と次席の趙峩龍です。他の8人は藺相如の死後に戦死しており、個別には描かれていません。

尭雲は誰に討たれましたか?

王賁です。朱海平原での一騎打ちに敗れました。

趙峩龍は誰に討たれましたか?

信です。朱海平原14日目の一騎打ちで敗れました。

藺相如の遺言とは何ですか?

死の直前、尭雲と趙峩龍を枕元に呼び、後を追うことを禁じたうえで、いずれ来る戦いでの活躍を託したとされています。

尭雲は強かったのですか?

秦の亜光を馬南慈とともに追い詰め、瀕死の重傷を負わせています。王賁も尭雲との戦いで重傷を負いました。

藺家十傑は全滅したのですか?

朱海平原で尭雲と趙峩龍が討たれ、十傑は絶えました。他の8人はそれ以前に戦死しています。

藺家十傑は史実に実在しますか?

実在しません。作品オリジナルの設定です。ただし主君の藺相如は実在します。

なぜ文官の藺相如に武将の配下がいるのですか?

史実の藺相如が武人ではないためです。三大天という武の枠組みに組み込むための設定として、10人の武将を配下に持つ形になっています。

朱海平原で趙は誰を失いましたか?

尭雲、趙峩龍、岳嬰、そして三大天の龐煖です。旧世代の武がまとめて退場した戦役でした。

まとめ

  • 藺家十傑は藺相如に仕えた10人の武将。文官である主君の「武」を担った
  • 朱海平原の時点で残っていたのは筆頭の尭雲と次席の趙峩龍の2人だけ
  • 二人は藺相如の死の際、後を追うことを禁じられて生き残った
  • 趙峩龍は信に、尭雲は王賁に討たれ、十傑は絶えた
  • 尭雲は秦の亜光を瀕死に追い込むほどの実力を持っていた
  • 藺家十傑は作品オリジナルだが、藺相如は実在の文官

武を持たない人物を武の頂点に置くために用意された設定が、最後は主人公世代に倒されて終わる。藺家十傑は、作品が実在の人物をどう物語へ組み込んだかがよく見える例です。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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