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ネタバレ注意
この記事には『鬼滅の刃』本編の結末までの展開と、史実にもとづく解説が含まれます。

『鬼滅の刃』の我妻善逸(あがつまぜんいつ)。普段は臆病で泣き言ばかりの少年ですが、眠ると別人のような剣技を見せる隊士です。

その善逸をめぐって多く検索されているのが、兄弟子の獪岳(かいがく)との関係、肩に乗っている雀のチュン太郎、そして善逸自身が生き残るのかという3点です。この記事ではその全てを整理し、あわせて善逸をとりまく設定が大正という時代の何と結びついているのかも見ていきます。

結論

  • 善逸は生き残ります。最終回まで生存する主要5人のひとりです。
  • 兄弟子の獪岳は死亡します。単行本17巻の第145話「幸せの箱」で、善逸が編み出した漆ノ型「火雷神」により頸を斬られました。
  • チュン太郎は善逸の鎹雀です。本名はうこぎで、公式ファンブックに記載があります。鴉ではなく雀なのにも理由があります。

我妻善逸のプロフィール

雷雲と稲光をイメージさせる空
善逸は雷の呼吸の使い手として描かれます(画像はイメージです)
名前 我妻善逸(あがつまぜんいつ)
所属 鬼殺隊
呼吸 雷の呼吸
得意な型 壱ノ型「霹靂一閃」。神速の踏み込みからの居合
独自の型 漆ノ型「火雷神」。善逸が自ら編み出した型
育手 桑島慈悟郎。元鳴柱
兄弟子 獪岳
相棒 鎹雀のチュン太郎

善逸の特徴は、雷の呼吸の型のうち壱ノ型しか使えないことです。ほかの型を覚えられず、その一つだけを繰り返し磨き続けました。この設定が、のちに兄弟子との対比として効いてきます。

善逸の兄弟子・獪岳とは何者か

獪岳は、善逸と同じ桑島慈悟郎のもとで学んだ兄弟子です。「善逸 兄」という検索の多くは、血縁の兄ではなくこの獪岳を指しています。善逸に血のつながった兄がいるという設定は作中にありません。

名前 獪岳(かいがく)
立場 善逸の兄弟子。桑島慈悟郎の一番弟子だった
呼吸 雷の呼吸。壱ノ型だけが使えなかった
その後 鬼になり、上弦の陸となる
最期 17巻第145話で善逸に討たれる

ふたりの関係を決定づけているのは、使える型が正反対だったという点です。善逸は壱ノ型しか使えず、獪岳は壱ノ型だけが使えませんでした。合わせてはじめて雷の呼吸が完成するという構図になっています。

獪岳は桑島から一番弟子として評価されていましたが、泣きながら修行を続ける善逸を嫌っていました。そして鬼へと転じます。

桑島慈悟郎の切腹

獪岳が鬼になったことで、育手の桑島慈悟郎は責任を取ります。雷の呼吸の使い手から鬼が出たという理由で切腹したのです。この事実が明かされるのは単行本16巻の第135話です。

桑島は介錯を付けずに切腹しており、長く苦しんだうえで亡くなったと語られます。この描写が、善逸が獪岳に向ける怒りの核心になっています。

獪岳の最期は何巻何話?

善逸と獪岳の決着は、単行本17巻に収録されています。無限城のなかでの一対一の戦いです。

話数 タイトル 内容
第143話 怒り 無限城で善逸と獪岳が対峙する
第144話 受け継ぐ者たち 戦闘が始まる
第145話 幸せの箱 善逸が漆ノ型「火雷神」で獪岳の頸を斬り、決着する
第146話 誇り 善逸が精神世界で桑島と再会する

決め手となった漆ノ型「火雷神」は、善逸が自ら編み出した型です。雷の呼吸には陸ノ型までしか存在せず、七つ目にあたるこの型は善逸だけのものでした。壱ノ型しか使えなかった少年が、その一つを極めた先に新しい型へたどり着くという流れになっています。

頸を斬られた獪岳は、無限城の奈落へ落ちていきました。

チュン太郎とは? 善逸の雀の正体

鬼殺隊士には鎹鴉という伝令役がつきます。しかし善逸につくのは鴉ではなく、雀のチュン太郎です。

呼び名 チュン太郎。善逸がそう呼んでいる
本名 うこぎ。公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』に記載
性別 メス
名前の由来 うこぎご飯を好んでいたことから
役割 鎹雀。伝令役

善逸は鳥の言葉を理解できないため、作中で本名を知る機会がありません。チュン太郎という呼び名は善逸が勝手に付けたものです。

なぜ雀が伝令役をしているのかにも理由があります。公式ファンブックによれば、うこぎもまた鬼に家族を殺されており、自分では鬼を倒せないぶん少しでも役に立ちたいという思いから伝令役に志願したと説明されています。小さく愛らしい存在に見えて、鬼殺隊の他の隊士と同じ動機を持っているわけです。

善逸は死亡する? 最終回での結末

結論として、善逸は死亡しません。最終決戦を生き延び、最終回まで生存する主要人物のひとりです。

生き残ったのは竈門炭治郎、竈門禰豆子、我妻善逸、嘴平伊之助、栗花落カナヲの5人とされています。善逸は禰豆子と結ばれ、鬼との戦いを綴った『善逸伝』という小説を書き残しました。

現代を描く場面には、善逸と禰豆子の子孫として我妻善照らが登場します。善照は『善逸伝』を読んで泣くという形で、祖先の戦いを受け継いでいます。

史実では? 大正時代の剣術と切腹

『鬼滅の刃』の舞台は大正時代です。善逸をめぐる設定のいくつかは、この時代の実際の事情と重ねて読むことができます。

桑島の切腹は時代的にどうだったのか

刑罰としての切腹は、大正よりずっと前に廃止されています。1873年(明治6年)の改定律例により、士族に対する切腹を含む刑は懲役へ統一されました。桑島の切腹は刑罰ではなく、自らの責任として腹を切る自刃です。

では大正時代に切腹が過去のものだったかというと、そうではありません。1912年(大正元年)9月13日、明治天皇の大喪の礼の当日に、陸軍大将・乃木希典が古式にのっとって切腹し、妻の静子とともに殉死しています。大正という時代は、まさにこの出来事から始まりました。

つまり桑島の最期は、大正の読者にとって決して縁遠い行為ではありません。責任を取るために腹を切るという選択が、まだ現実に起こりうるものとして受け止められていた時代の話です。

大正時代の剣術はどうなっていたか

鬼殺隊は日輪刀を用いる剣士の集団です。廃刀令のあとの時代に剣士の組織があるという設定ですが、剣術そのものは大正期にも生き続けていました。

出来事
1873年(明治6年) 改定律例により、刑罰としての切腹が廃止される
1895年(明治28年) 大日本武徳会が京都に結成される。武道の振興と教育を目的とした組織
1912年(大正元年) 乃木希典が明治天皇の大喪の礼の日に切腹して殉死する
1912年(大正元年)10月 25名の剣道家により大日本帝国剣道形が制定される
1917年(大正6年) 大日本武徳会が剣道に段位制を採用する

大日本武徳会は結成から10年ほどで100万人を超える会員を集めたとされ、流派を超えた統合組織として演武会の開催、各府県への支部設立、武術教員の養成、称号や段位の授与といった制度を整えていきました。

つまり善逸たちが戦っていたとされる時代は、剣術が消えた時代ではなく、むしろ流派ごとの技が整理され、共通の形と段位のもとに束ねられていった時代です。育手のもとで一つの型を磨くという鬼殺隊の修行のあり方は、この流れとは対照的に、より古い師弟関係のかたちを残しています。

漫画と史実の違い

項目 『鬼滅の刃』 史実
雷の呼吸 呼吸法により身体能力を高める剣技 該当する技術の記録はない。作品独自の設定
鬼殺隊 政府非公認の剣士組織 大正期に該当する組織の記録はない
切腹 桑島が責任を取って自刃する 刑罰としては1873年に廃止。ただし1912年に乃木希典の殉死がある
剣術の位置づけ 育手のもとで型を継承する 大日本武徳会のもとで流派を超えた形と段位が整備されていた
鎹鴉と鎹雀 鳥が人語を話して伝令を務める 伝書鳩の軍事利用はあったが、人語を話す鳥の記録はない

なぜ善逸と獪岳は対にして描かれたのか

善逸と獪岳は、同じ師のもとで同じ呼吸を学びながら、まったく逆の結末をたどりました。この対比は偶然ではなく、使える型の設定そのものに組み込まれています。

壱ノ型しか使えない者と、壱ノ型だけが使えない者。どちらも欠けた存在です。違ったのは、その欠けをどう扱ったかでした。善逸は一つを磨き続け、獪岳は認められないことへの不満を募らせました。

そして師の桑島は、獪岳が鬼になったことの責任を自らの命で取りました。この一点があるために、善逸と獪岳の戦いは強さの比べ合いではなく、師から受け取ったものをどう扱ったかの決着になっています。第144話のタイトルが「受け継ぐ者たち」であることは、その主題をそのまま示しています。

善逸と獪岳に関するよくある質問

善逸は死亡しますか?

死亡しません。最終決戦を生き延び、最終回まで生き残る主要5人のひとりです。ほかの4人は炭治郎、禰豆子、伊之助、カナヲです。

善逸の兄弟子は誰ですか?

獪岳です。善逸と同じく桑島慈悟郎のもとで雷の呼吸を学んだ兄弟子で、のちに鬼となり上弦の陸となりました。

獪岳が死亡するのは何巻何話ですか?

単行本17巻の第145話「幸せの箱」です。無限城での戦いで、善逸の漆ノ型「火雷神」により頸を斬られました。

善逸に血のつながった兄はいますか?

いません。「善逸 兄」として検索されているのは、多くの場合は兄弟子の獪岳を指しています。

チュン太郎の本名は何ですか?

うこぎです。公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』に記載があります。うこぎご飯を好んでいたことに由来する名前で、性別はメスです。

なぜ善逸だけ鎹鴉ではなく雀なのですか?

公式ファンブックによれば、うこぎも鬼に家族を殺されており、自分では鬼を倒せないぶん役に立ちたいという思いから伝令役に志願したと説明されています。

火雷神とはどんな技ですか?

雷の呼吸の漆ノ型で、善逸が自ら編み出した型です。雷の呼吸には本来陸ノ型までしか存在せず、七つ目にあたるこの型は善逸だけが使えます。

桑島慈悟郎はどうなりましたか?

切腹しています。獪岳が鬼になったことで、雷の呼吸の使い手から鬼が出た責任を取ったためです。介錯を付けずに切腹したことが単行本16巻の第135話で明かされます。

大正時代に切腹は行われていましたか?

刑罰としての切腹は1873年の改定律例で廃止されています。ただし自らの意思による自刃はその後もあり、1912年に陸軍大将・乃木希典が明治天皇の大喪の礼の日に切腹して殉死しています。

善逸は最終回のあとどうなりましたか?

禰豆子と結ばれ、鬼との戦いを綴った『善逸伝』という小説を書き残しました。現代の場面には子孫として我妻善照らが登場します。

まとめ

  • 善逸は死亡せず、最終回まで生き残る主要5人のひとり
  • 兄弟子の獪岳は単行本17巻の第145話で善逸に討たれる
  • 決め手は善逸が自ら編み出した雷の呼吸・漆ノ型「火雷神」
  • チュン太郎の本名はうこぎ。公式ファンブックに記載があり、性別はメス
  • 桑島の切腹は、乃木希典の殉死があった大正という時代を踏まえると現実味のある選択だった

壱ノ型しか使えなかった少年が、その一つを極めて七つ目の型に至る。善逸と獪岳の決着は、才能の差ではなく受け取ったものをどう扱ったかの物語として描かれています。

続きは単行本で

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この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。