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ネタバレ注意
この記事には『ゴールデンカムイ』最終章(31巻)の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

『ゴールデンカムイ』で最も語られる人物が、尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)です。

味方にも敵にもならず、誰にも属さないまま撃ち続けました。そして最後は、自分を撃って終わります。この記事では尾形の結末と、その行動を決めていたものを整理します。

結論

  • 尾形百之助は死亡します。単行本31巻・第310話です。
  • 自らの目に向けて発砲し、自死しました。他人に討たれたのではありません。
  • 行動の起点は、異母弟・花沢勇作の死です。撃ったのは尾形自身でした。
  • 宇佐美時重も尾形が撃っています。26巻・第256話です。

尾形百之助とはどんな人物か

雪原に立つ枯木
尾形はどの陣営にも属しませんでした(画像はイメージです)
読み方 おがた ひゃくのすけ
役割 狙撃手。作中最高の腕を持つ
出自 花沢中将の子。花沢家には迎えられていない
関係 花沢勇作の異母兄
結末 31巻・第310話で自死

尾形は第七師団に属していた狙撃手です。ただし組織への忠誠はなく、途中で離れて単独で動きます。

杉元と組む場面もあれば、背後から撃つ場面もあります。どちら側の人物なのかが、最後まで定まりません。

花沢家という出自

尾形の行動すべての根は、生まれにあります。

項目 尾形百之助 花沢勇作
花沢中将 同じ
迎えられていない 正式な後継ぎ
母方の尾形 花沢
父からの扱い 顧みられない 大切に育てられる

同じ父を持ちながら、扱いがまったく違いました。明治期の家制度のもとでは、この線は能力では越えられません。

だから尾形は、能力で認めさせようとします。狙撃の腕を磨いたのは、その延長にありました。

異母弟・花沢勇作を撃つ

尾形が越えた最大の一線が、この場面です。

日露戦争の旅順攻囲戦で、勇作は旗手を務めていました。そこへ尾形が後方から狙撃し、後頭部を撃ち抜いています。

単行本17巻・第165話「旗手」の場面です。敵弾によるものと見なされ、真相を知るのは尾形だけでした。

項目 内容
巻・話 17巻・第165話「旗手」
場所 日露戦争の戦場。旅順攻囲戦
死因 尾形の狙撃。後頭部を撃ち抜かれる

ここで重要なのは、勇作が尾形を差別しなかったことです。兄と呼び、まっすぐに慕っていました。

見下してくれれば憎めたはずのものが、そうならなかった。その扱いが、尾形を追い詰めます。

勇作の幻影

勇作を撃ったあと、尾形は満たされませんでした。

むしろこの死が、尾形をより深く縛ります。以後、勇作の姿が幻影として繰り返し現れました。

尾形は感情の薄い人物として描かれてきました。その人物が唯一動揺するのが、勇作に関わる場面です。

数多くの人間を撃ってきた狙撃手が、一発だけ引きずり続けています。この矛盾が、尾形という人物の核にあります。

宇佐美時重を撃つ

尾形が撃った相手には、宇佐美時重もいます。

項目 内容
巻・話 26巻・第256話
撃った人物 尾形百之助
死因 腹部を撃ち抜かれる

宇佐美は鶴見中尉に異常なほど傾倒していた人物です。尾形とは、承認を求めるという点で似ていました。

似ているからこそ、この二人は相容れません。互いに相手のなかに、自分の醜い部分を見ています。

ヴァシリとの狙撃対決

尾形の狙撃手としての力量が最もよく出るのが、ヴァシリとの対決です。

ヴァシリは帝政ロシアの樺太国境守備隊に属する狙撃の名手でした。互いに姿を見せず、長い睨み合いの末に決着します。

人物 結果
尾形百之助 狙撃対決に勝つ
ヴァシリ 敗れて樹上から狙撃銃を落とす。ただし生存する

勝ったのは尾形です。しかしヴァシリは生き延び、その後は故郷ロシアで画家になりました。

勝った側が死に、負けた側が生き残ります。この作品では、勝敗と生存が一致しません。

31巻・第310話の最期

尾形の最期は、自らの手によるものです。

自分の目に向けて発砲し、頭部を撃ち抜きました。単行本31巻・第310話の場面です。

項目 内容
巻・話 31巻・第310話
死因 自らの目に向けて発砲。自死
特徴 他人に討たれたのではない

狙撃手として生きた人物が、最後に自分を狙いました。撃ち続けた人間が、最後の一発を自分に使ったということです。

目に向けて撃つという形にも意味があります。照準を覗き続けた目を、自分で潰す形になりました。

尾形が語られ続ける理由

尾形は作中で最も考察される人物です。

要素 内容
立場が定まらない 敵とも味方とも言えない動きをする
感情が読めない ほとんど表情を変えない
唯一の弱点 勇作に関することだけ動揺する
結末 自死という形で、他人に決着を委ねなかった

読み手が答えを出しにくい人物として、最後まで置かれました。だからこそ、いまも解釈が分かれ続けています。

杉元佐一との関係

尾形と杉元は、何度も組み、何度も敵対します。

時期 関係
序盤 敵として登場する
中盤 目的が一致する場面では協力する
樺太編以降 再び敵対する

この不安定さが、尾形という人物を象徴しています。裏切るというより、そもそも味方になったことがありません。

杉元は目的がはっきりしています。亡き友の妻・梅子の治療費という、極めて具体的なものです。

対する尾形には、そういう目的がありません。金塊への執着も薄く、何を求めているのかが最後まで見えません。

アシリパとの関わり

尾形はアシリパにも接近します。

ただしそれは、味方としてではありませんでした。アシリパに人を撃たせようとする場面があります。

人物 アシリパへの態度
杉元佐一 人を殺さずに済むよう線を引き続ける
尾形百之助 その線を越えさせようとする

正反対の態度です。杉元が守ろうとしたものを、尾形は壊そうとしました。

そこに悪意があったのかは、はっきりしません。自分と同じ場所へ引きずり込みたかったとも読めます。

狙撃手という役割

尾形の戦い方は、この作品のなかで特殊です。

要素 内容
距離 相手の顔が見えない遠距離から撃つ
関係 撃たれた側は、誰に撃たれたか分からない
時間 待つ時間が戦闘の大半を占める

杉元は銃剣で、牛山は素手で戦います。どちらも相手に触れる距離です。

尾形だけが、触れずに殺します。この距離の取り方が、そのまま人間関係にも表れていました。

誰とも近づかず、遠くから見て、必要なら撃つ。狙撃手という役割は、この人物の在り方そのものです。

尾形が撃った人物たち

尾形の狙撃は、物語の要所で流れを変えてきました。

相手 巻・話 結果
花沢勇作 17巻・第165話 後頭部を撃ち抜かれて死亡
宇佐美時重 26巻・第256話 腹部を撃ち抜かれて死亡
ヴァシリ 最終盤の狙撃対決 撃たれるが生存する

異母弟を撃ち、同僚を撃ち、宿敵を撃ちました。いずれも近しい相手ばかりです。

遠距離から撃つ人物が、撃つ相手だけは近い。この矛盾も、尾形という人物の説明しにくさを作っています。

江渡貝弥作を襲撃したのも尾形でした。そのために江渡貝は炭鉱へ逃げ込み、ガス爆発に巻き込まれます。

解釈が分かれる結末

尾形の自死については、読み方が一つに定まっていません。

読み方 内容
後悔によるもの 勇作の件から逃れられなかったとする見方
自分で終わらせた 他人に決着を委ねなかったとする見方
狙撃手としての最後 最後の一発を自分に使ったとする見方

いずれも作中の描写から導けます。作品はどれが正解かを明示していません。

この曖昧さは、鶴見中尉の生死が明言されないことにも通じます。最も語られる二人が、どちらも答えを与えられずに退場しました。

読者に判断を委ねるという終わり方です。連載終了から時間が経っても議論が続いているのは、そのためでもあります。

尾形百之助に関するよくある質問

尾形百之助は死亡しますか?

死亡します。単行本31巻・第310話です。

尾形の死因は何ですか?

自らの目に向けて発砲し、頭部を撃ち抜いた自死です。他人に討たれたのではありません。

尾形は花沢勇作を殺したのですか?

殺しました。17巻・第165話「旗手」で、日露戦争の戦場で後頭部を狙撃しています。

なぜ弟を殺したのですか?

父に認められない自分と、何もせずとも愛される弟との差を埋めるためです。ただしそれで満たされることはありませんでした。

尾形はなぜ勇作を憎めなかったのですか?

勇作が尾形を差別せず、兄としてまっすぐに慕っていたためです。見下されなかったことが、逆に尾形を追い詰めました。

宇佐美時重を撃ったのも尾形ですか?

尾形です。26巻・第256話で、腹部を撃ち抜いています。

ヴァシリとの狙撃対決はどうなりましたか?

尾形が勝ちました。ただしヴァシリは生き延び、その後は故郷ロシアで画家になっています。

尾形はどの陣営の人物ですか?

もともとは第七師団の狙撃手でしたが、途中で離れて単独で動きます。最後までどの陣営にも定まりませんでした。

花沢中将とは誰ですか?

尾形と勇作の父で、第七師団の師団長です。日露戦争で甚大な犠牲を出したことを批判され、自責の念から自決しました。

なぜ尾形は人気があるのですか?

立場も感情も読めない人物として最後まで描かれたためです。答えが用意されていないため、いまも解釈が分かれ続けています。

まとめ

  • 尾形百之助は31巻・第310話で死亡する
  • 自らの目に向けて発砲した自死で、他人に討たれたのではない
  • 行動の起点は、異母弟・花沢勇作を17巻・第165話で撃ったこと
  • 勇作は尾形を差別せず慕っており、それが逆に尾形を追い詰めた
  • 宇佐美時重も26巻・第256話で尾形が撃っている
  • ヴァシリとの狙撃対決には勝ったが、生き残ったのはヴァシリのほうだった
  • どの陣営にも属さず、感情も読めないまま最後まで描かれた

撃ち続けた人間が、最後の一発を自分に使う。他人に決着を委ねなかったところに、この人物の一貫性がありました。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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