摎(きょう)の死亡は16巻165話|龐煖に討たれ王騎との約束は城99個で止まる・史実に女性の記録なし【キングダム】
この記事には『キングダム』馬陽の戦い(11巻から17巻)の展開と、史実にもとづく解説が含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。
『キングダム』の旧六大将軍でただひとりの女性、摎(きょう)。仮面をつけて戦場に立ち、王騎将軍と結婚の約束を交わしていた人物です。
この記事では、摎が作中でいつ死亡したのか、誰に討たれたのかを整理します。そのうえで、史実の摎がどのような将軍だったのかを『史記』の記録から確認します。史実の摎は実在しますが、作中の設定とは決定的に違う点があります。
結論
- 摎は死亡しています。単行本16巻の第165話「強さの根源」で、王騎の回想として最期が描かれました。
- 討ったのは趙の龐煖(ほうけん)です。馬陽攻略の前夜、一騎打ちの末に致命傷を負いました。
- 史実の摎は実在します。ただし女性であったという記録はなく、『史記』には紀元前256年に西周を降した将軍として名が残っています。
摎のプロフィール

| 名前 | 摎(きょう) |
|---|---|
| 所属 | 秦国 |
| 階級 | 六大将軍のひとり |
| 特徴 | 旧六大将軍で唯一の女性。素顔を隠すため仮面をつけて戦場に立つ |
| 出自 | 昭王と後宮の宮女とのあいだに生まれた子 |
| 育ての家 | 王騎の家。身分を隠すため召使いの子として育てられた |
| 王騎との約束 | 城を100個取ったら妻にしてほしいという約束 |
| 初登場 | 単行本11巻。王騎と昌文君の会話で名前が出る |
| 死亡 | 単行本16巻 第165話「強さの根源」 |
摎は昭王の子でありながら、王位争いに巻き込まれることを避けるため、王騎の家に預けられて育ちました。表向きは召使いの子です。そこで王騎とともに武芸を修め、やがて将としての才能を現していきます。
戦場では女性であることを隠すため、仮面をつけて指揮を執っていました。旧六大将軍は白起、王齕、王騎、摎、胡傷、司馬錯の6人とされ、摎はその中で唯一の女性です。
摎の最期は何巻何話?
摎が死亡する場面は、単行本16巻の第165話「強さの根源」で描かれます。アニメでは第1シリーズの第36話「王騎と摎」にあたります。
ただし、これは現在進行の出来事ではありません。馬陽の戦いのさなかに王騎が思い起こす回想であり、摎の死は物語の現在から見ると9年前の出来事として語られます。
死に至るまでの流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 摎は王騎の家で育ち、幼いころ「城を100個取ったら妻にしてほしい」と願い出る |
| 2 | 王騎はこれを受け入れ、摎が落とした城を数え続ける |
| 3 | 摎は将として頭角を現し、六大将軍のひとりになる |
| 4 | 99個目まで城を落とし、100個目の城として趙の馬陽へ向かう |
| 5 | 馬陽攻略の前夜、武神を名乗る龐煖が現れ一騎打ちとなる |
| 6 | 摎は龐煖の得物による一撃を受け、致命傷を負って死亡する |
一騎打ちそのものは互角に近い展開でした。摎は龐煖に刃を突き立ててもいます。しかし得物の長さの差が最後に響き、龐煖の一撃を受けて倒れました。駆けつけた王騎が龐煖を崖から落としますが、摎は助かりませんでした。
王騎にとっての馬陽
この経緯があるため、馬陽という地名は王騎にとって特別な意味を持ちます。作中で王騎が馬陽の戦いの総大将を引き受けたのは、摎を討った龐煖に決着をつけるためでした。
そして王騎自身も、その馬陽で命を落とします。王騎が息を引き取るのは単行本16巻の第172話「継承」で、摎の死が描かれた第165話とは同じ巻の中に収められています。摎の最期と王騎の最期が、単行本1冊のうちに並んで置かれている構成です。
摎を討ったのは誰? 龐煖という人物
摎を討ったのは趙の龐煖です。作中では武神を自称し、一騎打ちで相手を殺すことにこだわり続ける人物として描かれます。
龐煖は摎だけでなく、のちに秦の大将軍・麃公も討ち、王騎に致命傷を与える戦いにも関わりました。秦の将軍を何人も葬った存在であり、最終的には信によって討たれます。
史実にも龐煖という人物は実在しますが、記録に残る姿は武人というより思想家、そして趙軍を率いた将としてのものです。作中の武神という描かれ方は、この作品独自の脚色にあたります。
史実では? 摎は実在した秦の将軍
ここからが差別化パートです。摎は作品オリジナルの人物ではありません。『史記』の秦本紀と周本紀に、摎という秦の将軍の記録が残っています。
名前と姓について
史料に残るのは「摎」という一字のみで、姓氏は不明とされます。日本語版の事典類では項目名として楊摎(ようきゅう)と表記される場合があり、清代の歴史小説『東周列国志』では嬴摎と書かれています。どれが正しいかは確定していません。
史実の摎の年表
| 年代 | 出来事 |
|---|---|
| 紀元前256年(昭襄王51年) | 韓を攻め、陽城と負黍を取り、首級4万を挙げる |
| 同年 | 趙を攻め、20県余りを奪う。斬首と捕虜は合わせて9万に達する |
| 同年 | 秦に背いた西周を攻撃する。西周の文公は秦へ赴いて謝罪し、36城と3万の民を献上する |
| 同年 | 周王である赧王が崩御。文公の死後に人々が東周へ逃れ、西周は滅亡する。秦は九鼎と周王室の宝物を接収する |
| 紀元前254年(昭襄王53年) | 魏を討伐し、呉城を占領する |
| 以後 | 記録が途絶える。生没年は不詳 |
この年表が示しているのは、摎が単なる一将軍ではなかったということです。紀元前256年の一年だけで韓と趙から合わせて13万規模の戦果を挙げ、さらに周王朝の本家である西周を屈服させています。
周王朝を終わらせた将軍
西周の降伏と赧王の死によって、およそ800年続いた周王室は事実上その歴史を閉じました。中華の名目上の頂点であった王朝を終わらせた戦いに、摎の名が記録されています。
なお、周の血統が完全に絶えるのはもう少し後です。西周とは別に東周君が残っており、こちらは紀元前249年に呂不韋によって滅ぼされました。摎が終わらせたのは周王室の本家、呂不韋が終わらせたのは残った分家、という整理になります。
性別についての記録はない
ここが最も重要な点です。史実の摎が女性だったという記録は存在しません。『史記』は摎の性別に触れておらず、当時の秦の将軍職の実態を考えれば男性であったと見るのが自然です。
作中の摎は昭王の娘という設定ですが、これも史料にはありません。仮面をつけて素顔を隠していたという話も、王騎との婚約も、すべて作品独自の創作です。
漫画と史実の違い
| 項目 | 『キングダム』 | 史実 |
|---|---|---|
| 性別 | 女性。六大将軍で唯一 | 記録なし。男性と見るのが自然 |
| 出自 | 昭王と宮女のあいだの子 | 姓氏も出自も不明 |
| 王騎との関係 | 育ての家の主であり、婚約者 | 記録なし。王騎のモデルとされる王齮との関係も不明 |
| 最期 | 馬陽の攻略前夜に龐煖に討たれる | 死亡の記録はない。紀元前254年以降、記録が途絶える |
| 主な戦果 | 城を99個落とし、100個目の馬陽で倒れる | 韓・趙で13万規模の戦果を挙げ、西周を降伏させた |
| 六大将軍 | 昭王が任じた6人のひとり | 六大将軍という制度そのものが作品の設定 |
なぜ摎は女性として描かれたのか
史実に性別の記録がない人物を女性として描く。これは『キングダム』が何度か使っている手法です。山界の王・楊端和も、史実では男性の将軍として記録されている人物にあたります。
摎の場合、女性であることには物語上の必然があります。王騎という人物に、中華統一とは別の動機を与えるためです。城を100個取ったら結婚するという約束は、戦果を数える行為を私的な意味に変えてしまいます。
そして99個で止まったことが、王騎の以後の行動をすべて説明します。作中の王騎が飄々とした態度の裏に一貫した執着を抱えているのは、この約束が果たされなかったからです。史実の摎は西周を降した記録で終わっていますが、作中の摎は王騎の中に残り続けました。
もうひとつ、旧六大将軍に女性がいたという設定は、作中で羌瘣や楊端和が将として立つことに前例を与えています。摎という人物は、この作品の女性武将の描き方そのものの起点にあたる存在です。
摎に関するよくある質問
摎は何巻何話で死亡しますか?
単行本16巻の第165話「強さの根源」です。王騎の回想として、馬陽攻略の前夜に龐煖と一騎打ちを行い、致命傷を負う場面が描かれます。
摎を殺したのは誰ですか?
趙の龐煖です。武神を名乗り一騎打ちにこだわる人物で、のちに麃公も討ち、王騎に致命傷を与える戦いにも関わりました。
摎と王騎の関係は何ですか?
摎は王騎の家に預けられて育ち、のちに婚約者となりました。城を100個取ったら妻にしてほしいという幼いころの願いを、王騎が受け入れています。
摎はいくつ城を落としましたか?
99個です。100個目として馬陽へ向かう前夜に龐煖と戦い、命を落としました。王騎はその数を数え続けていました。
摎の正体は誰の子ですか?
昭王と後宮の宮女とのあいだに生まれた子です。王位争いから守るため、身分を隠して王騎の家で育てられました。
摎はなぜ仮面をつけていたのですか?
女性であることを隠すためです。戦場に出るにあたって素顔を伏せ、仮面をつけて指揮を執っていました。
摎は史実に実在しましたか?
実在します。『史記』の秦本紀と周本紀に、昭襄王に仕えた秦の将軍として摎の名が記録されています。
史実の摎は何をした人物ですか?
紀元前256年に韓と趙を攻めて大きな戦果を挙げ、同じ年に西周を攻めて降伏させました。この結果、周王室の本家は滅亡しています。
史実の摎も女性だったのですか?
違います。史料に性別の記載はなく、女性だったという記録は存在しません。女性という設定は作品独自のものです。
史実の摎はどのように死んだのですか?
分かっていません。紀元前254年に魏の呉城を占領した記録を最後に消息が途絶えており、死因も没年も不詳です。
まとめ
- 摎は単行本16巻の第165話「強さの根源」で死亡が描かれた
- 討ったのは趙の龐煖で、馬陽攻略の前夜の一騎打ちだった
- 馬陽は王騎との約束の100個目の城であり、99個で止まった
- 史実の摎は実在し、紀元前256年に西周を降して周王室を終わらせた
- ただし史実に女性という記録はなく、昭王の子という出自も作品の創作
史実の摎は、周王朝を終わらせた将軍として一行だけ記録に残っています。その一行に、名も知られない女性の将軍という人格を与え、王騎の生き方の理由にまで組み替える。『キングダム』が史実をどう使う作品なのかが、摎という人物にはよく表れています。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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