鯉登音之進は最後の第七師団長に|薩摩弁の少尉と月島基との関係【ゴールデンカムイ】
この記事には『ゴールデンカムイ』最終回の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。
『ゴールデンカムイ』で、最も大きく変化する人物が鯉登音之進(こいと おとのしん)です。
登場時は感情のままに動く若い少尉でした。その人物が、最後には第七師団を率いる立場になります。この記事では鯉登の結末と、月島基との関係を整理します。
結論
- 鯉登音之進は死にません。最終回まで生き残ります。
- のちに最後の第七師団長となります。階級も中将まで上がりました。
- 月島基は、その右腕を務めます。当初は噛み合わなかった二人です。
- キロランケを倒したのも鯉登です。19巻・第190話にあたります。
鯉登音之進とはどんな人物か

| 読み方 | こいと おとのしん |
|---|---|
| 所属 | 大日本帝国陸軍 第七師団 |
| 階級 | 少尉として登場する |
| 特徴 | 薩摩弁を話す。感情の起伏が激しい |
| 結末 | 生存。最後の第七師団長となる |
鯉登は若い将校です。登場時から鶴見中尉に強く心酔しており、その言葉を疑いません。
感情をそのまま表に出す人物として描かれます。感情を殺した月島とは、正反対の性質です。
薩摩弁という個性
鯉登の話し方は、この作品でも際立っています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 方言 | 薩摩弁。現在の鹿児島にあたる地域の言葉 |
| 使いどころ | 感情が高ぶると、より強く出る |
| 効果 | 出自と気性が同時に伝わる |
明治期の日本では、地方ごとの言葉の差が今よりはるかに大きいものでした。各地から兵が集まる軍隊では、言葉の違いがそのまま出自を示します。
薩摩は明治政府の中心となった地域のひとつです。その出身であることが、鯉登という人物の立場にも関わっています。
鶴見中尉への心酔
鯉登は、鶴見中尉を強く慕っています。
ただしそれは、宇佐美時重のような独占的な執着とは違います。若さゆえのまっすぐな憧れに近いものです。
| 人物 | 鶴見への感情 |
|---|---|
| 鯉登音之進 | 若さゆえの憧れ。まっすぐに慕う |
| 宇佐美時重 | 独占的な執着。「一番」でありたい |
| 月島基 | 過去を握られ、離れられない |
鶴見は部下一人ひとりに、違う与え方をします。鯉登に対しては、その憧れに応える態度を取りました。
それが本心かどうかは、最後まで明かされません。与えられた側には、確かめる方法がないためです。
キロランケとの決着
鯉登の重要な戦いが、樺太編でのキロランケ戦です。
正体が露見したキロランケを、鯉登はマキリで刺しました。さらに銃撃を受け、キロランケは死亡します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 巻・話 | 19巻・第190話 |
| 相手 | キロランケ。本名ユルバルス |
| 経緯 | マキリで首を刺し、さらに銃撃を受ける |
マキリとはアイヌの小刀です。本来は狩りや調理に使う生活の道具でした。
アイヌを名乗った人物が、アイヌの刃物で終わる。この決着の付け方には、明確な意図が読み取れます。
月島基との関係
鯉登を語るうえで最も重要なのが、月島との関係です。
| 段階 | 関係 |
|---|---|
| 序盤 | 噛み合わず、対立する場面もある |
| 樺太編 | 互いの事情を知っていく |
| 終盤 | 鯉登が月島を庇い、繰り返し救う |
| 最終的に | 月島が鯉登の右腕を務める |
感情をそのまま出す鯉登と、感情を殺した月島。正反対の二人が、最も深く結びつきます。
最終決戦では、鶴見が月島に向けた手を鯉登の嘆願が止めました。鶴見の死後、遺品を探す月島を解放するのも鯉登です。
月島は鶴見に助けられながら、救われたとは思えませんでした。その月島を最後に救ったのが、鯉登だったということです。
最後の第七師団長
鯉登の結末は、この作品でも異例のものです。
のちに中将まで昇り、最後の第七師団長となります。月島はその右腕を全うしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登場時 | 少尉。感情のままに動く若い将校 |
| 最終的に | 中将。最後の第七師団長 |
| 月島基 | その右腕を務める |
鶴見中尉が果たせなかった立場に、鯉登が就いています。ただしその中身は、鶴見が目指したものとは違うはずです。
心酔した相手の後を継ぎながら、同じ道は辿らない。この作品で最も前向きな結末のひとつになっています。
樺太編での変化
鯉登が大きく変わるのは、樺太編です。
それまでの鯉登は、感情のまま突っ走る人物でした。相手の事情を考えず、正しいと思ったことをそのまま口にします。
| 時期 | 鯉登の姿勢 |
|---|---|
| 登場時 | 感情のままに動き、周囲と衝突する |
| 樺太編 | 月島の抱えているものを知る |
| 終盤 | 他者の事情を汲んで判断できるようになる |
月島から「あなたたちは救われたじゃないですか」と言われる場面が、その転機になります。自分が恵まれた側だったと突きつけられる経験です。
この一言以降、鯉登の見え方が変わります。若さで押し切る人物から、他人を見る人物へ移っていきました。
第七師団の若手という立場
鯉登は第七師団のなかで、比較的若い将校です。
| 人物 | 階級・立場 |
|---|---|
| 鶴見 | 中尉。実質的な指導者 |
| 鯉登音之進 | 少尉。若手の将校 |
| 月島基 | 軍曹。下士官として実務を担う |
| 宇佐美時重 | 兵。鶴見への執着で動く |
階級としては、鯉登は月島より上にあたります。それでも実戦の経験では、月島のほうがはるかに上でした。
この逆転が、二人の関係を難しくしています。命令する側が経験の浅い若者で、される側が歴戦の兵という構図です。
最終的にそれが解消されるのは、階級ではなく信頼で結びついたからでした。右腕という言葉が示すのは、そういう関係です。
鶴見中尉の後を継ぐということ
鯉登が第七師団長になるという結末には、含みがあります。
鶴見中尉は、北海道に独立勢力を作ろうとして果たせませんでした。その師団を率いる立場に、心酔していた若者が就きます。
| 人物 | 第七師団との関わり |
|---|---|
| 花沢中将 | 師団長。自責の念から自決する |
| 鶴見中尉 | 階級は中尉のまま、実質的に掌握する |
| 鯉登音之進 | 正規に昇進し、最後の師団長となる |
鶴見は個人的な忠誠で師団を束ねました。鯉登は正規の階級を経て、その立場に就いています。
同じ椅子に座りながら、そこへ至る道が違いました。この差が、鯉登という人物の到達点を示しています。
感情を出す人物という役割
この作品の主要人物には、感情を隠す者が多くいます。
| 人物 | 感情の扱い |
|---|---|
| 尾形百之助 | 無表情。何も見せない |
| 月島基 | 殺している。見せるものがない |
| 鶴見中尉 | 自在に操る。本心が読めない |
| 鯉登音之進 | そのまま出す。隠さない |
鯉登だけが、思ったことをそのまま表に出します。それは未熟さでもあり、この作品では貴重な性質でもありました。
読者にとって、鯉登の反応は分かりやすい基準になります。何が起きているかを、この人物の顔で確認できるためです。
そして最後に、その率直さが月島を救います。隠さない人間が、隠し続けた人間の隣に立ったということです。
生き残った第七師団の人物
第七師団からは多くの死者が出ましたが、生き残った人物もいます。
| 人物 | 結末 |
|---|---|
| 鯉登音之進 | 生存。最後の第七師団長となる |
| 月島基 | 生存。鯉登の右腕を務める |
| 谷垣源次郎 | 生存。途中から杉元たちの側へ |
| 鶴見中尉 | 生死は明言されない |
宇佐美、菊田、二階堂、玉井は死亡しています。鶴見に強く傾倒した者ほど、命を落とす傾向がありました。
鯉登も心酔していた側です。それでも生き残ったのは、途中で他者を見るようになったからだと読めます。
作中で最も成長する人物
鯉登の変化は、この作品でも際立っています。
| 項目 | 登場時 | 最終的に |
|---|---|---|
| 階級 | 少尉 | 中将 |
| 判断 | 感情のまま動く | 他者の事情を汲む |
| 月島との関係 | 噛み合わない | 右腕として信頼し合う |
多くの人物が変わらないまま死んでいくなかで、鯉登だけが変わって生き残ります。変化できたことが、そのまま生存の条件になっていました。
この作品が示したのは、そこかもしれません。ひとつの目的に固まった人間は、そこで終わるということです。
鯉登音之進に関するよくある質問
鯉登音之進は死亡しますか?
死亡しません。最終回まで生き残ります。
鯉登はその後どうなりましたか?
中将まで昇り、最後の第七師団長となりました。月島基がその右腕を務めています。
鯉登の階級は何ですか?
登場時は少尉です。最終的には中将まで昇りました。
なぜ薩摩弁を話すのですか?
薩摩の出身だからです。明治期は地方ごとの言葉の差が大きく、軍隊では出自が言葉に表れました。
キロランケを倒したのは鯉登ですか?
鯉登です。19巻・第190話で、マキリで首を刺し、さらに銃撃を受けてキロランケは死亡しました。
マキリとは何ですか?
アイヌの小刀です。本来は狩りの解体や調理に使う生活の道具でした。
鶴見中尉とはどういう関係ですか?
強く心酔しています。ただし宇佐美のような独占的な執着ではなく、若さゆえのまっすぐな憧れに近いものです。
月島基との関係はどう変わりましたか?
当初は噛み合いませんでしたが、樺太編で互いの事情を知り、終盤では鯉登が月島を繰り返し救います。最終的に月島が鯉登の右腕となりました。
鯉登はなぜ人気があるのですか?
作中で最も大きく成長する人物だからです。感情のままに動く若い少尉が、最後には師団を率いる立場になります。
鯉登は実在の人物ですか?
していません。作品の創作です。ただし所属する第七師団は実在します。
まとめ
- 鯉登音之進は死亡せず、最終回まで生き残る
- のちに中将まで昇り、最後の第七師団長となる
- 月島基がその右腕を務める
- 登場時は薩摩弁を話す感情的な若い少尉だった
- 鶴見中尉には、若さゆえのまっすぐな憧れを寄せている
- キロランケを倒したのは鯉登で、19巻・第190話にあたる
- 鶴見に救われなかった月島を、最後に救ったのが鯉登だった
心酔した相手の立場を継ぎながら、同じ道は辿らない。この作品で最も前向きな結末のひとつでした。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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