黄猿(きざる)は死亡していない|敗北は108巻第1093話・革命軍説が未確定な理由を解説【ONE PIECE】
この記事には『ONE PIECE』本編、特にエッグヘッド編(単行本108巻前後)の展開に関するネタバレが含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。
海軍本部大将〝黄猿〟ボルサリーノ。ピカピカの実の能力者であり、飄々とした口調とは裏腹に容赦のない攻撃を仕掛ける、シャボンディ諸島以来の強敵です。
この黄猿について、検索窓には「黄猿 死亡」「黄猿 革命軍」といった言葉が並びます。エッグヘッド編でルフィに敗れた場面が強烈だったこと、そして作中での言動が海軍らしからぬものだったことが理由です。この記事では、黄猿が死亡しているのかどうかを作中の描写から確認し、あわせて「実は革命軍なのではないか」という説がどこから出てきたものなのかを整理します。
結論
- 黄猿は死亡していません。エッグヘッド編でルフィに敗れて戦線を離脱しましたが、その後も生存が描かれています。
- 敗北が描かれたのは第1093話「ルフィvs.黄猿」(単行本108巻)です。108巻には第1089話から第1100話までが収録されています。
- 「黄猿は革命軍だった」という説は読者の考察であり、公式には確定していません。ベガパンクとの関係や「どっちつかずの正義」という言葉が根拠として挙げられていますが、作中で断定された事実ではありません。
黄猿(ボルサリーノ)のプロフィール

| 本名 | ボルサリーノ |
|---|---|
| 異名 | 黄猿(きざる) |
| 所属 | 海軍本部 |
| 階級 | 大将 |
| 悪魔の実 | ピカピカの実(自然系) |
| 誕生日 | 11月23日 |
| 出身 | 北の海(ノースブルー) |
| 掲げる正義 | どっちつかずの正義 |
| 声優 | 石塚運昇(のちに置鮎龍太郎) |
| モデル | 俳優の田中邦衛。単行本57巻のSBSで作者が明かしている |
黄猿の最大の特徴は、ピカピカの実によって身体そのものを光に変えられる点です。移動速度は理屈のうえでは光速に達し、指先から放つレーザーや、剣状に固めた光による斬撃を使い分けます。「速い」という一点だけで、作中の戦闘バランスを崩しかねない能力です。
もうひとつ見逃せないのが、掲げる正義が「どっちつかずの正義」だという点です。赤犬サカズキの「徹底的な正義」、青雉クザンの「だらけきった正義」と並べられたとき、黄猿だけが自分の立場を明言していません。この一語が、後述する革命軍説の出発点になっています。
黄猿は死亡した? エッグヘッド編での結末
結論から書くと、黄猿は死亡していません。エッグヘッド編で大きなダメージを負って戦線を離脱しましたが、その後も生きている姿が描かれています。
「黄猿 死亡」という検索が生まれた背景には、エッグヘッド編での戦いがあります。ギア5のルフィと正面からぶつかり、巨大化したルフィの一撃で海軍の軍艦の甲板に叩きつけられるという、大将としては前例のない負け方をしたためです。
エッグヘッド編での黄猿の動き
| できごと | 内容 |
|---|---|
| エッグヘッドへの出撃 | ベガパンク抹殺の任務を帯び、五老星のひとりとともにエッグヘッドへ向かう |
| 戦桃丸との戦闘 | ベガパンクを守るために立ちはだかった戦桃丸を、ピカピカの実のレーザーで撃ち抜く |
| ルフィとの戦闘 | 第1093話「ルフィvs.黄猿」でギア5のルフィと激突。光速の攻防の末に敗れ、戦線を離脱する |
| その後 | 死亡はしていない。負傷しながらも生存している姿が描かれる |
戦桃丸との戦いは、黄猿という人物を読み解くうえで重要な場面です。ふたりは幼いころからの付き合いで、師弟とも兄弟ともつかない関係にありました。それでも黄猿は命令に従い、レーザーで戦桃丸を撃っています。任務を優先したという読み方もできますし、その直前と直後の描写から、割り切れていない内心を読み取る読者も多くいました。
単行本108巻の位置づけ
ルフィと黄猿の決着が描かれた第1093話は、単行本108巻に収録されています。108巻には第1089話から第1100話までが収録されており、タイトルは「〝死んだ方がいい世界〟」です。表紙にも黄猿が描かれており、この巻が黄猿という人物の転換点であることがわかります。
「黄猿は革命軍だった」説はどこから出てきたのか
ここが本題です。「黄猿 革命軍」「黄猿 正体」といった検索が多いのは、黄猿が海軍でありながら海賊側を助けているように見える描写が積み重なってきたためです。
ただし、はじめに整理しておきます。黄猿が革命軍に所属している、あるいは革命軍と内通しているという事実は、作中で確定していません。以下はすべて読者の考察として語られてきたものであり、公式の設定ではありません。
根拠として挙げられている描写
| 挙げられている根拠 | 内容 | 公式に確定しているか |
|---|---|---|
| 「どっちつかずの正義」 | 三大将のうち黄猿だけが立場を明言しない標語を掲げている | 標語は作中の事実。意味の解釈は未確定 |
| ベガパンクとの関係 | 長年の知己であり、ベガパンクは革命軍総司令官ドラゴンと通信できる関係にある | 関係の存在は作中の事実。そこから内通を導くのは読者の推測 |
| とどめを刺さない戦い方 | シャボンディ諸島やマリンフォードで、決定的な場面で仕留めきらなかったと読める描写がある | 未確定。意図的かどうかは描かれていない |
| ルフィへの食料 | エッグヘッド編の第1103話前後で、消耗したルフィのもとに食料が届く場面がある | 誰が届けたかは明言されておらず、黄猿だとする読みは推測 |
| モデルの俳優の役柄 | モデルとされる俳優が演じた役に、組織を裏切る立場のものがあった | 作品外の連想であり、根拠としては弱い |
整理すると、根拠のうち「作中で描かれた事実」といえるのは、標語とベガパンクとの関係の2点だけです。残りは「そう読める」という段階にとどまります。
より穏当な読み方
黄猿の行動は、革命軍のスパイだと考えなくても説明がつきます。海軍という組織に属し、命令には従うが、その命令の正しさを信じきってはいない。だから徹底もしないし、投げ出しもしない。「どっちつかず」とは、そういう立場をそのまま言い表した言葉だという読み方です。
戦桃丸を撃った直後の描写や、ベガパンク相手の言葉のやりとりを見ると、黄猿は迷いながら任務を遂行しているように読めます。組織の一員として動きながら、その組織を全面的には肯定していない。この宙づりの状態こそが黄猿という人物の核であり、それを「実は革命軍だった」とひと言でまとめてしまうと、かえって描かれているものを取りこぼす可能性があります。
史実では? 「大将」と「光の速さ」を調べる
ここからは差別化のパートです。黄猿の「大将」という階級と、「光の速さ」という能力の設定について、現実の側を調べました。
海軍の階級はどこから来ているのか
「大将」「中将」「少将」という並びは、実在の海軍階級です。英語ではそれぞれAdmiral、Vice Admiral、Rear Admiralにあたります。
このAdmiralという語の起源は、アラビア語の「amīr al-baḥr」だとされています。意味は「海の司令官」です。地中海を通じてヨーロッパへ伝わり、海の指揮官を指す言葉として定着しました。海賊と海軍を描く作品の階級名が、もともと海そのものに由来する言葉だったというのは、なかなか収まりのよい話です。
一方、日本語の「提督」の由来は別系統です。もともとは清の官名で、緑営という軍組織の最高指揮官を指しました。日本で艦隊指揮官の意味で使われるようになったきっかけとして、1853年のペリー来航時に「水師提督」と表記された例が挙げられます。
| 階級 | 英語 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 元帥 | Marshal Admiral など | 旧日本海軍では階級ではなく称号。1898年(明治31年)の元帥府条例により、元帥府に列せられた海軍大将に「元帥海軍大将」の称号が与えられた |
| 大将 | Admiral | 通常は海軍における最上位の将官 |
| 中将 | Vice Admiral | 大将の下。副提督とも呼ばれた |
| 少将 | Rear Admiral | 中将の下 |
興味深いのは元帥の扱いです。1871年から1873年ごろの日本では元帥は官名として扱われていましたが、明治31年の元帥府条例以降は「階級」ではなく「称号」になりました。つまり元帥海軍大将とは、あくまで海軍大将のなかから選ばれた者への呼び名だったわけです。『ONE PIECE』では元帥は明確に大将の上位の役職として描かれており、ここは現実とは異なります。
光の速さはどれくらいか
黄猿の能力の根幹である光速は、現実では毎秒299,792,458メートルと定められています。これは測定値ではなく、定義値です。
1983年の第17回国際度量衡総会において、メートルの定義が「1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を進む長さ」へ改められました。この時点で、真空中の光速は「測って求める量」ではなく「値が固定された定数」になったのです。
秒速およそ30万キロメートルという速さがどれほどのものかというと、地球一周がおよそ4万キロメートルですから、1秒でおよそ7周半します。作中で黄猿が海を一瞬でまたぐ描写は、能力の設定に忠実だといえます。
漫画と史実の違い
| 項目 | 『ONE PIECE』 | 現実 |
|---|---|---|
| 大将の位置 | 元帥の下、中将の上。三大将が並立する | 海軍における最上位の将官。同時に複数存在しうる |
| 元帥 | 海軍本部のトップにあたる役職 | 旧日本海軍では階級ではなく称号。元帥府に列せられた大将への呼び名 |
| 大将の任命 | 世界徴兵という制度で外部から抜擢される例がある | 通常は昇進の積み重ねによる。外部からの一足飛びの任命は制度上想定されていない |
| 光速の移動 | ピカピカの実により本人が光になって移動する | 質量を持つ物体は光速に達することができないとされる |
| 光速の値 | 作中で数値は示されない | 毎秒299,792,458メートル。1983年以降は定義値 |
なぜ黄猿はこのように描かれたのか
三大将のうち、赤犬は正義を突き詰めた先の苛烈さを、青雉はその苛烈さに耐えられなかった側を担当しています。では黄猿は何かというと、どちらにも振り切らずに組織に残り続けた者の姿です。
組織に疑問を持ちながら、それでも辞めずに命令を実行する。この立場は物語のなかで最も居心地が悪く、そして最も現実にありふれています。読者が黄猿の言動に「裏があるのでは」と反応してしまうのは、割り切っていない人間の行動が、外からは一貫しないものに見えるからでしょう。
飄々とした話し方も同じ機能を果たしています。感情を表に出さない語り口は、本心を隠す装置としても、本心などないという表明としても読めます。どちらとも取れる状態を保ち続けていること自体が、この人物の設計なのだと考えられます。
黄猿に関するよくある質問
黄猿は死亡しましたか?
死亡していません。エッグヘッド編でルフィに敗れて戦線を離脱しましたが、その後も生存している姿が描かれています。2026年8月時点で死亡は確認されていません。
黄猿がルフィに敗れたのは何巻何話ですか?
第1093話「ルフィvs.黄猿」です。単行本では108巻に収録されています。108巻には第1089話から第1100話までが収録されています。
黄猿は本当に革命軍なのですか?
公式には確定していません。革命軍説は読者の考察として広まったもので、作中で黄猿が革命軍に属していると明言された場面はありません。
革命軍説の根拠は何ですか?
主に「どっちつかずの正義」という標語と、ベガパンクとの長年の関係です。ベガパンクが革命軍総司令官ドラゴンと通信できる立場にあることから連想されました。ただし、この2点から内通を導くのは推測の域を出ません。
黄猿の悪魔の実は何ですか?
ピカピカの実です。自然系の悪魔の実で、身体を光に変えて移動したり、レーザーや光の剣を放ったりできます。
黄猿が戦桃丸を撃ったのはなぜですか?
ベガパンク抹殺という命令を実行するためです。ふたりは幼いころからの間柄でしたが、黄猿は任務を優先しました。ただし、割り切れていない様子も描かれています。
黄猿のモデルは誰ですか?
俳優の田中邦衛です。単行本57巻のSBSで作者が明かしており、同時に赤犬のモデルが菅原文太、青雉のモデルが松田優作であることも語られています。
光の速さは実際にどれくらいですか?
真空中で毎秒299,792,458メートルです。1983年の第17回国際度量衡総会でメートルの定義に組み込まれたため、現在は測定値ではなく定義値として扱われています。
現在の海軍大将は誰ですか?
黄猿ボルサリーノ、藤虎イッショウ、緑牛アラマキの3人です。かつて大将だったサカズキは元帥に、クザンは海軍を離れています。
黄猿は今後どうなりますか?
明言されていません。エッグヘッド編での敗北と、その前後の言動から立場の変化を予想する声はありますが、確定した情報はないため断定はできません。
まとめ
- 黄猿は死亡していない。エッグヘッド編で敗れたが生存している
- ルフィに敗れたのは第1093話「ルフィvs.黄猿」(単行本108巻)
- 「革命軍だった」説は読者の考察であり、公式には確定していない
- 根拠のうち作中の事実は「どっちつかずの正義」とベガパンクとの関係の2点のみ
- 大将という階級は実在し、Admiralの語源はアラビア語で「海の司令官」を意味する語だとされる
黄猿という人物の面白さは、どちらの側なのかを最後まで明かさないところにあります。革命軍かどうかという二択で答えを出す前に、答えを出さないまま組織に居続けているという状態そのものを見ておくと、今後の展開の読み方も変わってくるはずです。
続きは単行本で
記事内で触れた『ONE PIECE』108巻は、Amazonで確認できます。
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この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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