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ネタバレ注意
この記事には『ONE PIECE』ウォーターセブン編・エニエス・ロビー編、および新世界編以降の展開に関するネタバレが含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。

『ONE PIECE』でニコ・ロビンを連れ去り、麦わらの一味と全面衝突した世界政府の諜報機関、それがCP9(サイファーポール・ナンバーナイン)です。「闇の正義」を掲げ、政府にとって不利益な人物を法の外で処理する権限を持つ、通常のサイファーポールとは異質な組織でした。

この記事では、CP9のメンバーを一人ずつ整理し、全員が使いこなす超人的体技「六式」の内容、そして敗北後にCP0へと移っていった彼らの現在までをまとめます。あわせて、現実の世界に実在した諜報機関の歴史とも並べて見ていきます。CP9という組織の設定が、どれだけ現実の情報機関を下敷きにしているかが見えてきます。

結論

  • CP9は長官スパンダムと8人の諜報部員で構成されます。ロブ・ルッチ、カク、ジャブラ、ブルーノ、クマドリ、フクロウ、カリファ、そして見習いのネロです。
  • 部員は全員が「六式」の使い手です。指銃、鉄塊、剃、嵐脚、紙絵、月歩の6つで、極めた者だけが奥義「六王銃」を放てます。
  • エニエス・ロビーで敗れたあと、彼らはCP0として復帰しています。ルッチとカクは現在も世界政府側の実働部隊として登場しています。

CP9とはどんな組織か

夕暮れの海に浮かぶ帆船のイメージ
CP9は司法の島エニエス・ロビーを拠点としていました(画像はイメージです)
正式名称 サイファーポール・ナンバーナイン(CP9)
所属 世界政府直属の諜報機関
特徴 存在自体が公式には認められていない非公然組織
権限 政府に不利益をもたらす人物の殺害許可を持つ
信条 「闇の正義」
拠点 司法の島エニエス・ロビー
長官 スパンダム(前任は父スパンダイン)
共通の武術 六式(部員全員が習得)

サイファーポールはCP1からCP8まで存在する政府の情報機関ですが、CP9だけは公にはその存在が認められていません。理由は単純で、他のCPが情報収集と監視を任務とするのに対し、CP9には殺害の許可が与えられているからです。海軍が掲げる「正義」の外側で動く実働部隊、それがこの組織の位置づけです。

ウォーターセブン編では、CP9の部員たちは5年もの歳月をかけて造船の街に潜入し、市民として生活しながらプルトンの設計図を探し続けていました。ルッチは工員、カクは船大工、カリファはアイスバーグの秘書、ブルーノはバーの店主、そしてクマドリとフクロウは市長邸に出入りする立場を得ています。この徹底した長期潜入も、この組織の性格を示す部分です。

CP9のメンバー一覧

まず全体像を表で確認します。ドリキとは政府が用いる戦闘力の数値で、一般的な海兵が10前後とされる中、部員たちの数値は桁が違います。

名前 役割 悪魔の実 ドリキ
スパンダム 長官 なし(愛剣ファンクフリードが能力者) 戦闘能力はほぼなし
ロブ・ルッチ 最高戦力 ネコネコの実 モデル“豹” 4000
カク 準最高戦力 ウシウシの実 モデル“麒麟” 2200
ジャブラ 古参の実力者 イヌイヌの実 モデル“狼” 2180
ブルーノ 移動・潜入担当 ドアドアの実 820
クマドリ 生命帰還の使い手 なし 810
フクロウ 情報収集担当 なし 800
カリファ 紅一点 アワアワの実 630
ネロ 見習い なし 正式な数値は未公表

ロブ・ルッチ

CP9の実質的な最高戦力です。ウォーターセブンでは寡黙な工員として振る舞い、鳩のハットリを腹話術で喋らせることで自分の口数を減らすという徹底ぶりを見せていました。ネコネコの実 モデル“豹”の能力者で、人獣型に変形すると圧倒的な打撃力を発揮します。ドリキ4000という数値は部員の中で突出しており、六式の奥義「六王銃」を放てる唯一の存在として描かれました。

13歳で13人の海賊の首を取ったという経歴を持ち、政府への忠誠というより強者としての立場そのものに執着する人物です。エニエス・ロビーではルフィと激突し、単行本44巻の第427話で敗北しました。

カク

ガレーラカンパニーの一番船大工として振る舞っていた人物です。長い鼻と四角い顔が特徴で、船の目利きとしての腕も本物でした。作戦中にウシウシの実 モデル“麒麟”を食べさせられ、自分の変形した姿に本人が最も戸惑うという場面が印象に残ります。ドリキ2200で、剣術と六式を組み合わせた「嵐脚」の応用技を多用します。ゾロと交戦し、敗北しました。

ジャブラ

イヌイヌの実 モデル“狼”の能力者で、ドリキ2180。ルッチに次ぐ古参格でありながら、数値でカクにわずかに及ばないことを気にしている描写があります。芝居がかった同情を誘う話術で相手の隙を作る戦法を取りますが、サンジには通用せず敗れました。

ブルーノ

ドアドアの実の能力者で、空間そのものに扉を作り出せます。潜入と離脱を担当する立場で、この能力があるからこそCP9は施設内を自在に移動できました。ドリキ820。ルフィがギア2を初めて発動したのがこのブルーノ戦であり、単行本40巻の第387話から第388話にかけて描かれています。

クマドリ

悪魔の実の能力は持ちませんが、体内の生命エネルギーを自在に操る「生命帰還」の使い手です。歌舞伎の隈取を思わせる化粧と芝居がかった口調が特徴で、髪の毛を自在に操って攻撃します。ドリキ810。怪物化したチョッパーと戦い、敗北しました。

フクロウ

口を縫い合わせるチャックが特徴の情報収集担当です。秘密を守れない性格を自覚しており、そのために口を閉じているという設定になっています。ドリキ800で、鉄塊を極めた「鉄塊“空木”」で打撃を無効化する戦い方が得意です。フランキーに敗れました。

カリファ

アイスバーグ社長の秘書を務めていた人物で、CP9唯一の女性部員です。アワアワの実の能力者で、泡によって相手の力や身体の潤いを奪います。ドリキ630と部員中では低い数値ですが、力を削ぐ能力の性質上、相性次第では格上も無力化できます。ナミとの戦いで敗北しました。

ネロ

スパンダムが独断で加えた見習い部員です。六式のうち月歩を習得できておらず「四式」しか使えない状態で任務に投入されました。海列車でのフランキーとの戦いに敗れ、任務よりも私怨を優先したことをルッチに咎められ、指銃を受けて海へ落とされます。単行本39巻での出来事です。この一件はCP9という組織が仲間に対しても容赦しないことを端的に示す場面でした。

スパンダム

CP9の長官ですが、部員のような戦闘力は持ちません。父スパンダインのコネと出世欲で長官の座に上り詰めた人物で、ゾウゾウの実を食べた象剣ファンクフリードを愛用します。能力者は本人ではなく剣のほうである点は誤解されやすいところです。父スパンダインは22年前のオハラ事件当時のCP9長官であり、8歳のニコ・ロビンに懸賞金をかけた張本人でもあります。

元CP9のメンバー

本編で明確に「元CP9」と語られている人物も存在します。

名前 現在の立場 CP9を離れた経緯
フーズ・フー 百獣海賊団 飛び六胞 12年前、政府船でゴムゴムの実を護送中に赤髪海賊団に奪われ、その責任で収監された。第1017話で元CP9と判明
スパンダイン 引退 22年前のCP9長官。オハラのバスターコールを指揮した
ネロ 消息不明 ルッチによって海列車から落とされた

六式の一覧

CP9の部員が全員習得している超人的体技が六式です。悪魔の実の能力とは別に、肉体そのものを鍛え上げることで到達する技術体系として描かれています。

技名 読み 内容
指銃 シガン 指を硬化させ、弾丸のような速度で突き刺す攻撃技
鉄塊 テッカイ 全身の筋肉を硬直させ、肉体を鉄のように硬くする防御技
ソル 地面を瞬間的に何度も蹴り、消えたように見える高速移動
嵐脚 ランキャク 脚の振りで空気を斬撃に変えて飛ばす遠距離攻撃
紙絵 カミエ 体を紙のように脱力させ、攻撃をかわす回避技
月歩 ゲッポウ 空中を蹴って跳び、空を歩くように移動する技

そして六式すべてを極めた者だけが到達できる奥義が六王銃(ロクオウガン)です。両腕を相手に密着させ、防御を貫通する衝撃を体内に直接叩き込む技で、作中ではロブ・ルッチが使用しています。

各技には使い手ごとの派生形があり、剃を連続させた「剃刀」、鉄塊を打撃に転じた「鉄塊“空木”」、指銃を強化した「獅子指銃」などが登場します。基本の6つを土台に個人の戦闘スタイルへ展開していく構造になっているのが特徴です。

CP9からCP0へ その後の変遷

エニエス・ロビーで全滅したCP9は、責任をスパンダムに押し付けられる形で組織から切り離されます。しかし物語はそこで終わりませんでした。

段階 内容
1 エニエス・ロビーで麦わらの一味に敗北。任務失敗の責任を負わされる
2 扉絵連載「CP9の任務外報告」でセント・ポプラの町での日々が描かれる
3 スパンダムが父の権力でCP0の長官に就任する
4 ルッチたちがスパンダインと結んだ裏社会の組織を壊滅させ、CP0として復帰する
5 単行本80巻の第801話でルッチ、カク、スパンダムが再登場
6 単行本104巻の第1062話からのエッグヘッド編でルッチとカクが再びルフィと交戦

CP0はサイファーポールの中でも世界政府の最上位に位置する組織です。CP9が「政府にとって不都合な人物を消す部隊」だったのに対し、CP0はより上位の権限を持つ存在として描かれています。エッグヘッド編では、覚醒したルッチがギア5のルフィと対峙しました。

なお扉絵連載では、セント・ポプラの町で医療費を稼ぐためにジャブラがサーカスまがいの興行を打ち、カクが子供向けの滑り台代わりになり、カリファが街の清掃に従事するという、本編とはまるで違う一面も描かれています。

史実では? 実在した諜報機関の歴史

CP9のような「存在が公式には認められない情報機関」は、フィクション独自の発想ではありません。現実の国家も同種の組織を持ち、その多くは設立の経緯や廃止の理由まで記録に残っています。

各国の情報機関の設立年表

組織 備考
1909年 秘密情報部(後のMI6) イギリス 秘密情報局(Secret Service Bureau)として設立された
1919年 ブラック・チェンバー アメリカ 国務省と陸軍省が資金を出した暗号解読機関
1947年 CIA(中央情報局) アメリカ 国家安全保障法により、戦時のOSSを引き継ぐ形で発足
1949年 モサド イスラエル 建国の翌年に対外諜報機関として創設された
1954年 KGB(国家保安委員会) ソビエト連邦 ソ連解体まで国内保安と対外諜報の双方を担った

「紳士の仕事ではない」と廃止されたブラック・チェンバー

CP9の性格を考えるうえで特に興味深いのが、アメリカのブラック・チェンバーです。1919年に設立されたこの暗号解読機関は、ハーバート・オズボーン・ヤードリーを責任者とし、各国の外交暗号を解読していました。1920年代には日本の外交暗号の大半を解読していたと記録されています。

ところがこの組織は1929年、国務長官ヘンリー・スティムソンの意向で閉鎖されます。理由として伝えられているのが「紳士は他人の手紙を読まない」という趣旨の言葉でした。国家の情報機関が、道義的な理由で表向き解体されるという展開です。

そしてヤードリーは1931年、みずからの著書でその活動内容を公表しました。存在しないことになっていた組織が、当事者の手で世に出されるという結末です。

非公然組織という共通点

MI6も長らくイギリス政府が公式にはその存在を認めず、法的な位置づけが与えられたのは1994年の情報機関法によってでした。80年以上にわたって「存在しないことになっていた組織」が実務を続けていたわけです。CP9が世界政府に公式には認められていないという設定は、この構造をそのままなぞっています。

漫画と史実の違い

項目 『ONE PIECE』のCP9 現実の情報機関
存在の公表 世界政府が公式には認めていない MI6は1994年まで法的根拠を持たず、存在を認めていなかった
主任務 暗殺と実力行使 情報収集と分析が中心。暗号解読は主要業務のひとつ
構成員 六式を極めた超人的な戦闘要員 言語学者、数学者、外交官などの専門職が中核
組織の解体 敗北後に責任を負わされ、のちにCP0へ再編 ブラック・チェンバーは1929年に道義的理由で閉鎖
階層構造 CP1からCP9、さらに上位のCP0 国内保安と対外諜報で機関を分けるのが一般的

大きく違うのは戦闘力の比重です。現実の情報機関の中核は、暗号を解き、資料を読み、人脈を築く仕事です。CP9はそこに超人的な身体能力を加えることで、諜報組織を戦闘集団として成立させています。一方で、長期潜入して身分を偽り、必要があれば切り捨てられるという構造は、現実の記録とかなり近い部分です。

なぜCP9はここまで異質な組織として描かれたのか

CP9が読者に強い印象を残したのは、彼らが「悪の組織」として登場しなかったからです。ルッチもカクもカリファも、5年間ウォーターセブンの市民として生き、街の人々に受け入れられていました。その時間が嘘だったと明かされる瞬間が、この編の転換点になっています。

さらに彼らは私利私欲で動いているわけでもありません。世界政府という国家権力の意思を、法の外側で実行する立場です。悪意ではなく職務として麦わらの一味の前に立つからこそ、ルフィがエニエス・ロビーで世界政府の旗を撃たせるという選択に意味が生まれました。

そして敗北後、彼らは処分されるどころかCP0として復帰します。組織は個人の失敗で消えるわけではなく、権力の側にいる限り再び使われるという描き方です。現実の情報機関が名前と所属を変えながら存続してきた歴史とも重なる部分がここにあります。

CP9に関するよくある質問

CP9のメンバーは全部で何人ですか?

長官スパンダムと8人の諜報部員で構成されます。部員はロブ・ルッチ、カク、ジャブラ、ブルーノ、クマドリ、フクロウ、カリファ、そして見習いのネロです。

CP9で一番強いのは誰ですか?

ロブ・ルッチです。ドリキ4000という数値は部員の中で突出しており、六式の奥義である六王銃を使えるのも作中ではルッチだけです。

六式にはどんな技がありますか?

指銃、鉄塊、剃、嵐脚、紙絵、月歩の6つです。これらすべてを極めた者だけが奥義の六王銃を放てるとされています。

CP9のメンバーは死亡しましたか?

エニエス・ロビーで敗北しましたが、死亡は描かれていません。その後CP0として復帰しており、ルッチとカクは新世界編でも登場しています。

ルフィがルッチを倒したのは何巻何話ですか?

単行本44巻の第427話です。なおウォーターセブンでの初戦では、単行本37巻でルフィが敗れています。

ネロはどうなりましたか?

月歩を習得できていない見習いとして任務に加わりましたが、フランキーに敗れたあと、任務を見失ったことをルッチに咎められ、指銃を受けて海へ落とされました。単行本39巻での出来事です。

CP9とCP0の違いは何ですか?

CP9は世界政府が公式には存在を認めていない暗殺許可を持つ機関で、CP0はサイファーポールの中でさらに上位に位置する組織です。エニエス・ロビーの敗北後、元CP9のメンバーはCP0として復帰しました。

スパンダムは悪魔の実の能力者ですか?

本人は能力者ではありません。愛用する象剣ファンクフリードがゾウゾウの実を食べた能力者です。長官でありながら部員のような戦闘力は持っていません。

元CP9のメンバーは他にもいますか?

百獣海賊団の飛び六胞であるフーズ・フーが元CP9です。12年前にゴムゴムの実を護送中に奪われ、その責任で収監されました。第1017話でこの過去が明かされています。

CP9は実在の組織がモデルですか?

特定の組織がモデルであると公表されてはいません。ただし、存在を公式に認められない情報機関という点では、1994年まで法的根拠のなかったMI6や、1929年に閉鎖されたアメリカのブラック・チェンバーなど、現実にも近い構造の組織が記録されています。

まとめ

  • CP9は長官スパンダムと8人の部員からなる、世界政府が公式には認めていない諜報機関
  • 部員は全員が六式(指銃・鉄塊・剃・嵐脚・紙絵・月歩)の使い手で、奥義の六王銃を使えるのはルッチのみ
  • ルフィがルッチを倒したのは単行本44巻の第427話
  • 敗北後、彼らはCP0として復帰し、エッグヘッド編でも登場している
  • 存在を認められない情報機関という設定は、MI6やブラック・チェンバーなど現実の組織の歴史とも重なる

5年間ウォーターセブンの住人として暮らした男たちが、任務のためにその全てを捨てる。CP9という組織が印象に残るのは、彼らが強かったからだけではありません。現実の情報機関がたどってきた歴史を知ると、この設定の輪郭がもう少し鮮明に見えてきます。

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この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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