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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』黒羊丘の戦い(41巻から45巻)の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

『キングダム』で桓騎という将軍の本質が最もはっきり出たのが、黒羊丘(こくようきゅう)の戦いです。飛信隊が桓騎の指揮下に入り、その戦い方を間近で見ることになった戦役でもあります。

この記事では、黒羊丘の戦いが何巻何話から何話までなのか、誰が死んで誰が生き残ったのかを整理します。あわせて、この戦いが史実にあるのかも確認しました。

結論

  • 収録は単行本41巻・第441話から45巻・第484話です。約5巻分にわたる戦役です。
  • 結果は秦軍の勝利です。桓騎が総大将を務めました。
  • 趙側の慶舎が戦死しています。44巻・第472話で信に討たれました。
  • 紀彗は生存しています。民を守るために撤退を選んだ結果の敗北でした。

黒羊丘の戦いとは

森に覆われた丘陵地のイメージ
黒羊丘は密林に覆われた丘陵地として描かれます(画像はイメージです)
収録 単行本41巻・第441話から45巻・第484話
秦軍 総大将は桓騎。飛信隊、楽華隊などが参加
趙軍 慶舎、紀彗。李牧の指揮下
戦場 黒羊丘。密林に覆われた丘陵地
結果 秦軍の勝利

黒羊丘は、密林と丘陵が入り組んだ特殊な地形として描かれます。見通しが利かず、大軍が正面からぶつかる形になりません。この地形が、待ち伏せと分断を得意とする慶舎に有利に働きました。

両軍の主要人物

陣営 人物 役割 結末
桓騎 総大将 生存。のちに69巻で戦死
信(飛信隊) 桓騎の指揮下で参戦 慶舎を討ち取る
那貴 桓騎軍の千人将 戦後に飛信隊へ移籍
慶舎 「沈黙の狩人」。李牧の愛弟子 44巻・第472話で信に討たれる
紀彗 離眼城の城主 生存。撤退を選ぶ

慶舎|沈黙の狩人

趙軍の中心にいたのが慶舎です。三大天・李牧が自ら育てた愛弟子で、罠を張って敵の失敗を待つという特異な戦い方をする本能型の将でした。

李牧は本能型の武将で最も恐ろしいのは慶舎だと述べています。合従軍編では麃公を罠にはめ、黒羊丘の初日には桓騎軍を分断してみせました。

その慶舎が、戦いの4日目に信との一騎打ちで討たれます。単行本44巻・第472話です。信が「将軍首」を積み上げていく過程で、最も格上の相手のひとりでした。

紀彗|民を守るために退いた将

もうひとりの趙将が、離眼城の城主・紀彗です。武勇と知略を兼ね備えた将でありながら、何よりも「離眼の城主」であることを優先する人物として描かれます。

黒羊丘で紀彗は桓騎に脅迫されました。離眼の民を人質に取られる形で、撤退を選ばざるを得なくなります。これが趙軍の敗北につながりました。

この判断から「紀彗は無能だったのでは」という見方が生まれていますが、彼は生存しており、その後も朱海平原や番吾の戦いで趙軍の主力として戦い続けています。

桓騎という将軍の戦い方

この戦役が重要なのは、桓騎のやり方が正面から描かれたからです。

桓騎はもともと野盗の首領であり、正規の軍人としての経歴を持ちません。城を落とすことにかけては秦軍屈指でありながら、その手法は常識の外にあります。黒羊丘では、敵将の弱点である「民」を突くという方法が取られました。

戦場の外にいる人間を戦術に組み込む。武将同士の力比べという枠組みを壊すこの発想が、桓騎という人物の本質です。

飛信隊が見たもの

信たちはこの戦いで、桓騎の指揮下に入っていました。勝つためなら何をしてもいいのか。この問いが飛信隊に突きつけられた戦役でもあります。

結果として、桓騎軍の千人将だった那貴が戦後に飛信隊へ移籍しました。桓騎のやり方の外側にも戦い方があると知り、そちらを見てみたいと考えたためです。桓騎もこれを認めています。

那貴はのちに、桓騎が李牧に包囲された肥下の戦いで飛信隊を離れ、桓騎のもとへ戻る道を選んで戦死しました(69巻・第752話)。黒羊丘での移籍が、その伏線になっています。

戦いの流れ

段階 内容
初日 慶舎が密林の地形を使って桓騎軍を分断する
中盤 飛信隊が慶舎の本陣を探り、消耗戦になる
4日目 信が慶舎を討ち取る(44巻・第472話)
終盤 桓騎が紀彗を脅迫し、離眼の民を盾に撤退させる
決着 秦軍が黒羊丘を制圧する(45巻・第484話まで)

離眼の悲劇|紀彗が背負っていたもの

紀彗が撤退を選んだ理由は、この将軍の過去にあります。

離眼はかつて、城主が民を見捨てたことで大きな犠牲を出した過去を持つ城です。紀彗の父・紀昌が先代の城主であり、その記憶が紀彗の行動原理になっています。城主とは民を守る者である。この一点が、紀彗のすべての判断を説明します。

桓騎はそこを正確に突きました。武将として勝つか、城主として民を守るか。二択にした時点で、紀彗が選ぶ側は決まっていたことになります。

この戦い方が卑劣かどうかは読者によって割れます。ただ確実なのは、桓騎が相手の強さではなく相手の大切なものを見ていたという点です。

黒羊丘が桓騎の物語で果たした役割

黒羊丘の戦いは、桓騎という人物を理解するうえで欠かせない位置にあります。

戦い 桓騎が見せたもの
合従軍編 函谷関の守備。まだ将軍のひとりという扱い
黒羊丘の戦い 民を人質に取る手法。常識の外にある戦い方が正面から描かれる
平陽の戦い 降伏兵10万を斬首する。史実の記述と地続きの描写
宜安・肥下の戦い 李牧の包囲網に捕まり、69巻で討たれる

黒羊丘で示された手法は、その後の平陽での虐殺につながっていきます。読者が桓騎に対して抱く感情が複雑になっていくのは、この積み重ねがあるからです。

そして最後には、その桓騎のために飛信隊を離れて死んだ那貴という人物が置かれました。黒羊丘で移籍した男が、69巻で戻っていく。この戦役は、桓騎軍という部隊の終わり方まで含めて設計されています。

史実では? 黒羊丘の戦いは記録にない

黒羊丘という戦場も、この戦いも史実の記録にはありません。紀彗という将軍も、離眼という城も同様です。いずれも作品独自の創作です。

一方で、慶舎は実在します。『史記』趙世家に、紀元前256年に秦軍を破った記録と、紀元前240年に黄河の橋を守った記録が残っています。ただし最期についての記録はありません。

項目 『キングダム』 史実
黒羊丘の戦い 41巻から45巻の戦役 この名の戦いは記録に残っていない
慶舎 李牧の愛弟子。信に討たれる 実在。『史記』趙世家に記録があるが最期は不明
紀彗 離眼城の城主 該当する記録はない
桓騎 黒羊丘を制圧する 桓齮として実在。平陽で趙軍を大破した記録がある

史実の秦と趙は、この時期に国境で戦いを繰り返しています。黒羊丘の戦いは、その記録されなかった攻防の一つとして造形されたものと考えられます。

アニメでは第何シリーズか

この戦役は、アニメでは第5シリーズにあたります。

主な巻 43巻
アニメ 第5シリーズ
そのシリーズの内容 黒羊丘の戦い

アニメは原作の話をそのまま順番に並べているわけではありません。巻の区切りとシリーズの区切りは完全には一致しないため、目安として捉えてください。

シリーズごとの原作範囲はアニメと原作の対応表にまとめています。

黒羊丘の戦いに関するよくある質問

黒羊丘の戦いは何巻何話ですか?

単行本41巻・第441話から45巻・第484話までです。約5巻分にわたります。

黒羊丘の戦いの結果はどうなりましたか?

秦軍の勝利です。桓騎が総大将を務め、黒羊丘を制圧しました。

慶舎が死亡するのは何巻何話ですか?

単行本44巻・第472話です。戦いの4日目、信との一騎打ちに敗れました。

紀彗は死亡しましたか?

していません。離眼の民を守るために撤退を選び、その後も趙軍の将として戦い続けています。

桓騎は何をしたのですか?

紀彗を脅迫し、離眼の民を人質に取る形で撤退させました。戦場の外にいる人間を戦術に組み込むという、桓騎らしい手法です。

慶舎はなぜ「沈黙の狩人」と呼ばれるのですか?

戦場全体に見えない網を張り、敵が判断を誤るまで動かない戦い方によるものです。李牧は本能型で最も恐ろしいのは慶舎だと述べています。

那貴が飛信隊に移ったのはこの戦いですか?

そうです。黒羊丘の戦いの後、那貴が自ら移籍を願い出て、桓騎もこれを認めました。単行本45巻前後の展開です。

黒羊丘の戦いは史実にありますか?

ありません。黒羊丘という戦場も紀彗という将軍も、作品独自の創作です。

慶舎は史実に実在しましたか?

実在します。『史記』趙世家に、紀元前256年に秦軍を破った記録と紀元前240年に黄河の橋を守った記録がありますが、最期については記されていません。

飛信隊はこの戦いで何を得たのですか?

桓騎のやり方を間近で見る経験です。勝つためなら手段を選ばないという戦い方に触れ、その是非を突きつけられました。

まとめ

  • 黒羊丘の戦いは単行本41巻・第441話から45巻・第484話
  • 結果は秦軍の勝利。総大将は桓騎
  • 趙の慶舎は44巻・第472話で信に討たれた
  • 紀彗は生存。離眼の民を守るために撤退を選んだ
  • 桓騎は民を人質に取る手法で戦いを決着させた
  • 戦後、桓騎軍の那貴が飛信隊へ移籍した
  • 黒羊丘は創作の戦場だが、慶舎は史実に実在する

勝つためなら戦場の外まで使う。桓騎という将軍の輪郭がはっきり出た戦いでした。飛信隊がその隣で戦っていたことが、以後の信の判断にも影を落としていきます。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。