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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』本編、特に単行本64巻前後の平陽の戦いに関するネタバレが含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。

『キングダム』に登場する趙の将軍「こちょう」。桓騎の前に立ちはだかり、桓騎軍にとって最も苦い戦いをもたらした相手です。

まず表記について、はっきりさせておく必要があります。この人物の正しい表記は「扈輒」であり、「胡蝶」ではありません。読みが同じため検索で混ざりやすいのですが、『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶとはまったく無関係の人物です。この記事では、扈輒が作中でどうなったのか、そして史実に実在した人物なのかを整理します。

結論

  • 扈輒は作中で死亡しています。平陽の戦いで桓騎軍に敗れ、自ら首を切ったうえで桓騎へ突撃し、討たれました。
  • 死亡が描かれたのは第694話で、単行本64巻に収録されています。64巻には第691話から第701話までが収録されています。
  • 扈輒は史実に実在した趙の将軍です。紀元前234年、秦の桓齮に敗れて戦死したと『史記』に記録されています。

なお、この人物は「ふてい」と読まれて検索されることもあります。正しい読みは「こちょう」です。

扈輒(こちょう)のプロフィール

古代中国の城壁が山あいに続く風景のイメージ
趙の首都・邯鄲は現在の中国河北省邯鄲市にあたります(画像はイメージです)
名前 扈輒(こちょう)
所属 趙国
立場 趙軍の総大将。平陽の戦いで24万の軍を率いる
異名 邯鄲の守護者
特徴 知略に長けた将。相手の心理を突く戦い方をする
初登場 鄴攻略戦のあと、秦軍が鄴に入城した直後の場面
結末 平陽の戦いで敗れ、第694話で死亡
史実のモデル 趙の将軍・扈輒(実在)

扈輒は趙の首都・邯鄲を守る立場にある将軍として登場します。武勇一辺倒の将ではなく、敵の心理に踏み込んで揺さぶりをかける戦い方が特徴です。桓騎という相手に対して、これは非常に有効に働きました。

「胡蝶」と「扈輒」の混同について

検索では「キングダム 胡蝶」「キングダム こちょう」という形で調べられることが多いのですが、正しい表記は扈輒です。混同が起きやすい理由を整理しておきます。

表記 読み 正体
扈輒 こちょう 『キングダム』に登場する趙の将軍。本記事の主題
胡蝶 こちょう ちょうちょうを指す語。人名としては『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ・胡蝶カナエなどが有名

読みが同じで、どちらも漫画に登場する人物名であることから混ざりやすくなっています。『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶは鬼殺隊の蟲柱であり、『キングダム』の扈輒とは作品も時代もまったく別です。両者に関連はありません。

また「扈輒」という字は日常であまり使わないため、変換で「胡蝶」が出てしまうという事情もあります。作品名と合わせて検索する際は「キングダム 扈輒」と入力すると、目的の情報にたどり着きやすくなります。

扈輒の最期は何巻何話? 平陽の戦い

扈輒が登場するのは、鄴攻略戦のあとに始まる平陽の戦いです。この戦いは、桓騎という将軍にとって作中最大の転機になりました。

段階 内容
開戦 桓騎軍およそ8万に対し、扈輒軍はおよそ24万。兵力差はおよそ3倍
雷土の捕縛 桓騎軍の雷土が扈輒軍に捕らえられ、拷問を受ける。第686話前後
桓騎の反撃 摩論らによる情報戦で、王翦軍が接近しているという偽情報を流し、趙兵を投降へ誘導する
扈輒の死 第694話。追い詰められた扈輒は自ら首を切り、そのうえで桓騎へ突撃して討たれる
その後 第695話「箱」で雷土の遺体が桓騎のもとへ届く。桓騎は降伏した趙兵を大量に処刑する

扈輒が桓騎に仕掛けたこと

扈輒の戦い方で最も効いたのは、桓騎個人への攻撃でした。捕らえた雷土に対して拷問を加え、その様子を桓騎に突きつけるという形です。

桓騎は野盗上がりの将であり、部下との関係が通常の軍のそれとは違います。扈輒はそこを狙いました。兵力で押し切るのではなく、桓騎という個人が何に反応するかを見て手を打っています。「邯鄲の守護者」と呼ばれる将が、これほど陰湿な手段を選んだという点が、この戦いの後味を決定づけました。

扈輒の最期

桓騎軍の情報戦によって趙兵の投降が相次ぎ、扈輒は総大将でありながら孤立します。取り囲まれた扈輒は、敵に辱めを受けるわけにはいかないとして自ら首を切りました。

そのうえで馬を駆り、桓騎へ向かって突撃します。片腕を斬り落とされ、矛で突かれて落馬し、そこで絶命しました。自害と討死のどちらとも言い切れない、あいまいな終わり方です。総大将としての体面を守ろうとした行動が、結果として最も無残な形になってしまったとも読めます。

そして十万人の処刑へ

扈輒の死後、桓騎は降伏した趙兵を大量に処刑します。第695話「箱」で雷土の遺体が届けられたことが、この判断に直結しました。

この場面は史実の記述とも重なります。後述するとおり、史記には平陽の戦いで10万人が斬首されたという記録が残されており、作中の描写はこの記録に肉付けをする形で組み立てられています。

史実では? 実在した趙の将軍・扈輒

ここからは差別化のパートです。扈輒は実在の人物です。『キングダム』の創作人物ではありません。

『史記』に残る記録

項目 内容
生没年 生年不明。紀元前234年に死亡
仕えた王 趙の幽繆王
敗死した戦い 平陽の戦い(紀元前234年、幽繆王2年)
相手 秦の将軍・桓齮
損害 10万人が斬首されたと記録されている
出典 『史記』秦始皇本紀、六国年表、趙世家、廉頗藺相如列伝

紀元前234年、秦の桓齮が趙の平陽・武城を攻撃しました。趙は扈輒を将として平陽の救援に向かわせますが、秦軍はこれを破って扈輒を討ち取り、10万の趙兵を斬首したと記されています。

ただし史料の記述には食い違いがあります。『史記』の廉頗藺相如列伝では、扈輒が敗れて戦死したのは平陽ではなく武遂だと記されています。同じ『史記』の中で場所の記述が一致していないため、正確な戦死の地には幅を持たせて考える必要があります。

扈輒の死後に起きたこと

扈輒の敗死は、趙にとって一連の敗北の始まりでした。史実の流れを年表にすると次のようになります。

できごと
紀元前234年 平陽の戦い。桓齮が扈輒を討ち、10万を斬首する
紀元前233年 桓齮が再び出兵し、赤麗・宜安を占領。秦軍が邯鄲に迫る
紀元前233年 肥下の戦い。北の国境から呼び戻された李牧が桓齮を大破する。秦の統一戦争における最初の敗北
その後 番吾の戦いでも李牧が秦軍を破る。李牧は武安君に封じられる
紀元前229年ごろ 秦が郭開に賄賂を送り讒言させ、李牧が誅殺される
紀元前228年ごろ 趙が滅亡する

つまり、扈輒が敗れたことで趙は李牧を南に呼び戻さざるを得なくなり、その李牧が桓齮を破ります。扈輒の死は、結果として李牧と桓齮の直接対決を呼び込んだわけです。作中で桓騎が最終的に李牧に敗れる流れは、この史実の順序をなぞっています。

漫画と史実の違い

項目 『キングダム』 史実
扈輒の存在 趙軍の総大将。邯鄲の守護者と呼ばれる 実在。趙の幽繆王に仕えた将軍
敗死の年 紀元前234年の武城・平陽攻略戦として描かれる 紀元前234年(幽繆王2年)
戦死の場所 平陽方面 秦始皇本紀では平陽、廉頗藺相如列伝では武遂と記述が分かれる
死に方 自ら首を切ったうえで突撃し、討たれる 敗死とのみ記録され、詳細は伝わっていない
10万人の斬首 桓騎が降伏兵を処刑する場面として描かれる 10万人が斬首されたという記録が残る。経緯の詳細は不明
雷土との因縁 捕縛と拷問が桓騎の報復動機になる 雷土は作品独自の人物であり、対応する記録はない

注目したいのは10万人の斬首です。史実には数字だけが残っており、なぜそうなったのかは書かれていません。作品はその空白に、雷土の死という動機を置きました。史実の記録を否定せずに、そこへ至る筋道を作るという構成になっています。

なぜ扈輒はこのように描かれたのか

扈輒は、桓騎という将軍を描くために置かれた相手です。それまでの桓騎は、残虐でありながらどこか読み切れない、圧倒的な立場の側にいました。その桓騎を初めて感情の側へ引きずり出したのが扈輒です。

手段としては陰湿で、正々堂々からは程遠いものでした。しかしその方法でしか桓騎には届かなかったとも言えます。力でも策でもなく、部下という一点を突く。趙という国が秦に対して劣勢であるほど、こうした手段を選ばざるを得ないという構図も同時に描かれています。

そして史実の側を見ると、扈輒は10万という数字とともにしか記録されていません。人物像はほとんど伝わっていないのです。作中で扈輒に濃い性格が与えられているのは、その空白を埋めるためでもあります。名前と敗北の記録しか残っていない将軍に、桓騎と正面から噛み合う人格を与えた。この作品が史実に対して行っている作業が、扈輒という人物にはよく表れています。

アニメではまだ描かれていない

この場面は単行本64巻にあたります。

2026年8月の時点で、アニメはここまで進んでいません。第6シリーズが鄴攻略編の序盤から中盤までを描いた段階で、続きは続編で扱われることになります。

単行本 64巻
アニメ 2026年8月時点で未放送
放送済みの最新 第6シリーズ。原作46巻の第490話から朱海平原の戦いの中盤まで

続編の制作は決定していますが、放送時期は公表されていません。シリーズごとの原作範囲はアニメと原作の対応表にまとめています。

扈輒(こちょう)に関するよくある質問

キングダムの扈輒は死亡しますか?

死亡します。平陽の戦いで桓騎軍に敗れ、自ら首を切ったうえで桓騎へ突撃し、片腕を斬られて討たれました。

扈輒が死亡するのは何巻何話ですか?

第694話です。単行本では64巻に収録されています。64巻には第691話から第701話までが収録されています。

扈輒を倒したのは誰ですか?

桓騎です。ただし直接の致命傷は扈輒自身が首を切ったものであり、そのうえで突撃したところを桓騎に討たれるという形でした。

扈輒は「胡蝶」ではないのですか?

違います。正しい表記は「扈輒」です。読みが同じであるため混同されやすいのですが、「胡蝶」はちょうちょうを指す語であり、『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶとも無関係です。

扈輒は史実に実在しましたか?

実在します。趙の幽繆王に仕えた将軍で、紀元前234年に秦の桓齮に敗れて戦死したと『史記』に記録されています。

史実の扈輒はどこで戦死したのですか?

記述が分かれています。『史記』秦始皇本紀では平陽方面の戦いとされていますが、廉頗藺相如列伝では武遂で戦死したと記されています。

10万人の斬首は史実ですか?

『史記』に10万人が斬首されたという記録があります。ただし、その経緯や理由については記されていません。作中で描かれた動機は作品の解釈です。

平陽の戦いの兵力差はどれくらいでしたか?

作中では桓騎軍がおよそ8万、扈輒軍がおよそ24万として描かれています。およそ3倍の兵力差でした。

雷土は史実に実在しますか?

実在しません。桓騎軍の面々は作品独自の人物であり、扈輒に捕らえられて拷問を受けたという経緯にも史実の記録はありません。

扈輒の死後、趙はどうなりましたか?

翌年の紀元前233年、桓齮がさらに侵攻して赤麗・宜安を占領しますが、北から呼び戻された李牧が肥下の戦いで桓齮を大破します。これが秦の統一戦争における最初の敗北でした。

まとめ

  • 正しい表記は「扈輒」であり「胡蝶」ではない。『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶとは無関係
  • 扈輒は第694話(単行本64巻)で死亡している
  • 自ら首を切ったうえで桓騎へ突撃し、討たれるという最期だった
  • 史実に実在した趙の将軍で、紀元前234年に秦の桓齮に敗れて戦死した
  • 史実には10万人が斬首されたという記録が残るが、その経緯は書かれていない

扈輒について史実が伝えているのは、名前と敗北と、10万という数字だけです。その数字の裏側に何があったのかを描いたのが、作中の平陽の戦いでした。史実の側の記述がいかに素っ気ないかを知ってから読み返すと、この戦いの重さが変わって見えてきます。

続きは単行本で

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この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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