猗窩座(あかざ)の死亡シーンは18巻156話|最後は誰に倒されたか・恋雪との過去と技名の花火由来を解説【鬼滅の刃】
この記事には『鬼滅の刃』単行本18巻までの展開と、猗窩座の人間時代の過去に関する内容が含まれます。
『鬼滅の刃』の上弦の参・猗窩座(あかざ)は、無限列車編で炎柱・煉獄杏寿郎を死に追いやった鬼です。強さだけを求め、弱者を見下し、柱を「素晴らしい」と讃えながら殺そうとする。その振る舞いだけを見れば、読者にとって最も許しがたい鬼のひとりでした。
ところが無限城編で猗窩座が倒される場面は、鬼滅の刃全体でも屈指の悲劇として語られます。理由は、人間だった頃の名前と、恋雪(こゆき)という女性の存在にあります。この記事では猗窩座の最期が何巻何話なのか、誰に倒されたのか、そして恋雪と狛治の過去に何が起きたのかを整理します。あわせて、猗窩座の技名がすべて花火に由来していること、腕の入墨が江戸時代の実在した刑罰であることまで踏み込みます。
結論
- 猗窩座は単行本18巻・第156話「ありがとう」で消滅します。戦いそのものは17巻の第146話あたりから始まり、11話ほどかけて描かれました。
- 倒したのは竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇の二人です。ただし最後の一撃は猗窩座自身が自分に向けたもので、彼は再生を拒んで自ら消えました。
- 恋雪は猗窩座が人間だった頃の許嫁で、井戸に毒を入れられて父の慶蔵とともに殺されています。この出来事が、狛治という人間を猗窩座という鬼に変えました。
猗窩座のプロフィール

| 名前 | 猗窩座(あかざ) |
|---|---|
| 人間時代の名前 | 狛治(はくじ) |
| 階級 | 十二鬼月・上弦の参 |
| 血鬼術 | 破壊殺(はかいさつ)。術式展開と羅針で相手の闘気を読む |
| 戦闘スタイル | 刀を使わない徒手空拳。素流という体術がもと |
| 特徴 | 強者を求め弱者を見下す。女性は絶対に殺さない |
| 倒した柱 | 炎柱・煉獄杏寿郎(8巻・第66話で致命傷を与える) |
| 最期 | 18巻・第156話。炭治郎と冨岡義勇との戦いの末に自ら消滅 |
猗窩座は上弦の鬼の中でも珍しく、武器を一切使いません。素手と脚だけで柱を圧倒する体術型の鬼です。この戦い方は人間だった頃に習った素流という体術に由来しており、鬼になっても身体が覚えていた動きでした。
また猗窩座には、鬼舞辻無惨から何度指示されても女性を食べないという一貫した行動があります。本人にその理由の記憶はありません。この不可解な習性の正体こそが、記事後半で扱う恋雪の存在です。
猗窩座の最期は何巻何話?
猗窩座が消滅するのは単行本18巻・第156話「ありがとう」です。翌話の第157話「舞い戻る魂」で、消えたあとの猗窩座の魂が描かれます。
戦いの開始は17巻の第146話前後で、無限城に落とされた炭治郎の前に猗窩座が現れる場面からです。決着まで11話ほど費やしており、鬼滅の刃の対上弦戦としてもかなり長い部類に入ります。
猗窩座戦の流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 17巻・第146話ごろ | 無限城で炭治郎の前に猗窩座が現れる。煉獄を殺した相手との再会 |
| 17巻後半 | 冨岡義勇が合流。二人がかりでも猗窩座の再生に押し切られそうになる |
| 18巻・第152話「透き通る世界」 | 炭治郎が透き通る世界に到達し、猗窩座の動きを見切りはじめる |
| 18巻・第154話「懐古強襲」 | 猗窩座の人間時代の記憶が引き出されていく |
| 18巻・第155話「役立たずの狛犬」 | 狛治としての過去が本格的に描かれる |
| 18巻・第156話「ありがとう」 | 猗窩座が再生を拒み、自らに技をかけて消滅する |
| 18巻・第157話「舞い戻る魂」 | 消滅後の魂の描写。恋雪との再会が描かれる |
18巻の話数タイトルを並べると、この戦いが「猗窩座を倒す話」ではなく「狛治を思い出させる話」として構成されていることがわかります。第154話の「懐古」、第155話の「狛犬」という言葉は、いずれも人間時代を指しています。
猗窩座を倒したのは誰?
猗窩座を追い詰めたのは竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇の二人です。
炭治郎はこの戦いの最中に透き通る世界へ到達し、日の呼吸の技で猗窩座の頸を斬ります。ただし猗窩座の再生能力は上弦の中でも突出しており、斬られた頸はその場で再生を始めました。そこへ冨岡義勇が折れた刀を投げ、頸を地面に落とし切ります。
ところが猗窩座はそれでも死にませんでした。頸を失ったまま身体が動き出し、上弦の鬼としては例外的な「頸を斬られても死なない」状態に踏み込みます。ここで力尽きかけた炭治郎を義勇がかばい、消耗戦になりました。
最後にとどめを刺したのは猗窩座自身
決着をつけたのは剣士の刃ではありません。頸を斬られた衝撃で人間だった頃の記憶が戻り、自分が何をしてきたのかを思い出した猗窩座は、再生をやめて自分自身に技をかけました。
つまり、猗窩座は倒されたというより、自ら消えることを選んだ鬼です。剣士に負けたのではなく、狛治という人間に戻ったことで鬼であり続けられなくなった。この構造が、猗窩座の最期が悲劇として語られる理由になっています。
恋雪と狛治の過去に何があったのか
猗窩座の人間時代の名前は狛治(はくじ)です。江戸の生まれで、病気の父の薬代を工面するためにスリを繰り返していました。
しかし父は、自分のために息子が罪を重ねていることに耐えられず、自ら命を絶ちます。狛治は江戸を追われ、行き場を失いました。
慶蔵と恋雪との出会い
その狛治を拾ったのが、素流という体術の道場を営む慶蔵(けいぞう)でした。慶蔵には恋雪(こゆき)という病弱な娘がいます。狛治は道場で体術を学びながら、恋雪の世話をするうちに互いに惹かれ合い、やがて祝言をあげる話まで進みました。
| 人物 | 狛治との関係 |
|---|---|
| 狛治の父 | 病を抱えており、息子が薬代のために罪を重ねたことを悔いて自死する |
| 慶蔵 | 素流の道場主。行き場のない狛治を拾い、体術を教え、娘との縁組も認めた |
| 恋雪 | 慶蔵の娘。病弱だが狛治の看病で回復に向かい、狛治の許嫁となる |
井戸に毒を入れられた事件
ところがこの縁組を快く思わない人物がいました。近隣の剣術道場の後継ぎです。恋雪に想いを寄せていたその男は、狛治には力で勝てないと判断し、道場の井戸に毒を入れます。
狛治が留守にしていた間に、慶蔵と恋雪はその水を口にして命を落としました。二人が同時に死んだのは、道場の飲み水が井戸ひとつだったためです。
戻ってきた狛治は事情を知り、隣の道場へ向かいます。そして後継ぎを含む門下生67人を素手で殺しました。その凄惨な現場を鬼舞辻無惨が目にし、狛治を鬼に変えます。
鬼になった狛治は人間だった頃の記憶を失い、猗窩座になりました。ただし記憶が消えても、女性を殺さないという行動だけは残り続けます。恋雪と慶蔵を失った男が、無自覚のまま守り続けた最後の一線でした。
猗窩座の技(破壊殺)一覧
猗窩座の血鬼術は破壊殺と呼ばれます。術式展開で雪の結晶のような紋様を地面に描き、その中心にある羅針で相手の闘気の方向を読み取る仕組みです。
| 技名 | 読み・概要 |
|---|---|
| 破壊殺・羅針 | らしん。術式展開の中心。相手の闘気の位置を読み取る |
| 破壊殺・空式 | くうしき。拳圧そのものを飛ばす遠距離攻撃 |
| 破壊殺・乱式 | らんしき。連続した拳撃を叩き込む |
| 破壊殺・滅式 | めっしき。強烈な一撃を放つ大技 |
| 破壊殺・脚式 冠先割 | かむろさきわり。踵を振り下ろす蹴撃 |
| 破壊殺・脚式 流閃群光 | りゅうせんぐんこう。連続した蹴りを繰り出す |
| 破壊殺・脚式 飛遊星千輪 | ひゆうせいせんりん。跳躍から放つ蹴撃 |
| 破壊殺・砕式 万葉閃柳 | まんようせんりゅう。上方から打ち下ろす拳撃 |
| 破壊殺・鬼芯八重芯 | きしんやえしん。至近距離での多重の打撃 |
| 終式・青銀乱残光 | せいぎんらんざんこう。猗窩座の最終奥義 |
「かむろさきわり」という読みで検索されることが多い冠先割も、この破壊殺の脚式のひとつです。技名の並びを見て気づくのは、冠、千輪、柳、乱、残光といった言葉がすべて打ち上げ花火の用語だという点です。この点は次の章で史実側から確認します。
史実では? 猗窩座の技名は実在の花火用語だった
『鬼滅の刃』は大正時代を舞台にした創作ですが、猗窩座をめぐる設定には、実際の江戸から明治にかけての文化がはっきりと下敷きにされています。ここが猗窩座というキャラクターの読み解きどころです。
技名に使われている花火の名称
打ち上げ花火には、開き方や光の落ち方によって古くからの呼び名があります。猗窩座の技名に含まれる語は、そのまま実在する花火の分類名です。
| 花火の名称 | 実際の意味 | 該当する技 |
|---|---|---|
| 冠(かむろ) | 星が長く燃え続け、大きな輪を描きながら流れ落ちる花火。おかっぱ頭の「禿(かむろ)」に形が似ていることが名の由来とされる | 脚式 冠先割 |
| 千輪(せんりん) | 玉が割れたあと、中から出た小玉が時間差で一斉に開く仕掛け花火。小さな光の花が満開になる | 脚式 飛遊星千輪 |
| 柳(やなぎ) | 柳の枝が垂れるように光が落ちてくる花火。色が変化する彩色柳もある | 砕式 万葉閃柳 |
つまり猗窩座は、花火の名前で技を呼ぶ鬼です。人間だった頃、恋雪と花火を見た記憶が技名に残っている。設定として説明されるのではなく、技名という形で最初から示されていたことになります。
江戸の花火の歴史
日本の川開き花火の起源としてよく挙げられるのが、享保18年(1733年)5月28日の両国の川開きです。前年の飢饉と疫病の死者を弔い、悪病退散を祈る目的で花火が上げられたと伝わります。打ち上げを担ったのは花火師の鍵屋でした。
その後、鍵屋から暖簾分けした玉屋が加わり、両国橋を境に上流を玉屋、下流を鍵屋が受け持って腕を競います。花火を見た観客が「たまや」「かぎや」と声を上げる習慣は、このときの屋号の呼び分けが元になっています。
猗窩座の技名の由来をたどると、死者を弔うために上げられた花火という出発点に行き着きます。恋雪と慶蔵を弔えないまま鬼になった男の技が、弔いの花火の名を持っている。狙って組まれた対応かどうかは明言されていませんが、符合していることは確かです。
腕の入墨は実在した刑罰
猗窩座の腕には線状の模様があります。これは鬼になった証ではなく、人間だった狛治のときから入っていた前科者の入墨です。
江戸時代の入墨刑は、主に盗みを働いた者に科された刑罰でした。公的に成文化されたのは享保5年(1720年)、8代将軍・徳川吉宗による享保の改革のときです。残虐だとして批判された耳そぎ、鼻そぎに代わる刑として『公事方御定書』に採用されました。
| 項目 | 史実の入墨刑 |
|---|---|
| 成文化 | 享保5年(1720年)2月。徳川吉宗の享保の改革による |
| 対象 | 主に盗犯。耳そぎ・鼻そぎより罪の軽い者に科された |
| 場所と形 | 江戸では腕の関節の下に幅三分(約9ミリ)の線を二本入れるのが一般的 |
| 再犯 | 罪を重ねるたびに線が増えていく |
| 地域差 | 藩によっては額に彫る例もあり、形や位置でどこで罪を犯したか判別できた |
スリで捕まった狛治の腕に線が入れられ、その線が罪を重ねるたびに増えていくという描写は、この制度をそのまま踏まえたものです。猗窩座の腕の模様は、鬼としての装飾ではなく、消せない前科の記録として最期まで残り続けました。
漫画と史実の違い
| 項目 | 『鬼滅の刃』 | 史実 |
|---|---|---|
| 猗窩座という人物 | 上弦の参の鬼 | 実在しない。完全な創作 |
| 腕の入墨 | スリの前科として入れられ、鬼になっても残る | 享保5年から実施された入墨刑。腕に二本線、再犯で増える |
| 技名 | 破壊殺の各式に冠・千輪・柳などの語が入る | いずれも実在する打ち上げ花火の分類名 |
| 花火 | 狛治と恋雪が一緒に見た記憶として描かれる | 享保18年の両国川開きが川開き花火の起源とされる |
| 素流 | 慶蔵が営む体術の道場の流派 | 作中設定。同名の流派として広く知られた記録は確認できない |
| 井戸への投毒 | 剣術道場の後継ぎが実行し、二人が死亡 | 個別の事件としての対応する史実は確認できない |
なぜ猗窩座はこのように描かれたのか
猗窩座は、鬼滅の刃の敵の中でも「強さ」への執着が最も露骨なキャラクターです。煉獄杏寿郎に鬼になれと繰り返し勧め、老いて衰える人間を無価値だと切り捨てました。
しかし過去が明かされると、その執着の出所が反転します。狛治が力を求めたのは、守りたい相手がいたからでした。父を守れず、慶蔵と恋雪も守れなかった男が、記憶を失ったまま「強さ」という結果だけを追い続けていた。目的を失った手段だけが残っていた状態です。
だからこそ、記憶が戻った瞬間に猗窩座は戦えなくなります。強くなる理由を思い出した結果、鬼として強くあり続けることが最も理由から遠いと気づいてしまうからです。猗窩座の敗因は刃ではなく、思い出したこと自体でした。
そのうえで、技名が花火であり、腕の模様が実在した刑罰の入墨であるという設定を重ねて読むと、この鬼が最初から人間の側の記号だけで組み立てられていたことがわかります。鬼としての固有の意匠がほとんどない。猗窩座というキャラクターは、鬼になりきれなかった人間として設計されているように見えます。
猗窩座に関するよくある質問
猗窩座の死亡は何巻何話ですか?
単行本18巻・第156話「ありがとう」です。翌話の第157話「舞い戻る魂」で消滅後の魂が描かれます。戦いそのものは17巻の第146話前後から始まっています。
猗窩座を倒したのは誰ですか?
竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇の二人です。ただし最後は猗窩座が再生を拒み、自分に技をかけて消滅しました。厳密には自害に近い形の決着です。
猗窩座は頸を斬られても死ななかったのですか?
炭治郎が頸を斬り、冨岡義勇が折れた刀を投げて落とし切りましたが、それでも身体が動き続けました。上弦の鬼の中でも例外的な再生能力を見せています。
恋雪とは誰ですか?
猗窩座が人間だった頃の許嫁です。素流の道場主・慶蔵の娘で、病弱でしたが狛治の看病で回復に向かいました。祝言を控えた時期に殺されています。
恋雪はどうやって死亡したのですか?
道場の井戸に毒を入れられ、父の慶蔵とともに命を落としました。実行したのは恋雪に想いを寄せていた近隣の剣術道場の後継ぎです。
猗窩座の人間時代の名前は何ですか?
狛治(はくじ)です。江戸の生まれで、病気の父の薬代のためにスリを働いていました。父の自死をきっかけに江戸を追われ、慶蔵に拾われます。
狛治は何人殺したのですか?
慶蔵と恋雪を殺された報復として、隣の剣術道場の後継ぎを含む門下生67人を素手で殺したとされています。この場面を鬼舞辻無惨が目撃し、鬼にしました。
かむろさきわりとはどの技ですか?
破壊殺・脚式「冠先割(かむろさきわり)」です。踵を振り下ろす蹴撃で、名称は光が輪を描きながら流れ落ちる花火「冠(かむろ)」に由来します。
猗窩座が女性を殺さないのはなぜですか?
人間だった頃に恋雪と慶蔵を失った記憶が、本人の自覚がないまま行動に残っているためです。無惨に指示されても女性を食べようとしませんでした。
猗窩座の腕の模様は何ですか?
江戸時代の入墨刑の跡です。享保5年(1720年)に成文化された盗犯向けの刑罰で、腕に線を入れ、再犯のたびに線が増えました。狛治のスリの前科を示しています。
まとめ
- 猗窩座の消滅は単行本18巻・第156話「ありがとう」。戦いは17巻の第146話前後から11話ほど続いた
- 倒したのは炭治郎と冨岡義勇だが、最後の一撃は猗窩座が自分にかけたもの
- 恋雪は狛治の許嫁で、井戸に毒を入れられ父の慶蔵とともに死亡した
- 猗窩座の技名の冠・千輪・柳はいずれも実在する打ち上げ花火の名称
- 腕の線状の模様は享保5年に成文化された江戸時代の入墨刑を踏まえた描写
強さだけを求めた鬼が、思い出した瞬間に戦えなくなる。猗窩座の最期がこれほど読まれ続けるのは、勝敗ではなく、鬼になる前の男が何を失ったのかを描き切った結末だからでしょう。技名に残された花火の名は、その記憶が消えていなかったことを最初から示していました。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
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