バジオウは死んだ?生存の真相と死亡説の出どころ・山の民は実在したかを解説【キングダム】
この記事には『キングダム』単行本53巻あたりまでの展開と、史実にもとづく解説が含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。
『キングダム』で山の民を率いる楊端和、その右腕として戦い続けているのがバジオウです。仮面をつけた双刀の使い手で、山界最強の戦士として描かれています。
そのバジオウについて検索されるのが「死亡」というキーワードです。作中で一度、死亡したと伝えられる場面があったためですが、結論から言えばバジオウは生きています。この記事では、死亡説が生まれた経緯と、山の民という設定が史実にあるのかどうかを整理します。
結論
- バジオウは死亡していません。2026年8月時点の連載でも死亡は描かれていません。
- 死亡説の出どころは第575話です。橑陽の戦いで瀕死の重傷を負いましたが、同じ話の中で生存が確認されました。死亡というのはシュンメンの冗談でした。
- 山の民という集団は史料に記録がありません。ただし秦が西方の異民族と関わってきたことは事実で、『史記』秦本紀には似た構図の逸話が残されています。
バジオウのプロフィール

| 名前 | バジオウ |
|---|---|
| 所属 | 山の民。楊端和軍 |
| 立場 | 楊端和の右腕にあたる筆頭の将 |
| 武器 | 双刀 |
| 外見 | 常に仮面を着けており、素顔は明かされていない |
| 出自 | 滅びたバジ族の生き残り |
| 初登場 | 単行本2巻・第16話 |
| 史実のモデル | 該当する記録なし(作品オリジナル) |
バジ族の生き残りという過去
バジオウは、戦によって滅ぼされたバジ族の生き残りです。幼くして部族を失い、山中で人を襲って生き延びていたと語られています。発見された当時は言葉すらまともに話せない状態でした。
その状態から人間に戻していったのが楊端和です。楊端和との戦いに敗れ、そのまま一族に迎え入れられたことで、バジオウは山界最強の戦士へと育ちました。
バジオウが楊端和に見せる忠誠は、上下関係というより、拾われた命を返すという性質のものです。橑陽の戦いでも、いかなる刃からもこの人を守り抜くと誓ったと語っています。
バジオウの死亡説はどこから来たのか
バジオウが死亡したという情報が広まった原因は、単行本53巻の橑陽の戦いにあります。
| 話数 | 内容 |
|---|---|
| 第570話から | 橑陽で楊端和軍と犬戎軍の戦いが本格化する |
| 第573話「立ち向かう者」 | 犬戎王ロゾとの決着がつく。ロゾを討ったのは壁 |
| この戦いのなか | バジオウは負傷した楊端和を守り抜き、自身は瀕死の重傷を負う |
| 第575話「総大将の不在」 | シュンメンがバジオウは息を引き取ったと伝える。だがこれは冗談で、実際は生存していた |
第575話でシュンメンが口にした死亡報告は、悪ふざけでした。実際のバジオウはロコ族の長老の手当てを受けており、重傷ではあるものの命に別状はない状態です。楊端和がシュンメンを激しく叱責する場面が続きます。
この一度きりの誤報が「バジオウ 死亡」という検索を生み続けています。単行本53巻には第570話から第580話までが収録されており、この一連の流れは同じ巻の中で完結しています。
バジオウの主な戦い
| 戦い | 相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 王都奪還編 | ランカイ | 第39話でランカイと単身で対峙し、速度で圧倒する。最終的に他の部隊の援護を得て倒す |
| 合従軍編 | 楚軍ほか | 楊端和軍の一員として秦の防衛戦に加わる |
| 橑陽の戦い | 犬戎軍 | 窮地の楊端和を守り抜くが、自身は瀕死の重傷を負う。生存 |
バジオウの戦い方は、力任せではなく速度と精度によるものです。ランカイ戦では同じ傷口を繰り返し狙うという戦い方を見せており、獣のような出自とは対照的に、計算された動きをする戦士として描かれています。
史実では? 山の民は実在したのか
ここが『キングダム』を史実と重ねて読むうえで重要な部分です。史料に「山の民」という集団の記録はありません。バジオウ個人についても同様です。
楊端和は実在するが設定は異なる
山の民の王である楊端和は実在の人物です。『史記』秦始皇本紀に名前が残っており、秦の将軍として鄴を攻略した記録があります。
ただし史料の楊端和は男性であり、山の民の王だったという記述はありません。秦の一般的な将軍として記録されています。『キングダム』の「山界の死王」という設定は、作品独自のものです。
| 項目 | 『キングダム』 | 史実 |
|---|---|---|
| 楊端和 | 山の民の王。女性 | 秦の将軍として実在。男性と考えられる |
| 山の民という集団 | 秦と盟約を結び、共に戦う | この名称の集団の記録はない |
| バジオウ | 山界最強の戦士 | 該当する記録はない |
| 楊端和の戦功 | 橑陽、鄴などを攻略 | 鄴を攻め落とした記録が残る |
史実に近い構図はある
とはいえ、山の民という設定が完全な空想かというと、そうとも言い切れません。秦は西方の異民族と隣接する位置にあり、彼らとの関係は国の成り立ちに深く関わっていました。
その象徴として『史記』秦本紀に残るのが、秦の穆公と岐下の野人の逸話です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 穆公が岐下で良馬を失う。300人あまりの野人がその馬を捕らえて食べていた |
| 2 | 役人が彼らを罰しようとするが、穆公は家畜のために人を害してはならないとして許し、酒を与える |
| 3 | のちに秦が晋と戦った紀元前645年の韓原の戦いで、この300人が従軍を願い出る |
| 4 | 穆公が晋軍に囲まれ負傷した際、彼らが敵陣へ突入して包囲を破る |
| 5 | 穆公は危機を脱し、逆に晋の恵公を捕らえる |
秦の王が異民族を許し、その恩によって後に助けられるという構図です。『キングダム』で描かれる秦と山の民の盟約は、この逸話と同じ形をしています。集団の名前や個々の人物は創作でも、そこにある関係の骨格には史実の下地があるということです。
漫画と史実の違い
| 項目 | 『キングダム』 | 史実 |
|---|---|---|
| バジオウという人物 | 山界最強の戦士。楊端和の右腕 | 該当する記録は残っていない |
| バジオウの生死 | 2026年8月時点で生存 | 記録がないため対応する事実はない |
| 犬戎との戦い | 橑陽で犬戎王ロゾと激突する | 秦と犬戎の戦いとしての記録はない |
| 山の民と秦の盟約 | 昭王の時代の盟約が物語の前提になる | 穆公と岐下の野人の逸話が『史記』秦本紀に残る |
| 楊端和の性別 | 女性 | 男性と考えられる |
なぜバジオウはこのように描かれたのか
『キングダム』において山の民は、秦という国が「中華の外」とつながっていることを示す存在です。中華統一という目標に向かう物語の中で、そもそも中華の内側に入っていない人々が味方として並ぶ。この構図が作品の幅を作っています。
バジオウは、その山の民のなかでも極端な位置にいる人物です。部族を戦で失い、言葉も持たない状態から拾われました。戦によって人間性を奪われた者が、戦を終わらせる側の軍に立っているわけです。
仮面を外さないという設定も、この文脈で読めます。素顔を見せないまま最強の戦士として描かれ続けることで、バジオウは個人であると同時に、名前の残らなかった人々そのものを背負う存在になっています。史実に一行も記録がない人物だからこそ、この役割を与えられたとも言えるでしょう。
バジオウに関するよくある質問
バジオウは死亡しましたか?
していません。2026年8月時点の連載でバジオウの死亡は描かれていません。
なぜバジオウが死亡したと言われるのですか?
第575話でシュンメンがバジオウは息を引き取ったと伝えたためです。これは冗談で、実際は重傷ながら生存していました。
バジオウが重傷を負ったのは何巻ですか?
単行本53巻です。橑陽の戦いで楊端和を守り抜いた際に瀕死の重傷を負いました。53巻には第570話から第580話までが収録されています。
犬戎王ロゾを倒したのは誰ですか?
壁です。第573話「立ち向かう者」でロゾとの決着がつきました。バジオウはこの戦いで楊端和を守る役割を担っています。
バジオウの初登場は何巻何話ですか?
単行本2巻・第16話です。山の民として初期から登場している人物です。
バジオウの素顔は明かされていますか?
明かされていません。常に仮面を着けており、仮面の下の顔は描かれていません。
バジオウの武器は何ですか?
双刀です。二本の刀を使い、速度と精度で相手を崩す戦い方をします。
山の民は史実に実在しましたか?
「山の民」という名称の集団の記録はありません。ただし秦は西方の異民族と隣接しており、関わりがあったこと自体は史実です。
楊端和は史実に実在しますか?
実在します。『史記』秦始皇本紀に記録があり、鄴を攻め落とした将軍として名が残っています。ただし男性と考えられ、山の民という記述はありません。
秦と山の民の盟約に史実の元ネタはありますか?
『史記』秦本紀に、穆公が馬を食べた岐下の野人を許し、のちに紀元前645年の韓原の戦いで彼らに救われたという逸話が残っています。構図としては近いものです。
まとめ
- バジオウは2026年8月時点の連載で死亡しておらず、生存している
- 死亡説の出どころは第575話。シュンメンの冗談であり、同じ話の中で生存が確認された
- 橑陽の戦いで楊端和を守って瀕死の重傷を負ったが、ロコ族の長老の手当てを受けて助かった
- バジオウおよび山の民という集団に史実の記録はなく、作品オリジナルの設定である
- 楊端和は実在するが男性と考えられ、山の民の王という設定は作品独自のもの
記録に残らなかった者たちが、記録に残る統一戦争を支える。バジオウという人物の立ち位置を知っておくと、山の民が戦場に現れる場面の重みが変わってきます。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。
