鬼滅の刃の呼吸全14種類一覧|五大流派と派生の系統・使い手・オリジナル呼吸は公式に存在しない
この記事には『鬼滅の刃』全23巻の内容と、呼吸の系統に関する終盤の展開が含まれます。
『鬼滅の刃』の戦いを支えているのが「全集中の呼吸」です。水、炎、雷といった名前は知っていても、全部で何種類あるのか、どれがどこから枝分かれしたのかまでは整理しづらいところがあります。
この記事では、公式に登場する呼吸をすべて一つずつ取り上げ、始まりの呼吸から派生までの系統を表にまとめました。あわせて、ネット上でよく見かける「オリジナルの呼吸」がどこまで公式なのかもはっきりさせます。最後に、実在した日本の剣術流派が同じように枝分かれしていった歴史も調べました。
結論
- 公式に登場する呼吸は14種類です。日、月、炎、水、風、雷、岩、花、蟲、恋、蛇、霞、音、獣の14種類が作中に出てきます。
- すべての始まりは日の呼吸です。そこから基本の五大流派(炎・水・風・雷・岩)が生まれ、さらに派生の呼吸が枝分かれしました。
- 「オリジナル呼吸」は公式には存在しません。氷や光といった呼吸を見かけることがありますが、それらは読者の創作です。ただし作中には、隊士が自分専用の型を編み出す描写があります。
全集中の呼吸とは

全集中の呼吸は、心肺を著しく発達させ、大量の酸素を一気に体内へ取り込むことで身体能力を跳ね上げる技術です。人間のままで鬼と渡り合うために編み出されたもので、鬼殺隊の剣士はこれを土台に剣技を組み立てます。
呼吸には系統があります。始まりの呼吸である日の呼吸があり、そこから基本となる五つの流派が分かれ、さらにそこから派生した呼吸が生まれました。使い手の適性や体格によって向き不向きがあるため、剣士は自分に合う呼吸を選びます。
全集中の呼吸 全14種類の一覧
公式に登場する呼吸を、系統ごとにまとめました。
| 呼吸 | 系統 | 主な使い手 |
|---|---|---|
| 日の呼吸 | 始まりの呼吸 | 継国縁壱、竈門炭治郎 |
| 月の呼吸 | 日から分かれた | 黒死牟(継国巌勝) |
| 炎の呼吸 | 基本の五大流派 | 煉獄杏寿郎、煉獄槇寿郎 |
| 水の呼吸 | 基本の五大流派 | 冨岡義勇、竈門炭治郎、鱗滝左近次 |
| 風の呼吸 | 基本の五大流派 | 不死川実弥、粂野匡近 |
| 雷の呼吸 | 基本の五大流派 | 我妻善逸、獪岳、桑島慈悟郎 |
| 岩の呼吸 | 基本の五大流派 | 悲鳴嶼行冥 |
| 花の呼吸 | 水から派生 | 胡蝶カナエ、栗花落カナヲ |
| 蟲の呼吸 | 花から派生 | 胡蝶しのぶ |
| 蛇の呼吸 | 水から派生 | 伊黒小芭内 |
| 恋の呼吸 | 炎から派生 | 甘露寺蜜璃 |
| 霞の呼吸 | 風から派生 | 時透無一郎 |
| 音の呼吸 | 雷から派生 | 宇髄天元 |
| 獣の呼吸 | 風から派生した我流 | 嘴平伊之助 |
ここから一つずつ見ていきます。
始まりの呼吸と、そこから分かれた呼吸
日の呼吸
すべての呼吸の源にあたる、始まりの呼吸です。使い手は継国縁壱で、竈門家には「ヒノカミ神楽」という神楽の形で受け継がれました。炭治郎はこれを父・竈門炭十郎から教わっています。
型は12あり、それらを途切れなくつないで円環のように繰り返すことで、事実上の十三の型になるという構造を持ちます。「円舞」「炎舞」といった型名が作中に登場します。他のすべての呼吸は、この日の呼吸を使いこなせなかった者たちが、自分にできる範囲で形を変えて生み出したものだという設定です。
月の呼吸
日の呼吸から分かれた、もう一つの系統です。使い手は上弦の壱・黒死牟で、人間だったころの名は継国巌勝、縁壱の兄にあたります。
型は16あり、全呼吸の中で最も多い数です。刃から無数の月の斬撃が飛ぶという特徴があり、鬼としての再生力と身体能力があってはじめて成立する剣技になっています。「壱ノ型 闇月・宵の宮」などの型が描かれました。
基本の五大流派
日の呼吸から直接分かれた五つが、基本の流派です。柱の呼吸の多くはここか、ここからの派生に属します。
炎の呼吸
使い手は炎柱・煉獄杏寿郎と、その父である元炎柱・煉獄槇寿郎です。地面をしっかり踏みしめ、刀を振ると炎が上がって見える豪快な剣技が特徴です。
煉獄家は代々炎柱を輩出してきた家で、技は書物として受け継がれています。作中では「壱ノ型 不知火」から「玖ノ型 煉獄」までが描かれました。
水の呼吸
使い手が最も多い呼吸です。冨岡義勇、竈門炭治郎、鱗滝左近次、錆兎、真菰、村田など、多くの剣士が使います。
清流のような流麗な型と、逆巻く大波のような激しい型を併せ持ち、汎用性が高いのが特徴です。型は壱から拾までの10種類に加え、冨岡義勇が独自に編み出した「拾壱ノ型 凪」があります。炭治郎の「拾ノ型 生生流転」も代表的な技です。
風の呼吸
使い手は風柱・不死川実弥と、その先輩隊士だった粂野匡近です。暴風が吹き荒れるような、苛烈な連続攻撃を身上とします。「壱ノ型 塵旋風・削ぎ」をはじめ、9つ以上の型が確認できます。
風の呼吸については個別に詳しくまとめた記事があります。風の呼吸の全型と使い手の解説もあわせてどうぞ。
雷の呼吸
使い手は我妻善逸、獪岳、そして二人の師である元鳴柱・桑島慈悟郎です。電撃のような踏み込みで一気に間合いを詰め、一撃で斬り抜けます。
型は7つ。ただし善逸が使えたのは「壱ノ型 霹靂一閃」だけで、その一つを極限まで磨き上げました。終盤では善逸自身が生み出した「漆ノ型 火雷神」が描かれています。
岩の呼吸
使い手は岩柱・悲鳴嶼行冥ただ一人です。鬼殺隊最強と称される剣士で、トゲのついた鉄球と手斧を鎖でつないだ特殊な武器を使います。日輪刀そのものを振るわないという点で、他の呼吸とは戦い方が大きく異なります。
「壱ノ型 蛇紋岩・双極」など5つ以上の型が確認できます。岩の呼吸の詳細は岩の呼吸の解説記事にまとめています。
派生した呼吸
基本の五大流派から、さらに枝分かれして生まれた呼吸です。
花の呼吸
水の呼吸から派生した呼吸で、使い手は元花柱・胡蝶カナエと、その継子だった栗花落カナヲです。舞うような優美な動きが特徴で、終ノ型「彼岸朱眼」は動体視力を極限まで引き上げる代わりに視力を失う危険を伴う技として描かれました。
蟲の呼吸
花の呼吸からさらに派生した呼吸で、使い手は蟲柱・胡蝶しのぶです。鬼の頸を斬る力がなかったしのぶが、毒で鬼を倒すために作り上げた呼吸です。
型の名も他とは異なり、「蝶ノ舞 戯れ」「蜂牙ノ舞 真靡き」のように舞や牙という語が使われます。刺突に特化した日輪刀を用いる点も独特です。
蛇の呼吸
水の呼吸から派生した呼吸で、使い手は蛇柱・伊黒小芭内です。刀身が波打った特殊な日輪刀を使い、蛇のようにうねる軌道で敵の隙間を縫って斬り込みます。「壱ノ型 委蛇斬り」「伍ノ型 蜿蜿長蛇」などが登場します。
蛇の呼吸については蛇の呼吸の全型と伊黒小芭内の解説で詳しく取り上げています。
恋の呼吸
炎の呼吸から派生した呼吸で、使い手は恋柱・甘露寺蜜璃です。もともと炎柱のもとで修行していた蜜璃が、自分の体質に合う形へ作り替えて生み出しました。
常人の8倍とされる筋肉密度と、薄く柔軟に鍛えられた特殊な日輪刀を組み合わせ、鞭のようにしなる斬撃を放ちます。「壱ノ型 初恋のわななき」などの型があります。
霞の呼吸
風の呼吸から派生した呼吸で、使い手は霞柱・時透無一郎です。霞のように動きの終点が読めなくなる剣技で、速度に優れます。無一郎自身が編み出した「漆ノ型 朧」は、緩急によって相手の距離感を狂わせる型です。
音の呼吸
雷の呼吸から派生した呼吸で、使い手は音柱・宇髄天元です。二刀の日輪刀を鎖でつなぎ、火薬を組み合わせて戦います。「壱ノ型 轟」などが描かれました。
元忍という経歴から、戦闘中に相手の動きを譜面として読み解く「譜面」という独自の分析法を持ちます。これは呼吸の型とは別の技術です。
獣の呼吸
嘴平伊之助が、師につかず独学で編み出した呼吸です。山で育った経験と野生の感覚をもとに組み立てられており、系統としては風の呼吸の派生に位置づけられています。
型は「型」ではなく「牙」と数えるのが特徴で、「壱ノ牙 穿ち抜き」のように呼ばれます。二刀の日輪刀を刃こぼれさせて鋸のようにするなど、他の剣士がやらない使い方をします。
「オリジナルの呼吸」は公式に存在するのか
検索でよく見かける「オリジナル呼吸」ですが、公式に存在する呼吸は前述の14種類だけです。氷の呼吸、光の呼吸、毒の呼吸といったものを紹介しているページがありますが、それらは読者が考えた創作であり、原作にも公式資料にも登場しません。
ただし、作中の世界では新しい呼吸を生み出すこと自体が否定されていません。むしろ、呼吸の歴史はそれの積み重ねです。
| 作中で新しく生み出されたもの | 生み出した人物 |
|---|---|
| 蟲の呼吸 | 胡蝶しのぶ。頸を斬れない自分に合わせて花の呼吸から作り替えた |
| 恋の呼吸 | 甘露寺蜜璃。炎の呼吸を自分の体質向けに変えた |
| 水の呼吸 拾壱ノ型「凪」 | 冨岡義勇が独自に編み出した型 |
| 雷の呼吸 漆ノ型「火雷神」 | 我妻善逸が壱ノ型から発展させた型 |
| 霞の呼吸 漆ノ型「朧」 | 時透無一郎が編み出した型 |
つまり「オリジナルの呼吸を作る」という発想は、作品世界の中では正しい理解です。ただし、それが公式の14種類に加わることはありません。
史実では? 剣術流派も同じように枝分かれした
呼吸の系統図は完全な創作ですが、この「一つの源から流派が枝分かれしていく」という構造は、日本の剣術の歴史そのものです。
兵法三大源流
日本の剣術には、後世の流派の源とされる三つの流派があります。念流、神道流、陰流の三つで、まとめて兵法三大源流と呼ばれます。この三つの名は、上泉信綱が永禄9年(1566年)に柳生宗厳へ与えた『影目録』に記されています。
| 源流 | そこから分かれた主な流派 |
|---|---|
| 念流 | 中条流、富田流、鐘捲流、一刀流、小野派一刀流、中西派一刀流、北辰一刀流 |
| 陰流 | 新陰流、柳生新陰流、疋田陰流 |
| 神道流 | 香取神道流の系統。上泉信綱が新陰流を立てる際に参照した |
枝分かれの実例
| 人物 | したこと |
|---|---|
| 愛洲移香斎久忠 | 陰流を創始した |
| 上泉信綱 | 念流・香取神道流・陰流を参照し、陰流を特に発展させて新陰流を立てた |
| 柳生宗厳 | 上泉信綱から新陰流を継ぎ、のちに柳生新陰流と呼ばれる系統になった |
| 伊藤一刀斎 | 富田流の系統から出て一刀流を立てた |
| 千葉周作 | 一刀流の系統から北辰一刀流を立てた |
ここで注目したいのは、枝分かれの理由です。多くの場合、弟子が師の技をそのまま伝えられなかったからではなく、自分の体格や気質、時代の戦い方に合わせて作り替えたから分かれています。花の呼吸から蟲の呼吸が生まれた経緯や、炎の呼吸から恋の呼吸が生まれた経緯と、動機の部分がそのまま重なります。
漫画と史実の違い
| 項目 | 『鬼滅の刃』 | 史実 |
|---|---|---|
| 源流の数 | 始まりは日の呼吸ひとつ | 念流・神道流・陰流の三つが源流とされる |
| 枝分かれの理由 | 日の呼吸を扱えない者が自分に合う形へ変えた | 体格や気質、時代に合わせて弟子が作り替えた |
| 系統の記録 | 作中では口伝と書物で受け継がれる | 『影目録』のように書物として伝わる例がある |
| 呼吸法そのもの | 身体能力を跳ね上げる術として描かれる | 呼吸の重要性は武術で説かれるが、超人的な効果の記録はない |
| 流派の数 | 公式は14種類 | 江戸期には数百の流派が存在したとされる |
なぜ呼吸は枝分かれする設定になっているのか
呼吸に系統がある設定は、作品の主題と直結しています。日の呼吸を完璧に扱えたのは継国縁壱ただ一人で、他の全員は「できなかった側」です。五大流派も派生の呼吸も、すべては届かなかった者たちの工夫の産物として置かれています。
これは、才能に恵まれなかった人物が積み重ねで戦う物語という骨格そのものです。善逸が壱ノ型しか使えなかったことも、しのぶが頸を斬れなかったことも、系統の設定があるからこそ「その人なりの形に作り替える」という解決につながります。
そして実在の剣術流派も、まったく同じ理由で枝分かれしてきました。呼吸の系統図は架空のものですが、その作り方は日本の武術史をきちんと踏まえたものだと言えます。
全集中の呼吸に関するよくある質問
全集中の呼吸は全部で何種類ありますか?
公式に登場するのは14種類です。日、月、炎、水、風、雷、岩、花、蟲、恋、蛇、霞、音、獣の14種類が作中に出てきます。
基本の呼吸はどれですか?
炎、水、風、雷、岩の五つです。五大流派と呼ばれ、日の呼吸から直接分かれた系統にあたります。
すべての呼吸の始まりはどれですか?
日の呼吸です。継国縁壱が使った呼吸で、他のすべての呼吸はここから枝分かれしています。竈門家にはヒノカミ神楽として受け継がれました。
蟲の呼吸はどこから派生しましたか?
花の呼吸からです。花の呼吸はさらに水の呼吸から派生しているため、たどると水の系統になります。
獣の呼吸は誰が作ったのですか?
嘴平伊之助が独学で編み出しました。系統としては風の呼吸の派生に位置づけられています。型を「牙」と数えるのが特徴です。
月の呼吸は誰の呼吸ですか?
上弦の壱・黒死牟の呼吸です。人間だったころの名は継国巌勝で、縁壱の兄にあたります。型は16あり、全呼吸で最多です。
型の数が一番多い呼吸はどれですか?
月の呼吸で、16の型があります。日の呼吸は12の型を円環につなぐ構造を持ちます。
オリジナルの呼吸は公式に存在しますか?
存在しません。氷や光といった呼吸を紹介するページがありますが、それらは読者の創作です。公式は14種類のみです。
作中で新しい呼吸や型が生まれることはありますか?
あります。蟲の呼吸や恋の呼吸は既存の呼吸から作り替えられたものですし、冨岡義勇の「凪」や我妻善逸の「火雷神」のように個人が編み出した型もあります。
呼吸に向き不向きはありますか?
あります。体格や気質によって適性が異なるため、剣士は自分に合う呼吸を選びます。合わなければ作り替えるという選択もあり、それが派生の呼吸を生んできました。
まとめ
- 公式の呼吸は14種類。日、月、炎、水、風、雷、岩、花、蟲、恋、蛇、霞、音、獣
- すべての始まりは日の呼吸で、基本の五大流派は炎・水・風・雷・岩
- 花と蛇は水から、恋は炎から、霞と獣は風から、音は雷から派生した
- 蟲の呼吸だけは花の呼吸からの派生で、二段階目にあたる
- 「オリジナル呼吸」は公式には存在しないが、作中では新しい型が生まれている
呼吸の系統をたどると、それぞれの剣士が何を諦め、何を作り替えたのかが見えてきます。実在の剣術流派が同じ理由で枝分かれしてきたことを知ると、この設定の作り込みの深さがより伝わってくるはずです。
この記事について
執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。
