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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』王都奪還編(1巻から5巻)の結末に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

『キングダム』の序盤で、信の前に立ちはだかった最初の「格上の剣士」を覚えているでしょうか。竭氏の人斬り長・左慈(さじ)です。実写映画版でも大立ち回りが描かれ、そちらで知った人も多い人物です。

この記事では、左慈が死亡するのは何巻なのか、信との一騎打ちがどう決着したのかを整理します。あわせて、三国志に同名の仙人「左慈」がいるため混同されやすい点と、史実にこの人物の記録があるのかも確認しました。

結論

  • 左慈は死亡します。単行本5巻、王都奪還編の終盤で信に斬られました。
  • 信が勝てたのは壁の負わせた傷があったからです。左慈は先に壁と戦って深手を負っており、剣が鈍っていました。
  • 左慈は山の民を圧倒する剣士でした。自分の剣を天下最強と自負する、竭氏配下の人斬り長です。
  • 史実に対応する記録はありません。三国志の仙人・左慈とは別人で、名前を借りた関係でもありません。

左慈のプロフィール

古い城壁の回廊のイメージ
王都奪還編の決戦の舞台は秦の王都・咸陽の王宮です(画像はイメージです)
名前 左慈(さじ)
所属 秦国。竭氏(けつし)の配下
肩書 人斬り長。肆氏の片腕とされる上級武官
武器 大剣。力と速度を極めた剣を天下最強と自負する
登場 王都奪還編(1巻から5巻)
死亡 単行本5巻。信との一騎打ちに敗れる
史実のモデル 該当する記録なし

左慈は将軍ではありません。戦場で軍を率いる立場ではなく、王宮の権力闘争の中で「斬る」役目を担ってきた武官です。人斬り長という肩書が、その立ち位置をそのまま表しています。

左慈の死亡は何巻?

左慈が死ぬのは単行本5巻、王都奪還編の終盤です。

王弟・成蟜の反乱で王宮を追われた嬴政が、山の民の軍とともに咸陽へ乗り込む。その最終局面で、左慈は別働隊の進路である右龍の回廊に待ち構えていました。配置を指示したのは肆氏です。

戦いの流れ

段階 内容
1 嬴政側の別働隊が王宮内の回廊を進む
2 左慈が立ちはだかり、山の民の戦士たちを圧倒する
3 壁が挑み、敗れながらも左慈に深手を負わせる
4 信が一騎打ちを挑む。実力差は歴然で、信は何度も斬り伏せられる
5 壁の傷で左慈の剣が鈍り、立ち上がり続けた信の一撃が届く

信ひとりの勝利ではなかった

この決着で重要なのは、信が正面から実力で上回ったわけではないという点です。左慈は壁との戦いですでに深手を負っており、剣の速さと重さが落ちていました。その消耗がなければ、当時の信に勝ち目はなかったと読めるように描かれています。

倒れても立ち上がり続ける信と、先に戦った者が残した傷。のちの飛信隊の戦い方、つまり誰かが作った隙を次の者がつなぐという形の原型が、この最初の一騎打ちにすでに出ています。

左慈はどれほど強かったのか

左慈の強さは、王都奪還編の時点では別格として描かれています。

相手 結果
山の民の戦士たち 複数を相手に圧倒する
撃退する。ただし深手を負う
何度も斬り伏せるが、最後は敗れる

山の民は個々の身体能力で戦う精鋭集団です。それを一人で圧倒したという描写は、この時点の作中では最上位の武力を意味します。

ただし左慈の剣は、戦場の武ではなく人斬りの剣として描かれています。本人は天下最強と自負していましたが、その言葉に対して信が返したのは、戦場で本物の武を積み上げた者たちへの敬意でした。王騎や麃公のような「本物」と、宮中で研がれた左慈の剣の対比が、この戦いの主題になっています。

竭氏と肆氏|左慈が仕えた側

左慈の立ち位置を理解するには、王都奪還編の構図を押さえておく必要があります。

人物 立場 その後
成蟜(せいきょう) 反乱の首謀者。嬴政の異母弟 鎮圧後に幽閉。のちの反乱で死亡
竭氏(けつし) 成蟜側の相邦格。反乱の実務を握る 反乱の失敗とともに失脚
肆氏(しし) 竭氏の側近。左慈の配置を指示 のちに嬴政側に仕える
左慈 竭氏配下の人斬り長 5巻で信に斬られ死亡

興味深いのは、左慈を配置した肆氏がのちに嬴政の陣営へ迎えられることです。敵側の実務家が味方になる一方で、剣一本で仕えた左慈は最初の戦いで消えました。

三国志の左慈とは別人

「左慈」で検索すると、三国志関連の情報が多く出てきます。曹操の前に現れたと伝えられる仙人・左慈(さじ)です。『後漢書』などに記述が残る方術士で、こちらは実在が語られる人物です。

『キングダム』の左慈は、この仙人とは何の関係もありません。時代も戦国末期と後漢末で400年以上離れています。同じ表記の名前が偶然重なっているだけで、作中に仙人要素は一切ありません。検索時に情報が混ざりやすいので、区別しておく必要があります。

史実では? 左慈に対応する記録はない

『キングダム』の左慈は史実に実在しません。『史記』をはじめとする史料に、秦の人斬り長・左慈に対応する人物の記録はありません。

ただし、成蟜の反乱そのものは史実です。『史記』秦始皇本紀には、紀元前239年に成蟜(成蛟)が趙攻めの途上で反乱を起こし、鎮圧されたと記録されています。作中の王都奪還編は、この記録を大きく膨らませたものです。

反乱の記録に残るのは首謀者の名前と結果だけで、その内側で誰が剣を振るったかは書かれていません。左慈は、その記録されなかった部分に置かれた人物です。

漫画と史実の違い

項目 『キングダム』 史実
左慈 竭氏配下の人斬り長。信に斬られる 該当する記録はない
成蟜の反乱 王都奪還編として1巻から5巻で描かれる 紀元前239年に反乱の記録がある。ただし経緯の詳細は残っていない
竭氏・肆氏 反乱側の権力者として登場 該当する記録はない
三国志の左慈 無関係 後漢末の方術士として『後漢書』等に記述がある別人

王都奪還編の全体像

左慈との一騎打ちがどの位置にあるのかを、王都奪還編全体の流れで確認しておきます。

局面 内容
発端 王弟・成蟜が反乱を起こし、嬴政が王宮を追われる(1巻から)
同盟 嬴政が山界へ入り、楊端和と盟約を結び直す(3巻前後)
進撃 山の民の軍が咸陽へ。成蟜側はランカイら私兵で迎え撃つ(4巻)
決着 左慈が回廊で立ちはだかるが信に敗れ、成蟜は取り押さえられる(5巻)

左慈は、反乱側が最後に出した「個」の武力でした。ランカイが怪力の壁だったとすれば、左慈は技の壁です。物語の最初の編が、二種類の壁を信に順番に越えさせる構成になっていたことがわかります。

壁という伏線

この一騎打ちでもうひとつ見ておきたいのが、壁(へき)の役割です。

壁は昌文君の副官として初期から登場する常識人で、突出した武力の持ち主ではありません。その壁が左慈相手に敗れながらも深手を負わせ、それが信の勝利の条件になりました。

強くない者の奮戦が強い者の勝ちを作るという構図は、以後の作品全体で繰り返されます。橑陽の戦いで壁自身が犬戎王ロゾを討つ大功を挙げるのは、はるか後の52巻から53巻のことです。左慈戦は、壁という人物の長い伏線の起点でもありました。

アニメでは第何シリーズか

この場面は、アニメでは第1シリーズにあたります。

単行本 5巻
アニメ 第1シリーズ
そのシリーズの内容 信と政の出会いから王都奪還、蛇甘平原の戦いまで

アニメは原作の話をそのまま順番に並べているわけではありません。巻の区切りとシリーズの区切りは完全には一致しないため、目安として捉えてください。

シリーズごとの原作範囲はアニメと原作の対応表にまとめています。

左慈に関するよくある質問

左慈が死亡するのは何巻ですか?

単行本5巻です。王都奪還編の終盤、王宮の回廊での信との一騎打ちに敗れました。

左慈を倒したのは誰ですか?

信です。ただし先に戦った壁が左慈に深手を負わせており、その傷で剣が鈍っていたことが決着につながりました。

左慈の読み方は何ですか?

「さじ」と読みます。

左慈はどれくらい強かったのですか?

山の民の戦士たちを一人で圧倒するほどの剣士です。王都奪還編の時点では、信が戦った相手の中で最強格でした。

左慈の肩書は何ですか?

竭氏配下の人斬り長です。肆氏の片腕とされる上級武官で、軍を率いる将軍ではありません。

三国志の左慈と同じ人物ですか?

別人です。三国志関連で知られる左慈は後漢末の仙人・方術士で、時代が400年以上離れています。名前の表記が同じだけで関係はありません。

左慈は実写映画に登場しますか?

登場します。実写映画版では原作にない要素も加えられ、大立ち回りが描かれました。映画で左慈を知って原作を調べる人も多い人物です。

左慈は史実に実在しましたか?

実在しません。ただし舞台となった成蟜の反乱そのものは、紀元前239年の出来事として『史記』に記録があります。

壁は左慈に勝ったのですか?

勝ってはいません。敗れましたが、左慈に深手を負わせました。この傷が信の勝利の条件を作っています。

肆氏はその後どうなりましたか?

反乱の失敗後、のちに嬴政の陣営に迎えられ、秦のために働くようになります。

まとめ

  • 左慈の死は単行本5巻。王都奪還編の終盤で信に斬られた
  • 山の民を圧倒し壁を退けた剣士で、当時の信では正面から勝てない相手だった
  • 決着の条件を作ったのは壁の負わせた傷。信ひとりの勝利ではない
  • 三国志の仙人・左慈とは表記が同じだけの別人
  • 史実に左慈の記録はないが、成蟜の反乱は紀元前239年の史実

信が最初に倒した「格上」は、戦場の将軍ではなく宮中の人斬りでした。天下最強を自負した剣が、本物の武を目指す少年に折られる。物語の最初に置かれたこの対比は、その後の『キングダム』全体の価値観を先取りしています。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。