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ネタバレ注意
この記事には『ONE PIECE』1巻から107巻以降にかけての主要キャラクターの死亡描写が含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。

『ONE PIECE』は仲間との出会いを描く物語であると同時に、退場した人物の意志を次に渡していく物語でもあります。読者の間で「死んでほしくなかったキャラクター」として名前が挙がり続ける人物が何人もいるのは、そのためです。

この記事では、作中で実際に死亡した主要キャラクターを一人ずつ取り上げ、何巻何話で、どのような経緯で退場したのかを整理します。あわせて、死んだと思われていたのに生きていた人物も分けて紹介し、最後に物語が死をどう扱ってきたのかという実在の演劇史の話まで並べます。

結論

  • もっとも名前が挙がるのはポートガス・D・エースです。死亡は59巻・第574話「ポートガス・D・エース死す」でした。
  • 同じ59巻の第576話で白ひげも死亡しています。頂上戦争の二話のあいだに、読者にとって大きな二人が続けて退場しました。
  • 死んだと思われていたのに生存していた人物もいます。ペルは24巻・第217話で生存が判明しており、死亡キャラとして数えるのは誤りです。

死んでほしくなかったキャラクター一覧(早見表)

夕暮れの海と水平線のイメージ
物語の舞台は海。退場した人物の意志は次の航海へ引き継がれていきます(画像はイメージです)
キャラクター 死亡した巻・話 経緯
くいな 1巻・第5話 家の階段からの転落事故
ベルメール 9巻・第78話 アーロンに射殺される
Dr.ヒルルク 16巻・第145話 ワポルの罠のなかで自ら爆薬をあおる
ニコ・オルビア 41巻(オハラ編の回想) オハラへのバスターコール
ポートガス・D・エース 59巻・第574話 ルフィをかばい赤犬に貫かれる
エドワード・ニューゲート(白ひげ) 59巻・第576話 黒ひげ海賊団の一斉攻撃を受ける
ドンキホーテ・ロシナンテ(コラソン) 77巻・第767話 実兄ドフラミンゴに撃たれる
ペドロ 87巻・第877話 自ら爆薬に火をつけ、ペロスペローを巻き込む
光月おでん 96巻・第972話 釜茹での刑に耐えたのちカイドウに撃たれる
光月トキ 96巻・第973話 家臣を未来へ送ったのち、自身はワノ国に残る
ネフェルタリ・コブラ 107巻・第1085話 マリージョアで命を落とす

以下、一人ずつ詳しく見ていきます。

ポートガス・D・エース|59巻・第574話

読者アンケートの類でほぼ必ず上位に来るのがエースです。死亡は59巻・第574話「ポートガス・D・エース死す」。話のタイトルにそのまま名前と結末が置かれています。

頂上戦争の終盤、いったんは処刑台から救出され、ルフィと並んで脱出しかけたところで戦況が変わります。挑発に応じて足を止めたエースを狙って赤犬(サカズキ)が攻撃し、それをかばう形でエースが体を割り込ませました。マグマの拳が胸を貫き、致命傷となります。

この場面が読者に強く残るのは、直前まで助かる流れとして描かれていたからです。救出が成立したあとで、しかも弟をかばったことが原因で死ぬという順番になっており、回避できたはずの死として構成されています。最期に彼が残した言葉も、恨みではなく感謝でした。

エドワード・ニューゲート(白ひげ)|59巻・第576話

エースの死からわずか二話後、同じ59巻の第576話「大海賊エドワード・ニューゲート」で白ひげも退場します。

海軍との戦いで重傷を負ったところに黒ひげ海賊団が現れ、四方から一斉に攻撃を受けました。全身に傷を負いながらも彼は倒れず、立ったまま絶命した姿で描かれます。背中に傷がなかったという点が、逃げなかった証拠として強調される演出になっています。

白ひげはこの場面で、ひとつなぎの大秘宝が実在することを世界に向けて言い放ちました。彼の死が、そのまま次の大海賊時代の号砲になるという役割を与えられています。

ドンキホーテ・ロシナンテ(コラソン)|77巻・第767話

ドレスローザ編の回想で描かれた人物です。死亡は77巻・第767話「コラさん」。現在からおよそ13年前、ミニオン島での出来事として語られます。

彼は海軍の潜入者としてドンキホーテファミリーに入り込んでいましたが、余命わずかと診断されていた少年トラファルガー・ローを助けるため、オペオペの実を奪って食べさせました。その直後、正体を知った実の兄ドフラミンゴに撃たれます。

ナギナギの実の能力で音を消し、ローを箱の中に隠したうえで死んでいったという構成のため、読者はローの視点で「音のない死」を見ることになります。作中でも屈指の重い退場です。

Dr.ヒルルク|16巻・第145話

チョッパーの恩人であり、ドラム島編の中心にいる人物です。死亡は16巻・第145話「受け継がれる意志」

チョッパーが万能薬と信じて持ち帰った猛毒キノコのスープを、毒だと知りながら飲み干したあと、ワポルの罠にかかった城で自ら爆薬をあおって果てました。毒で倒れればチョッパーが自分を責め続けることになるため、自分の意思で死ぬ方法を選んだと読める描き方です。

彼が30年かけて研究していた薬は完成しており、17巻・第153話「ヒルルクの桜」で、Dr.くれはの手によって雪の島に桜が咲きます。本人はその光景を見ていません。

ベルメール|9巻・第78話

ナミとノジコを育てた元海兵の女性です。死亡は9巻・第78話「ベルメールさん」

アーロン一味がココヤシ村を支配し、住民に法外な上納金を課したとき、ベルメールの手元には大人一人分と子ども二人分の両方をまかなえる金がありませんでした。彼女は子ども二人分を納め、自分の分を納められないまま、見せしめとして撃たれます。

ここで重要なのは、彼女が最後まで「二人の母親」であることを選んだ点です。子どもがいないと申告すれば助かった可能性があるにもかかわらず、そうしませんでした。ナミがアーロンに従い続けた八年間の理由が、この一場面に集約されています。

ペドロ|87巻・第877話

ミンク族の侠客団団長。死亡は87巻・第877話で、ホールケーキアイランドからの脱出の場面です。

ビッグ・マム海賊団に追い詰められた状況で、彼は全身に巻き付けた爆薬に自ら火をつけ、ペロスペローを巻き込んで爆発しました。麦わらの一味を逃がすための行動です。

ペドロには、かつてビッグ・マムに寿命の半分を奪われていたという設定があり、残された時間そのものが少ない人物でした。それを承知で「夜明け」を次の世代に託すという理屈が与えられています。

光月おでん|96巻・第972話

ワノ国編の中心にいる人物です。死亡は96巻・第972話「煮えてなんぼのおでんに候」

カイドウとオロチによって釜茹での刑に処されますが、家臣を頭上に抱えたまま一時間を耐え抜きます。約束どおり家臣たちを逃がしたあと、力尽きたところをカイドウに撃たれました。

刑の内容そのものより、耐え切った直後に撃たれるという順番が読者に効きます。生き延びる条件を満たしたのに、その約束が守られなかったという構図です。

光月トキ|96巻・第973話

おでんの妻であり、時を越える能力を持つ人物です。死亡は96巻・第973話「光月の一族」

彼女はモモの助と赤鞘の家臣たちを20年後の未来へ送り出しました。しかし自身は足に傷を負っており、能力を自分に使うことなくワノ国に残ります。未来を託す側にまわり、自分は行かないという選択でした。

この一手があるからこそ、20年後の物語が成立しています。ワノ国編全体の構造そのものが、彼女の退場のうえに置かれています。

くいな|1巻・第5話

ゾロの幼なじみであり、最初の目標だった少女です。死亡は1巻・第5話「海賊王と大剣豪」の回想で語られます。

死因は家の階段からの転落事故でした。強敵に敗れたわけでも、事件に巻き込まれたわけでもありません。翌日に決着をつける約束をした直後の、あまりに日常的な事故です。

ゾロが「世界一の大剣豪になる」と誓ったのはこの出来事がきっかけであり、和道一文字は彼女の刀です。物語の最初期に置かれた死でありながら、その効果は全編にわたって効き続けています。

ニコ・オルビア|41巻(オハラ編の回想)

ニコ・ロビンの母であり、オハラの考古学者です。オハラの悲劇は41巻に収録された回想として描かれ、第397話から第398話あたりが該当します。

世界政府はオハラの学者たちが空白の100年を解き明かそうとしていることを危険視し、バスターコールを発令しました。オルビアは娘ロビンを巨兵海賊団のハグワール・D・サウロに託し、自身は文献を守るため他の学者とともに全知の樹に残ります。

クローバー博士をはじめとする学者たちも同時に命を落としました。ここで失われたのは個人だけでなく、蓄積された知識そのものです。ロビンが以後20年にわたって追われ続ける理由も、この一日に発しています。

ネフェルタリ・コブラ|107巻・第1085話

アラバスタ王国の国王でありビビの父です。死亡そのものは第1060話で報じられ、その経緯が107巻・第1085話「ネフェルタリ・コブラ死す」で描かれました。

世界会議のためマリージョアを訪れた彼は、ネフェルタリ家の出自と空白の100年に関わる問いを口にしたことで、そのまま命を落とします。公式には革命軍のサボが暗殺したと報道されましたが、作中の描写はそれと一致していません。

アラバスタ編で国を守り抜いた王が、王としての正しい問いを発したことで殺されるという結末になっており、読者の落胆が特に大きかった退場のひとつです。

死亡と誤解されやすいが生きているキャラクター

一覧記事では、生きている人物が死亡扱いで並べられていることがあります。実際には生存が確認されている代表例を挙げておきます。

キャラクター 誤解される場面 実際
ペル アラバスタで爆弾を抱えて空へ飛ぶ 生存。24巻・第217話で生きていることが示された
Dr.くれは ヒルルクと同じ島の医者として登場 生存。ヒルルクの研究を受け継ぎ、桜を咲かせた本人
Mr.2 ボン・クレー インペルダウンで扉を押さえて残る 生存が後に描かれている
サボ コブラ王殺害の犯人として報道される 生存。報道内容と作中描写は一致していない

特にペルは「死んでほしくなかったキャラ」として語られることがありますが、生存が明示されている人物です。名前を挙げる際は注意が必要です。

史実では? 物語が「死」をどう見せてきたか

ここからが本記事の差別化パートです。主要人物を死なせるという手法は、漫画が発明したものではありません。演劇の歴史のなかで、扱い方が何度も変わってきました。

古代ギリシアでは死は舞台の外にあった

ギリシア悲劇は紀元前5世紀ごろのアテネで栄えた演劇です。アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスの三人が三大悲劇詩人として知られています。

この時代の悲劇では、殺害や自死といった決定的な場面をそのまま舞台上で演じるのではなく、使者が登場して何が起きたかを語る形式が多く用いられました。観客は死そのものではなく、死の報告を受け取ります。

アリストテレスは『詩学』のなかで、悲劇は恐れと憐れみの感情を観客に呼び起こし、それを浄化するものだと論じました。カタルシスと呼ばれる考え方です。死を見せること自体が目的ではなく、それによって観客の内側に何を起こすかが問題だとされていたことになります。

江戸では物語の死が現実を動かした

日本の例として際立っているのが近松門左衛門の心中物です。

出来事
1703年(元禄16年) 大坂・曽根崎で実際に心中事件が起きる
同年 事件からおよそ1か月後、近松門左衛門『曽根崎心中』が竹本座で初演され大当たりとなる
その後 心中を題材にした作品が次々に作られ、近松自身も複数の心中物を残す
1722年から1723年(享保7年から8年) 幕府が心中物の上演と出版を規制する
1723年(享保8年) 八代将軍・徳川吉宗のもとで男女の心中を処罰する法令が出される

実際の死が物語になり、その物語が現実の行動を誘発したと見なされて、幕府が規制に踏み切ったという流れです。創作のなかの死が社会に影響を与えた、記録として残る事例と言えます。

物語の死が読者の感情を強く動かすという現象は、300年前の日本でも同じように観測され、しかも当時は権力が介入するほどの規模でした。エースや白ひげの死が今も語られ続けていることは、その延長線上にあります。

漫画と史実の違い

項目 『ONE PIECE』 演劇史の実例
死の見せ方 コマとして正面から描く ギリシア悲劇では使者の報告で語られることが多かった
死の役割 残された人物の目的に変換される アリストテレスはカタルシスとして観客側の効果を論じた
受け手への影響 読者の記憶に長く残り、議論が続く 心中物は現実の行動に影響したとされ、規制対象になった
復活の有無 生存が後から明かされる例がある(ペルなど) 古典悲劇では原則として結末は覆らない
作者の姿勢 死んだ人物は基本的に戻らないという方針が保たれている 近松は実在の事件を素材にし、事実を作品化した

なぜ『ONE PIECE』は主要キャラを死なせるのか

この作品で退場する人物には共通点があります。死ぬこと自体が結末ではなく、その死が別の誰かの行動原理に変換されている点です。

ベルメールの死はナミの八年間を、ヒルルクの死はチョッパーの目標を、コラソンの死はローの復讐と改名を、おでんの死は20年後の同盟を作りました。エースの死はルフィに二年間の修行を選ばせています。人物が消えたぶんだけ、別の人物の輪郭がはっきりする構造です。

第145話のタイトルが「受け継がれる意志」であることは、この方針の宣言に近いものがあります。死は物語の終点ではなく、受け渡しの手続きとして置かれているわけです。

もうひとつ指摘できるのは、多くの死が「避けられたはずのもの」として描かれている点です。エースは挑発に乗らなければ、ベルメールは子どもの存在を隠せば、おでんは一時間を耐え切った時点で助かる可能性がありました。そのわずかな差が読者に残り続けるからこそ、何年経っても名前が挙がり続けます。

死んでほしくなかったキャラに関するよくある質問

エースが死亡するのは何巻何話ですか?

59巻の第574話「ポートガス・D・エース死す」です。頂上戦争の終盤で、ルフィをかばい赤犬の攻撃を受けたことが致命傷になりました。

白ひげが死亡するのは何巻何話ですか?

同じ59巻の第576話「大海賊エドワード・ニューゲート」です。黒ひげ海賊団の一斉攻撃を受け、立ったまま絶命した姿で描かれています。

コラソンはいつ死亡しましたか?

77巻の第767話「コラさん」です。ローにオペオペの実を食べさせた直後、実の兄であるドフラミンゴに撃たれました。現在からおよそ13年前の出来事として回想で描かれます。

ベルメールが死亡するのは何巻何話ですか?

9巻の第78話「ベルメールさん」です。アーロン一味の上納金を子ども二人分しか納められず、見せしめとして撃たれました。

Dr.ヒルルクの死亡回はどこですか?

16巻の第145話「受け継がれる意志」です。ワポルの罠にかかった城で、自ら爆薬をあおって果てました。

ペルは死亡していますか?

していません。アラバスタで爆弾を抱えて飛び立った場面から死亡と受け取られがちですが、24巻の第217話で生きていることが示されています。

光月おでんが死亡するのは何巻何話ですか?

96巻の第972話「煮えてなんぼのおでんに候」です。釜茹での刑を一時間耐え抜いて家臣を逃がしたあと、カイドウに撃たれました。

くいなの死因は何ですか?

家の階段からの転落事故です。1巻の第5話「海賊王と大剣豪」の回想で語られます。戦闘によるものではありません。

コブラ王は本当にサボが殺したのですか?

そのように報道されましたが、107巻・第1085話「ネフェルタリ・コブラ死す」で描かれた内容は報道と一致していません。サボは生存しています。

『ONE PIECE』で死んだキャラは復活しますか?

基本的に復活しません。ペルのように後から生存が明かされた例はありますが、死亡が明確に描かれた人物が生き返る展開は本編では取られていません。

まとめ

  • エースは59巻・第574話、白ひげは同じ59巻・第576話で死亡している
  • コラソンは77巻・第767話、ヒルルクは16巻・第145話、ベルメールは9巻・第78話
  • 光月おでんは96巻・第972話、光月トキは第973話、コブラは107巻・第1085話
  • ペル、Dr.くれは、サボ、ボン・クレーは生存しており、死亡キャラに数えるのは誤り
  • 作中の死はほぼ例外なく、残された人物の目的へ変換される形で置かれている

物語のなかの死が長く語り継がれる現象は、300年前の江戸で心中物が社会現象になったときから変わっていません。誰の死が忘れられないかという問いは、その作品が何を大事に描いたかという問いとほとんど同じものです。

続きは単行本で

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この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。