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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』鄴攻略戦(46巻から59巻)の展開に関する記述が含まれます。未読の方はご注意ください。

鄴攻略戦は秦軍が3方向から動いた大規模な戦役です。そのうち、山の民が単独で担当した戦線がありました。

橑陽(りょうよう)の戦いです。ここで山の民は、中華の軍ではなく犬戎という別の部族と戦いました。この記事では、この戦いで何が起き、誰が失われたのかを整理します。

結論

  • 橑陽の戦いは鄴攻略戦の一部です。単行本52巻前後で描かれます。
  • 楊端和率いる山の民が、犬戎族の守る橑陽を攻めました。敵は中華の軍ではありません。
  • メラ族のカタリが52巻・第563話で戦死します。妹のキタリが族長を継ぎました。
  • ダントが52巻・第564話でトアクを討ちます。フィゴ族の王です。

橑陽の戦いとは

山あいの砦と旗
橑陽は山の民が単独で攻めた城です(画像はイメージです)
位置づけ 鄴攻略戦(46巻から59巻)の一部
時期 単行本52巻前後
攻める側 楊端和率いる山の民
守る側 犬戎族。橑陽城に拠る
目的 鄴攻略の側面を確保する

鄴攻略戦で、秦軍は複数の部隊に分かれて動きました。信の飛信隊、王賁の玉鳳隊、蒙恬の楽華隊、そして王翦軍が鄴の本戦に向かうなか、山の民は別方面の橑陽を担当します。

橑陽を押さえなければ、鄴を攻める部隊が背後を突かれる可能性がありました。地味ですが、全体の作戦に不可欠な戦線です。

犬戎という相手

橑陽を守っていたのは、趙の正規軍ではありません。犬戎(けんじゅう)と呼ばれる部族です。

山の民と同じく、中華の国々から見れば異民族にあたります。つまりこの戦いは、部族同士の戦いという構図になりました。

勢力 立場
山の民 楊端和がまとめる部族連合。秦と同盟
犬戎 橑陽に拠る部族。趙側につく

山の民も一枚岩ではありません。複数の部族が楊端和のもとに集まった連合体です。メラ族、フィゴ族といった部族がそれぞれの長を持ち、戦います。

カタリの戦死とキタリ

この戦いで失われたのが、メラ族のカタリです。

カタリは52巻・第563話で戦死しました。妹のキタリが、そのあとを継いで族長になります。

人物 立場 結末
カタリ メラ族の族長。キタリの兄 52巻・第563話で戦死
キタリ カタリの妹 族長を継ぐ。生存

キタリは兄の死後、ブネンへの報復に動きます。族長という立場が、悲しみを処理する時間を与えないという描かれ方です。

ダントとトアク

もうひとつの見せ場が、フィゴ族の王・ダントの戦いです。

ダントは52巻・第564話でトアクを討ち取りました。王同士の一騎打ちに近い形での決着です。

ダントは山の民のなかでも独特の立ち位置にいます。壁の副官として中華の戦場にも出ており、橑陽ではロゾ戦で囮の役割も務めました。ダントの記事で詳しくまとめています。

バジオウの負傷

楊端和の側近であるバジオウも、この戦線で重傷を負います。

バジオウはかつて中華に囚われ、見世物として扱われた過去を持つ人物です。楊端和に救われて以来、その側近として仕えてきました。

この負傷が「バジオウは死んだ」という誤情報の出どころになっています。実際には生存しており、その後も作中に登場します。詳しくはバジオウの記事をご覧ください。

山の民の主要な部族

山の民は単一の集団ではありません。複数の部族が楊端和のもとに集まった連合体です。

部族・人物 特徴 現状
楊端和 山界の王。ばらばらだった部族を武力で束ねた 生存
バジオウ 楊端和の側近。中華に囚われた過去を持つ 生存
タジフ 怪力の戦士。ランカイ戦で動きを封じた 生存
カタリ メラ族の族長 52巻・第563話で戦死
キタリ カタリの妹。族長を継ぐ 生存
ダント フィゴ族の王 生存
ランカイ 王都奪還編で信に敗れ、山の民入り 生存

楊端和は「死王」と呼ばれます。ばらばらだった部族を武力で束ねた過程で、多くの血が流れたためです。山の民の連合は、話し合いで成立したものではありません。

その一方で、いったん束ねたあとは部族ごとの独立性を保っています。メラ族もフィゴ族も、それぞれの長が部隊を率いて戦いました。

中華の軍との違い

山の民の戦い方は、中華の正規軍とは大きく異なります。

項目 中華の軍 山の民
編成 階級に基づく指揮系統 部族単位。族長への忠誠で動く
装備 統一された甲冑と武器 部族ごとに異なる。面や独特の武具を用いる
地形 平原での会戦を軸にする 山岳戦に慣れている
目的 軍功による昇進 族の存続と楊端和への忠誠

この違いが、橑陽のような山岳の城を攻める戦線で活きました。中華の軍が不得手とする地形で、山の民は本領を発揮します。

秦が山の民と同盟を結んだ意味は、単に兵力が増えることではありません。自軍にない性質の部隊を得たということです。

鄴攻略戦全体のなかでの位置

戦線 担当 内容
鄴の本戦 王翦軍、飛信隊、玉鳳隊、楽華隊 朱海平原で李牧軍と対峙する
橑陽 山の民 犬戎族を破り、側面を確保する

鄴攻略戦は、単行本46巻・第495話から59巻・第640話までの長い戦役です。14巻分という、作中で最も長い戦いにあたります。

朱海平原では麻鉱が戦死し、信が龐煖を討ち、藺家十傑の尭雲と趙峩龍も倒れました。この戦役を経て、信・王賁・蒙恬の3人が同時に将軍へ任命されます。

橑陽の戦いは、その大きな流れの側面を支えた戦線でした。

ブネンという相手

メラ族にとって、この戦いには別の因縁がありました。ブネンです。

キタリが族長を継いだあと、報復の対象として動いたのがこの相手にあたります。兄の死をきっかけに、若い族長が自分の意思で敵を選んだ形です。

山の民の部族には、それぞれ独自の事情と因縁があります。楊端和が束ねているとはいえ、部族ごとの戦う理由まで統一されているわけではありません。橑陽の戦いは、その個別の事情が表に出た戦線でもありました。

山の民が果たした役割

山の民は、作中で繰り返し秦の危機を救っています。

戦い 山の民の働き
王都奪還編 政に兵を貸し、王座の奪還を助ける
合従軍編 蕞が落ちる直前に到着し、李牧を撤退させる
鄴攻略戦 橑陽を落とし、本隊の側面を確保する

序盤で結ばれた同盟が、その後の主要な戦役すべてで効いています。政が単身で楊端和のもとへ赴いた判断が、国の存亡を何度も左右しました。

史実に山の民はいるか

山の民という勢力は史実に存在しません。作品の創作です。

ただし戦国時代の中国北方に、農耕を主とする中原の国々とは異なる集団がいたことは事実です。匈奴、東胡、林胡といった名が史料に現れます。趙の武霊王が胡服騎射を導入したのも、こうした集団との接触があったためです。

項目 『キングダム』 史実
山の民 楊端和が束ねる部族連合 そのような勢力の記録はない
楊端和 山界の王。女性 実在するが秦の将軍で男性
犬戎 橑陽に拠る部族 「犬戎」の名は西周を滅ぼした集団として史料にある
北方の異民族 山の民として描かれる 匈奴・東胡・林胡などが実在した

「犬戎」という名称自体は史料に登場します。紀元前771年に西周の幽王を攻め滅ぼした集団として記録されており、作中の犬戎はその名を借りたものと考えられます。

楊端和が実在の秦の将軍であることを踏まえると、作品は史実の名前を使いながら、まったく別の設定を組み立てていることになります。

なお橑陽の戦いの決着後、山の民は鄴の本戦にも合流します。朱海平原で秦軍が苦戦するなか、別戦線を片づけて戻ってくるという流れです。合従軍編の蕞でも同じ形が描かれており、間に合うかどうかの瀬戸際で到着するのが、この作品における山の民の役どころになっています。

アニメではまだ描かれていない

この場面は単行本52巻にあたります。

2026年8月の時点で、アニメはここまで進んでいません。第6シリーズが鄴攻略編の序盤から中盤までを描いた段階で、続きは続編で扱われることになります。

単行本 52巻
アニメ 2026年8月時点で未放送
放送済みの最新 第6シリーズ。原作46巻の第490話から朱海平原の戦いの中盤まで

続編の制作は決定していますが、放送時期は公表されていません。シリーズごとの原作範囲はアニメと原作の対応表にまとめています。

橑陽の戦いに関するよくある質問

橑陽の戦いは何巻ですか?

単行本52巻前後です。鄴攻略戦(46巻から59巻)の一部にあたります。

橑陽の読み方は何ですか?

りょうようです。

誰が橑陽を攻めたのですか?

楊端和が率いる山の民です。守っていたのは趙の正規軍ではなく犬戎族でした。

カタリはいつ死んだのですか?

52巻・第563話です。妹のキタリが族長を継ぎました。

ダントは誰を討ったのですか?

トアクです。52巻・第564話で描かれます。

バジオウは死亡しましたか?

していません。この戦線で重傷を負ったことが誤情報の出どころになっています。

犬戎とは何ですか?

橑陽に拠る部族です。山の民と同じく、中華の国々から見れば異民族にあたります。

なぜ橑陽を攻める必要があったのですか?

鄴を攻める本隊が背後を突かれないようにするためです。側面の確保が目的でした。

鄴攻略戦は何巻何話ですか?

単行本46巻・第495話から59巻・第640話までです。作中で最も長い戦役にあたります。

キタリはその後どうなりましたか?

族長として生存しています。兄の死後、ブネンへの報復に動きました。

まとめ

  • 橑陽の戦いは鄴攻略戦の一部で、単行本52巻前後
  • 楊端和率いる山の民が、犬戎族の守る橑陽を攻めた
  • メラ族のカタリが52巻・第563話で戦死し、妹のキタリが族長を継いだ
  • ダントが52巻・第564話でトアクを討った
  • バジオウが重傷を負い、それが死亡説の出どころになっている
  • 鄴攻略戦は46巻495話から59巻640話までの14巻分。作中最長の戦役

本戦の陰に隠れがちですが、山の民だけで別の戦線を担った戦いです。序盤で結ばれた同盟が、こういう形でも効いています。

この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。