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ネタバレ注意
この記事には『キングダム』単行本77巻あたりまでの展開と、史実にもとづく解説が含まれます。連載の進行状況は2026年8月時点のものです。

『キングダム』の韓攻略戦で、秦の前に立ちはだかった韓の第一将・洛亜完(らくあかん)。冷静に国の行く末を計算し、最後まで韓の民のために動いた将軍です。

この記事では、洛亜完の最期がどの巻のどの話で描かれたのかを整理したうえで、史実の韓がどのように滅びたのか、そして戦国七雄がどの順番で消えていったのかまでを扱います。『キングダム』と史実の違いを大きくつかみたい方にも読める形にしました。

結論

  • 洛亜完は事実上退場しています。単行本77巻・第841話「大きな歪み」で、洛亜完が率いた残存部隊が討伐され全滅したと報告されました。
  • 韓は第840話「譲渡」で滅亡しました。王都・新鄭が無血開城し、秦が初めて一国を完全に滅ぼした場面です。
  • 史実の韓は紀元前230年に滅びています。内史騰が率いる秦軍が韓に攻め込み、韓王安を捕らえました。戦国七雄で最初に消えた国です。

洛亜完のプロフィール

古代中国の史書をイメージした風景
韓の王都・新鄭は現在の中国河南省鄭州市新鄭市にあたります(画像はイメージです)
名前 洛亜完(らくあかん)
所属 韓国
立場 韓の第一将。韓軍の総大将として秦を迎え撃つ
異名 かつて魏や趙から「凶星」と恐れられた
特徴 冷静沈着。感情ではなく国全体の損得で判断する
味方の将 韓の第二将・博王谷
対戦した秦の将 騰、李信など
史実のモデル 該当する記録なし(作品オリジナル)

洛亜完は、韓という小国の中で唯一「秦を止められるかもしれない」と読者に思わせた将軍でした。兵力でも国力でも劣る条件のなかで、地形と時間を計算して秦軍を消耗させる戦い方をします。

騰との関係

韓攻略戦を通じて印象的なのが、秦の総大将・騰との関係です。両者は新鄭で顔を合わせ、互いの能力を認め合う関係になりました。騰は洛亜完を天才と評しています。

敵同士でありながら、国を守る立場としては同じ論理で動いている。この関係が、韓の滅亡という結末をただの勝敗以上のものにしています。

洛亜完の最期は何巻何話?

洛亜完の結末は、単行本77巻・第841話「大きな歪み」で語られます。ただし戦闘そのものは描かれず、報告という形で処理されました。

話数 タイトル 内容
第835話 ふつうの人 韓王が国と民のあいだで決断を迫られる
第838話 入城 秦軍が新鄭へ到達する
第839話 反逆行為 開城をめぐって韓の内部が割れる
第840話 譲渡 新鄭が無血開城し、韓が滅亡する
第841話 大きな歪み 洛亜完が率いた部隊が討伐され、全滅したと報告される

洛亜完は、無血開城が決まったあとも戦意を捨てられない将兵を引き連れて城を出ました。これは反乱というより、城内に不満分子を残さないことで民の流血を最小限にするための行動として描かれています。

その部隊を討ったのが録嗚未の討伐軍です。第841話では全滅の報告が届く形で処理されており、洛亜完自身の死亡シーンは直接描かれていません。そのため「死亡が確定したのか」という点には、厳密には解釈の余地が残ります。

韓はどのように滅んだのか

作中の韓は、戦って滅ぼされたわけではありません。第840話で新鄭を明け渡すという選択をしました。城を戦場にすれば民が死ぬという判断のもと、王家が国そのものを譲る決断をしています。

これは『キングダム』の20年近い連載で初めて、一国が完全に消えた瞬間でした。秦の統一が理屈ではなく現実として動き出したことを示す区切りです。

史実では? 韓は紀元前230年に滅んだ

洛亜完という人物の記録は史実に残っていません。しかし韓という国が滅んだ経緯は、はっきり記録されています。

出来事
紀元前234年 韓が秦の攻撃を受ける。韓王安は韓非を使者として送るが、韓非は秦で殺される
紀元前233年ごろ 韓が南陽の地を秦へ割譲する
紀元前231年9月 秦が南陽を接収し、内史騰を臨時の南陽守とする
紀元前230年 内史騰が率いる秦軍が韓へ侵攻し、韓王安を捕らえる。韓が滅亡する
同年 秦は韓の旧領に潁川郡を置く
紀元前226年 旧都・新鄭で反乱が起きる。この時期に韓王安が死去したとされる

注目すべきは、韓を落とした将軍の名です。史実で韓攻略を担当したのは内史騰。『キングダム』で韓攻略の総大将を務める騰と、名前がそのまま一致します。作中の騰は史実に実在する人物であり、韓を滅ぼす役目まで史実どおりに描かれているわけです。

一方で、韓王安が捕虜になったという史実に対し、作中では新鄭の無血開城という形が取られました。結果としての韓の消滅は同じですが、そこに至る描写は大きく膨らませてあります。

戦国七雄はどの順で滅んだのか

『キングダム』の史実との違いを考えるうえで、最も基本になるのがこの順番です。秦を除く六国は、10年のあいだに次々と消えていきました。

順番 滅亡年 主な出来事
1 紀元前230年 内史騰が侵攻し、韓王安を捕らえる
2 紀元前228年 王翦が邯鄲を落とす。前年に李牧が郭開の讒言で殺されている
3 紀元前225年 王賁が大梁を水攻めにし、魏王假が降伏する
4 紀元前223年 王翦と蒙武が楚を平定する
5 紀元前222年 燕王喜が捕らえられる
6 紀元前221年 斉が降伏し、秦の中華統一が完成する

韓が最初で、斉が最後。この順番は『キングダム』の今後の展開をそのまま示す年表でもあります。作中はいま趙との決着に向かっており、史実に沿うなら次に来るのは魏、そして楚です。

なお趙については補足があります。紀元前228年に王都・邯鄲は落ちましたが、王族の一部が北の代へ逃れて「代王」を名乗り、抵抗が続きました。この残存勢力が完全に消えるのは紀元前222年、燕が滅んだのと同じ年です。

『キングダム』と史実の違いを整理する

『キングダム』は史実の骨格を守りながら、その隙間を大きく膨らませる作品です。どこが史実でどこが創作なのかを、代表的な例で整理します。

実在する人物

人物 史実での記録
嬴政 秦王政。のちの始皇帝。紀元前221年に中華を統一する
李信として実在。紀元前225年に楚へ侵攻して大敗し、その後も将として記録が残る
内史騰として実在。紀元前230年に韓を攻略する
王翦 実在。趙と楚を攻略した秦の総大将
王賁 実在。魏を水攻めで落とし、燕や斉の攻略にも関わる
李牧 実在。趙の名将だが、郭開の讒言により趙王に殺される
廉頗 実在。趙を離れて魏へ亡命し、最後は楚の寿春で死去する
楊端和 実在。ただし史料では男性の将軍として記録されている

記録が残っていない人物

人物 説明
洛亜完 韓の第一将。史料に該当する記録はない
博王谷 韓の第二将。同じく記録はない
呉鳳明 魏の総大将格。父の呉慶とともに記録はない
輪虎ら廉頗四天王 廉頗は実在するが、四天王の4人は記録に残っていない

敗れた側の将軍ほど記録が薄いという傾向があります。『史記』は秦の側から統一の過程を書いた部分が多く、滅ぼされた国の指揮官が個別に名を残す機会は限られていました。作者が韓や魏に強力な将軍を配置できるのは、この空白があるからです。

李信の史実がもたらす意味

主人公の信は実在します。そして史実の李信には、避けられない大きな敗北が記録されています。

紀元前226年、秦王政は楚攻めに必要な兵数を諸将に問いました。李信は20万で足りると答え、王翦は60万が必要だと答えます。秦王は李信の案を採用しました。

紀元前225年、李信は蒙恬とともに20万で楚へ侵攻します。序盤は勝ちましたが、城父で楚軍の追撃を受けて軍が壊滅。都尉7人を討たれる大敗となりました。その後、王翦が60万を率いて楚を平定しています。

つまり作中の信は、いずれこの敗戦を通ることになります。韓の滅亡が描かれた今、その時期は確実に近づいています。

なぜ洛亜完はこのように描かれたのか

韓は戦国七雄で最も弱い国とされ、史実でも最初に滅びました。物語の構成上、通り過ぎるだけの国になってもおかしくありません。

そこに洛亜完という将軍を置くことで、韓は「勝てないと分かったうえで、被害を最小にするために全力を尽くした国」になりました。国を守るのではなく、民の命の総数を守るために動く。この判断ができる人物だったからこそ、無血開城という結末に意味が生まれます。

そして洛亜完は、開城後に不満分子を引き連れて城を出ます。自分が受け皿になることで新鄭に火種を残さないという選択でした。討伐されることを分かったうえでの行動です。史実に一行も残っていない人物に、統一という大きな流れの下で何が起きるのかを背負わせた形になっています。

アニメではまだ描かれていない

この場面は単行本77巻にあたります。

2026年8月の時点で、アニメはここまで進んでいません。第6シリーズが鄴攻略編の序盤から中盤までを描いた段階で、続きは続編で扱われることになります。

単行本 77巻
アニメ 2026年8月時点で未放送
放送済みの最新 第6シリーズ。原作46巻の第490話から朱海平原の戦いの中盤まで

続編の制作は決定していますが、放送時期は公表されていません。シリーズごとの原作範囲はアニメと原作の対応表にまとめています。

洛亜完と韓の滅亡に関するよくある質問

洛亜完は死亡しましたか?

単行本77巻・第841話「大きな歪み」で、洛亜完が率いた部隊が討伐され全滅したと報告されました。ただし直接の死亡シーンは描かれていません。

洛亜完を討ったのは誰ですか?

録嗚未が率いた討伐軍です。作中では戦闘描写ではなく、結果の報告として処理されました。

韓が滅亡するのは何巻何話ですか?

単行本77巻・第840話「譲渡」です。王都・新鄭が無血開城し、韓が消滅しました。77巻は第835話から第845話までを収録しています。

洛亜完は史実に実在しましたか?

実在しません。『史記』などの史料に洛亜完という韓の将軍の記録は残っておらず、作品オリジナルの人物です。

史実で韓を滅ぼしたのは誰ですか?

内史騰です。紀元前230年に秦軍を率いて韓へ侵攻し、韓王安を捕らえました。『キングダム』の騰と同じ人物です。

韓王安はどうなりましたか?

紀元前230年に捕虜となりました。その後、紀元前226年に旧都・新鄭で反乱が起き、この時期に死去したとされています。

戦国七雄はどの順番で滅びましたか?

韓が紀元前230年、趙が紀元前228年、魏が紀元前225年、楚が紀元前223年、燕が紀元前222年、斉が紀元前221年の順です。秦が最後に残り、中華を統一しました。

『キングダム』はどこまで史実どおりですか?

国が滅ぶ順番や年、主要な将軍の実在といった骨格は史実に沿っています。一方で、個々の戦場での一騎打ちや、記録の残っていない敵将の造形は作品独自のものです。

信は史実に実在しますか?

実在します。李信という名で記録されており、紀元前225年に20万で楚へ侵攻して大敗した記述が残っています。

次に滅ぶのはどの国ですか?

史実の順番では趙、次いで魏です。作中はいま趙との決着に向かっており、その先に魏の攻略が控えていることになります。

まとめ

  • 洛亜完は単行本77巻・第841話で、率いた部隊が全滅したと報告される形で退場した
  • 韓の滅亡は第840話「譲渡」。新鄭の無血開城により、作中で初めて一国が消えた
  • 史実の韓は紀元前230年、内史騰の侵攻によって滅び、韓王安は捕虜となった
  • 戦国七雄が滅んだ順は韓、趙、魏、楚、燕、斉。紀元前221年に秦が統一を完成させる
  • 洛亜完は史実に記録がない創作人物だが、韓の滅亡という結末そのものは史実どおりである

記録の残っていない将軍に、記録の残っている結末を背負わせる。『キングダム』が史実とどう付き合っているかを知るうえで、洛亜完という人物ほど分かりやすい例はありません。

続きは単行本で

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この記事について

執筆・編集: マンガノシラベ編集部
公式コミックスおよび公開されている史料をもとに作成しています。内容に誤りを見つけられた場合はお問い合わせよりご連絡ください。